【読書感想】自分を縛り付ける自分:『無敵の犬の夜』小泉綾子
4歳の頃に小指と薬指の半分を事故で失った主人公の界は、北九州に住むどこにでもいそうな男子中学生だった。担任の半田の車に落書したことで、界は授業中に半田から指がない人のことを「かわいそうな人」「社会のお荷物」と言われ不登校になる。学校に行かず地元の先輩とただ時間を潰しながらゆっくりと悪い方向へと向かう日々を過ごしている時に、高校生の橘と出会う。担任の半田に仕返しをした二人は、自然と同じ時間を過ごすように。橘のことをカッコいいと尊敬する界は、二人で過ごす時間が一番でその時がこのま