おおぬき

ゆとり世代で全国紙記者。娘が無事爆誕し、父親業も始めました

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【育児】娘のいたずらに思う

子どもは基本的に「いたずら」をする生き物である。 私も家の照明器具から垂れるひもにぶら下がろうとして落下し、照明器具を破壊したことがあったり、冷蔵庫の上のものをとるために冷凍庫を少し開けてよじ登り冷蔵庫の上にあるものをとった結果冷凍庫を破壊するなど、数多くのいたずらに精を出し、そのたびに親に叱られてきた。 娘を最近見ていると、おそらく「いたずら」の何たるかがわかってきたような様子になったようだ。砂場で石をわざと食べようとしたり、キッチンと居間のあいだに設けている柵の間に足を

    • 高級ホテルのスイートルームに行ってみよう

      職場の先輩で、女性と酒を飲みながら話すような「キャバクラ」みたいな場所が好きな人がいる。 それはそれで全く否定する気はないのだが、金額を聞いて2~3人で20万円ほどつかうことがあったという。女性と酒を飲み、話すだけで20万というのはなかなかの金額だ。 先輩からその話を聞きながら、いったい20万円をどう使うのがよいのだろうと考えてみる。1か月間かけて食費を切り詰めながら普通に生活してもいいだろうし、ローンを返済してもいいのだが、私が個人的にお勧めしたいのが高級ホテルのスイート

      • 人生は終わりと始まりを繰り返し続けて終わりを迎える

        中学生の頃に音楽を聞いていた時だったか、人生とは始まりと終わりがただ繰り返されていく営みであると直感したことがある。 生と死という大きな大きな始まりと終わりの中に、沢山の始まりと終わりがある。 一曲の始まりと終わりがあれば、一日の始まりと終わりもある。学生の始まりと終わりがあれば、仕事の終わりの始まりもある。だからこそ終わりは始まりだ、などと矛盾めいた言葉が存在することになる。 終わりというのは何かと虚しい。 私は中学二年生の頃、十年ほどやってきた水泳をやめたが、その時の

        • 泡まみれの都知事選に

          選挙で当選が見込めない候補を「泡沫候補」と呼ぶ。 かつては大日本愛国党の赤尾敏氏や宗教家の又吉イエス氏が有名だった。当初泡沫候補として面白がられていたスマイル党のマック赤坂氏は本当に当選してしまったという珍妙な歴史もある。 総じて泡沫候補は選挙の中で「エンタメ」として消費されてきたきらいがあるわけだが、今回の都知事選は度を超したエンタメと化した印象だった。 名作「1984」とまではいかないが民主主義や自由主義におけるディストピアを見せられている感覚である。 立候補者は56

        【育児】娘のいたずらに思う

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          想いをどんなに寄せたとしても

          当事者にならないとわからないことはたくさんある。 親になってみないと親の気持ちもわからないし、障害を負ってみないと障害者の気持ちはわからないし、成功しないと成功者の気持ちはわからないのだ。 2020年、三島由紀夫の没後50年を記念し、「NHKスペシャル 三島由紀夫 50年目の“青年論”」が放映された。番組内で、生前親交のあった美輪明宏氏が「天才の心を推察するのは僭越です」という言葉を残している。 これは三島のような天才の思考回路や感性を推察すること自体が僭越であって、ことさ

          想いをどんなに寄せたとしても

          【育児】童謡の世界~「どんぐりころころ」における発見について~

          育児をしているときには適当に音楽を流して、子供が気を取られている間に必要な作業をすることがよくある。 テレビだけしかなかったころには年がら年中子供番組を映し続ける番組などなかったので、おもちゃや絵本といったものでなんとか気を紛らわせていたのだろう。テレビがない時代はなおさら様々な工夫があったはずだ。翻って今の時代は非常に便利になり、大人も子供も暇つぶしには事欠かない。 もちろん、子供向けの番組と言ってもいろいろある。 音楽一つとってもいい感じのリリックが光るラップを聞かせて

          【育児】童謡の世界~「どんぐりころころ」における発見について~

          心地よく生きるなら自分を知るって大事だよねって話

          高校のころ、世界史の先生から「毎年合格体験記とかみんなこれ見よがしに書いてるけど、実際不合格体験記のほうが役に立つよ」と言っていたことがあった。成功体験など別に人それぞれだから、むしろ「これだけはだめだ」という失敗ケースを避けることのほうが重要だと説明してくれたのをよく覚えている。 今思うと、確かにそうかもしれない、という思いがする。先日、個人で塾を経営している方と話す機会があった。長らく教育に携わっているなかで様々な経験を伺うのは実に興味深かったのだが、ぽろっと「自分の受

          心地よく生きるなら自分を知るって大事だよねって話

          「退職代行」は別にいいんだけどちょっとだけひっかかる

          退職代行というビジネスが活況らしい。 仕事を辞めたいのになかなか言い出せない(というか言い出すとブチギレられて退職交渉どころではない)人たちを対象に、第三者的な立場から退職の手続きを進めてくれるものだ。 たしかに必要な人は一定数いるのだろう。問題のある上司や、とんでもないパワハラの上司に退職を伝えるのは勇気がいるし、まともに取り合ってくれない可能性もある。本来仕事は「やめたい」といえばやめられるものなのに、無理やり続けさせるのは契約上問題がある。 ただ、ニュースは退職代行

