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あとがき

あとがき

何者かになりたかった
実生活が充実していない、社会に適合できないのであれば才能や実力はともかく創作で生きていくしかないと思った

漫画家になろうと思った。絵が下手だった
練習しようと思うほど絵を描くことが好きになれなかった

バンドマンになろうと思った。ギターが下手だった
練習しようと思うほど音楽を好きになれなかった

小説家になろうと思った。何も思い浮かばなかった
机に向かってみても、ただ一日が

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うつくしい世界

うつくしい世界

この夏愛で救われたはずの地球で誰かが死んだ
今週最も聞かれた曲は私を救ってくれはしない
出生率の議論で今日の自殺者数には目もくれず
10桁の番号最後に伝えて優しいふりする箱の中

いつからこんなふうになった
歯が溶けていく夢を見たんだ
電話の音すれ違う人の笑い声
全部自分を殺す凶器みたいで
皆こっちを見ながら笑ってる

苦しくても辛くても絶対に生きなきゃダメだと
感じさせるこんな世界を平和だと笑う

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ねぇ、神様

ねぇ、神様

悲しみだけが残ってる部屋の中
母は今日も泣いている

外から聞こえる楽しそうな笑い声
家の中悲しみだけが溢れている

ねえ神様なんで
あの子たちだけ楽しそうに笑ってるの?
愛し方なんて誰も教えてくれなかった

ねぇ神様見ている?この結末を
ねぇ、神様。余所見しないでよ
どうせ上から笑っているんでしょう

知っていたはずなのに
あなたは誰にも微笑まないと

天国なんて、いらない
だから早く、私を助け

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感情のない世界

感情のない世界

つまらない=面白くない
と決めつけるのは違うような気がするのです

つまらないと思っていたものも時間が経てば
面白いと思える瞬間だってあるかもしれない

私が面白いと思わなかっただけで、他者から
見たらとても面白いと言われていたり(逆も)

好き、嫌い、合う、合わないがあるので、
一概に違うとも言い切れないのですが。

例えば「面白い」という感情のない世界では、
娯楽はどのようなものになっているの

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世間話という拷問

世間話という拷問

世間話ほど
優しさを向けられているつもりの拷問はない。

恋愛 仕事 趣味 人生 
誰もが普通に持っていると思われていて、
どう足掻いても、逃げられない攻撃が続く

貴方の人生に関係のない私を知らないでほしい。
そんなことを思いながら、目線を合わせられずに、少し遠くを見ながら、愛想笑いを繰り返している

普通も、可哀想も、大丈夫も、
誰かのものさしで決められることではないのに、
勝手に決められてし

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私の好きな本10冊

私の好きな本10冊

自己紹介というものが苦手なので、
好きな本を並べていこうと思います

身の上話より、影響を受けて育ってきたものを
知る方が人間性が垣間見えるような気がするので

1.中村文則『迷宮』
中村文則作品は全て読んでいるくらい好きなのですが、特に迷宮が好きです

互いの闇と、性と死が呼応しているような歪さ
今にも壊してしまいそうな、壊れてしまいそうな
狂気を、不安を、抱えながら生きているふたり
静かに人間

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普通に生きてみたかった

普通に生きてみたかった

小学生の頃に書いたプロフィール帳
結婚したい年齢もとっくに通り過ぎてしまった
子供の頃思い描いてた大人はこんなんじゃなかった

何者かになりたかった
いちばんにならなくても、一度くらい誰かに認められたかった。必要とされたかった。

好きだった音楽も聴く気になれず、眠るだけの日々と眠ることすら怖い日々の憂鬱を繰り返している

夢は叶わなくていいから
せめて、普通に生きてみたかった

過去の思い出 

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自分のことなんて、自分でも分からない

自分のことなんて、自分でも分からない

昔から、自分の話をすることが好きじゃない
自分に興味のある人なんていないと思っていたし、誰かに内面を理解されることが怖かった

自分のことなんて、自分も分からない

自分がなにを考えているのか、なにをしたいのか、よく分からずに、たまに後ろで、もう一人の自分が私を見ているような感覚で過ごしている

誰といる時もずっと聞き役、同調するだけ
誰かの傍観者として生きてきた。今も、ずっと

誰かに必要とされ

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