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詩:05「ページをめくる」

詩:05「ページをめくる」

真っ白なページに書かれ続けた
端から端 鳥と人間と戦争
ページをめくっても答えは書いていない

優しい君が生きたくないと言う
つまらない話をしよう
すぐに忘れてしまうような意味のない話
生活の中にいらないものを増やすように

夢を見ることで行き着く先は?
行き詰まった日々に
ただ通り過ぎていく8月の風

私のための歌が聞こえる
少し溶け始めたバニラアイスの味

5月の空が青かったとか
そんな話がし

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詩:04「最後のパレード」

詩:04「最後のパレード」

一斉に放たれたスタートの合図
意味のない怒号が飛び交う
音を立てながら転ぶ缶コーヒー
ふるい落とされた僕みたいだ

皆遥か遠い先を行く追いつけないスピードで
一人取り残されたままゴールはまだ見えない

転落していく先に
前を向ける日は来るか?
欲しいものは手に入らない
満たされない感情今ここで捨ててしまえたら

歓声が鳴り響く
ここは酷く惨めなパレード
誰もなにもわからないまま 
取り繕って生きて

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詩:03 「何者にもなれないとしても」

詩:03 「何者にもなれないとしても」

読めない小説
見れない映画
聞けない音楽

なにもできずに終わる日々
ひとり過ごす部屋でなにを待ち続ける?

皆の言う誰かには含まれない自分
何者にもなれないと気付いたのはいつ頃か

なにかあったわけじゃない
なにもないただそれだけが怖い

そんなことを思いながら通り過ぎる日々に
今、なにを思う?

積まれた本がこっちをずっと睨んでいる
救いだったはずのあの曲を聴けなくなって
どれくらい経った? 

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詩:02 「Carpe diem.」

詩:02 「Carpe diem.」

不思議な夢を見ていた
知らない日々のこと
満ちた月と折れた傘

ここでは全て忘れて
秘密の話をしよう 花を飾って
オルゴールを聴きながら 

さぁ、まだ見ぬ夢の続きを!
俯いた夜に鳴らすファズ?フェイザー?
暗い夜の底笑ってそれだけでよかった
何もいらなかった

良いんだこんな最後でも
別れの言葉はあなたには届かないか…
それでもいいんだ

詩というよりは歌詞みたいですね…
Cadd9のコードが鳴

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詩:01 「transi」

詩:01 「transi」

目が覚めたらすぐに忘れてしまうような夢
味気のない食卓に見える悲しみの色 

単なる優しさに目が眩む
なにも感じなくなった日常に
ただ独り立ちすくむどうやって戻ろうか

静かに終わりを告げる夜 雲雀が泣いていた
静かに沈んでいく街  空鳴りが聞こえる
穏やかな日 夢を見た 紅茶の香りと波の音
それだけでよかった

海の見える小さな家
この窓から見える真っ白な壁になにを飾る?
あたたかなスープに不揃

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