俳句05:「繰り返す孤独」20句
見飽きたの葉桜君の横顔も
たんぽぽは踏み潰されたけんけんぱ
すり減った心の数だけ剥くアスパラ
春まけて通学帽が並ぶ朝
心中は未遂に終わり三冬尽く
夕焼けは誰のものでもありません
誰からも好かれていないあの金魚
助走つけ踏み込む初夏を飛び越へて
おぼろげな紫陽花目には涙落つ
サンダルを投げ捨て少女何処へゆく
袖口を林檎の如く齧りけり
ふみつぶす銀杏わざと子は笑ふ
秋の蝶逃げ道もなくたぐるやう
哀蚊や孤独を何度繰り返す
帰り道月は慰め方が下手
あの雪も全部私の妄想か
帰り花みんなと違う生き方を
雪催帰路に急げよスニーカー
青写真光を探す無人駅
1人用鍋に慣れては戻れぬ日
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