          「退職代行」は別にいいんだけどちょっとだけひっかかる

          ともだち100人できるかな

          「一年生になったら」という歌のなかに「♪ともだち100人できるかな」という歌詞の一節がある。 100人のともだちと給食を食べたいとかおにぎりを食べたいとか、普遍的な欲を歌っている。私が一年生の頃は学年に80人くらいしかいなかったので「全員をともだちにしても100人にならない」などとひねくれた考えを持っていたのだが、いつの間にかそんな愉快な歌を歌うこともなく、およそ25年の日々が流れた。 社会人になると、「ともだち」と呼べる関係とは非常に少なくなる。 SNSをみても友達やフォ

          ともだち100人できるかな

          なんかエモーショナルな愛媛旅行の記憶

          2025年に大学を卒業する学生の内定率が6月1日時点で82%になったとのニュースを見た。 逆に言えば6月時点で内定が出ていない人がだいたい5人に1人はいるという計算になるわけだが、思えば私も内定が出たのは9月なので、その1人だった。 就職活動中はなかなか精神的に不安定な時期だ。ちょっとした気分転換もかねて旅行をすることにした。海を見ようと思い立ち、当時住んでいた大阪から、「日本一海に近い駅」として有名な愛媛県・下灘駅に行ったことがあった。 松山市から下灘に向かう列車は電車

          なんかエモーショナルな愛媛旅行の記憶

          記事の捏造は他人事にあらず

          記者として仕事をしていると、時々デスクを中心に「無理のある注文」がやってくることがある。 デスクはデスクで編集部の偉いおじさんから「この情報はないのか」「これをいれろ」とか言われて我々記者をせっつくことになるのだが、時に「これはさすがにちょっとな」というケースもある。 取材先の方にはそのたびに「これこれこういう事情がありまして」と説明してなんとか先方に納得してもらうわけだが、いざ記事が出てみても幾ばくのもやもやとした感情は消えない。 4月30日に読売新聞が、小林製薬による

          記事の捏造は他人事にあらず

          【育児】あっという間に1年

          おかげさまで、このたび娘が1歳となった。 そばにいたはずなのに知らず知らずのうちに娘は大きくなって、いまでは自由に歩いたり我々のマネをして「てえ」「ばあ」などと言ってみたりと、すっかり人間らしい様子になってきた。 子供は何か気に入らないことがあると泣くものだが、これは単なるコミュニケーションの一種に過ぎないことも親になってみてよくわかった。その証拠に、お気に入りの絵本やぬいぐるみをあてがえば意識はそちらに向かい、たちまち泣きやんでケロリとする。 こんな風にして日々大人と丁

          【育児】あっという間に1年

          人生という時間をどう使うか

          「人生とは何か」という問いに対して、世の中では様々な答えがある。偉い人は「実験である」「自転車のようなもの」「死ぬまでの暇つぶしだ」と様々な回答をしているが、どれも正解なのだろう。 思うに、人生は単なる時間の集積である。 なんとも面白みのない回答なのだが、それゆえに目の前にある時間をどこにどう費やすのかを考えることは、人生を考えることでもあると思う。だからこそ今をどんな心意気で生きるのかがとても重要だ。 20代のころ、楽しい仕事ができれば、それだけで幸せであった。 金融機

          人生という時間をどう使うか

          【育児・経済】「保育園落ちた日本死ね」という言葉もあれば定員割れで保育園に入園できたりしてよくわからん

          私が小さいころは時代の流れもあって「父親は働き、母親は専業主婦」というのが一般的だった。 日本が貧しくなったのか、はたまた子育てにコストがかかるようになったのかはわからないけれども、いまや共働きで子供を小さいうちから保育園に預けることのほうが一般的だ。 足元、私も娘を保育園に入れるかどうかというタイミングだったのだが、この度娘が保育園に「定員割れ」で入園することになった。 かつて「保育園落ちた日本死ね」というSNSの言葉が話題になったことがあったくらいなので、保育園に受かる

          【育児・経済】「保育園落ちた日本死ね」という言葉もあれば定員割れで保育園に入園できたりしてよくわからん

          自分との対話って大事よね

          「内省」ということばがある。自分自身の考え方や思い、哲学と向き合うことを指している。もっといえば、自己対話という言い方をしてもいいかもしれない。 内省ができるのは、ある程度の時間がある時である。時間があって特に何もやることがない時に「そういえば自分って…」などとふと考えるものだ。 子育てなんかをしていると一生懸命子どもの世話をするので、その間に「自分の人生って…」などと考えることはまずない。子供が寝静まって布団に入ったときや、仕事が終わって帰路につくときなんかに内省が始まる

          自分との対話って大事よね

          オレンジジュース「なっちゃん」の思い出

          サントリーの飲料で「なっちゃん」というオレンジジュースがある。この「なっちゃん」をめぐって、私にはちょっとした思い出がある。 3歳くらいのころから私には顎に腫瘍があり、腫瘍が膨らんでくると切除する手術を受けるため都心の病院に入院することがあった。 当時の私は何が起きているのかもよく分からず、ちゃんとした服を着てどこに行くのだろうと思いながら、実家から一時間半くらいかけて、いつの間にか小児科の病棟に連れられ、とりあえず一日二日過ごしてみると、どうやら親と離れてここに寝泊まりす

          オレンジジュース「なっちゃん」の思い出