おおぬき

ゆとり世代で全国紙記者。娘が無事爆誕し、父親業も始めました

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記事一覧

学び続けることの意義

いまでは「ガチャ」が一般に普及したこともあるのか「●●ガチャ」という言葉をよく聞くようになった。 人生もガチャのようなものだ、として「人生ガチャ」なんて言葉もあ…

おおぬき
1日前
20

【育児】私が幼年期のときにやってた遊びを娘もやり始めた件

私は小さな頃、父親と遊ぶ時には決まって「膝飛行機」「飛行機ブーン」という名がつく遊びをしていた。 これは子供が親のすねに腹ばいになり、親が足をぐいっと上げると子…

おおぬき
5日前
38

終わりゆく夏に見えるもの

フジファブリックの名曲で「若者のすべて」という歌がある。 「♪真夏のピークが去った…」という歌詞から始まるのはあまりにも有名だが、私の奥さんの友達に毎年真夏のピ…

おおぬき
8日前
67

富士スピードウェイで耐久レースを見た話

欧州と比べるとモータースポーツが日本では盛んではないが、年に何度もレースが行われている。 モータースポーツのうち、日本で最も賑わうのが鈴鹿サーキットでのF1であろ…

おおぬき
12日前
23

街並みへのまなざし

静岡にいる友人に会いに行った時の話である。 友人の奥さんが非常に豊かな感性を持った人で、話をさせてもらって非常に刺激を受けた。 極めて聡明な友人も奥さんの感性に惹…

おおぬき
2週間前
39

ラーメン二郎を食べていたら哲学が始まった

ラーメン二郎という有名なラーメン店がある。熱狂的なファンは「ジロリアン」と呼ばれ、いまや二郎は一つのブランドとして確立している感すらある。 とりわけ有名なラーメ…

おおぬき
2週間前
131

「調子」を考える

パリオリンピック・パラリンピックが終わった。 選手のインタビューなんかを聞いていると「いい調子で臨めた」といったコメントなんかをよく聞く。この「調子」というのは…

おおぬき
2週間前
34

夢中になれる日々も、暇で仕方ない日々も愛せたらいいよね

バレーボール好きで、海外を飛び回っている友人がいる。この間たまたま近くにいるということで会って少し話をしたことがあった。 私から見れば、彼は海外でバレーボールを…

おおぬき
3週間前
46

【育児】音ゲーとしての意思疎通

ある友人で、盛り上がってくると適当にしゃべりだしてしまうやつがいる。 普段はそれなりに真面目なのに、酒が入ったりすると急にそんな感じになってしまう。なんだか面白…

おおぬき
3週間前
37

ネットで「論破」したところで現実がいい方向に変わるのか

「論破」という言葉がすっかり人口に膾炙した現代である。 論破というのは、議論をして相手の論の矛盾などをつき、言い負かすことなんかを指す言葉だ。 人間誰しもマウン…

おおぬき
4週間前
35

【育児】娘、「ねないこだれだ」をせがむ

この世界には数多くの絵本が存在している。中には大人になってからでも覚えているほど印象的な作品もあるし、育児の過程で大人になってから読んでみて新たな気づきを得られ…

おおぬき
1か月前
53

「スイマーズ・ハイ」の経験

この季節になると、小さいころに通っていた水泳クラブで言った夏合宿の機会を思い出す。 4泊5日で5万5000円程度という破格で、みんながいくこともあり何も考えずに合宿に行…

おおぬき
1か月前
31

墓参りは、歴史に思いを馳せるとき

プロイセン(現在のドイツ)の名宰相であるビスマルクが残した「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ということばはあまりにも有名である。 とはいえ「過去の経験でうま…

おおぬき
1か月前
31

力の手加減、言葉の手加減

娘と遊んでいると、時折ものすごい力で鼻をつかまれたり、指をかみちぎらん勢いで食われることがある。 とても痛いのだが、別に怒るほどでもないので「いててて…」などと…

おおぬき
1か月前
53

【育児】抱っこの終わり

育児の過程を振り返ると、「沐浴」や「へその緒の消毒」などかつてやっていたがいまやすっかりやらなくなったことや、逆に「離乳食を作る」とか「保育園にいく」など新たに…

おおぬき
1か月前
55

夢とうつつを行き来して

過去のある出来事について「こうだったらよかったのに」と考えたり、「こんな風になったらいいな」と未来を夢見ることは、現実ではない世界を考えることでもある。 専門用…

おおぬき
1か月前
48
学び続けることの意義

学び続けることの意義

いまでは「ガチャ」が一般に普及したこともあるのか「●●ガチャ」という言葉をよく聞くようになった。
人生もガチャのようなものだ、として「人生ガチャ」なんて言葉もある。昔であれば「人生は運ゲー」とでも言われていたのだろう。

確かに人生が運に左右されることは多い。いまでも付き合いのある友達との出会いの瞬間など、運以外の何物でもないし、受験なんて当日の問題が得意であれば受かるし、苦手なら落ちる。運の要素

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【育児】私が幼年期のときにやってた遊びを娘もやり始めた件

【育児】私が幼年期のときにやってた遊びを娘もやり始めた件

私は小さな頃、父親と遊ぶ時には決まって「膝飛行機」「飛行機ブーン」という名がつく遊びをしていた。
これは子供が親のすねに腹ばいになり、親が足をぐいっと上げると子供の体が飛行機のように宙に浮いて子供が楽しいという遊びである。クルマ遊びに飽きると、大体はテレビを見ていた父親のすねにダイブして体を浮かせてもらいよく楽しんだものだった。

この間眠る前に娘と布団で遊んでいたところ、おもむろに膝を曲げて寝転

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終わりゆく夏に見えるもの

終わりゆく夏に見えるもの

フジファブリックの名曲で「若者のすべて」という歌がある。
「♪真夏のピークが去った…」という歌詞から始まるのはあまりにも有名だが、私の奥さんの友達に毎年真夏のピークが去ったあとに「若者のすべて」を聞くという律儀な人がいる。
季節も相まって、若者のすべてが沁みるようで最高に感情が揺さぶられるらしい。

多くの歌には季節がある。歌詞はもちろん、メロディーによってさらりとした春の陽気を感じることもあれば

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富士スピードウェイで耐久レースを見た話

富士スピードウェイで耐久レースを見た話

欧州と比べるとモータースポーツが日本では盛んではないが、年に何度もレースが行われている。
モータースポーツのうち、日本で最も賑わうのが鈴鹿サーキットでのF1であろう。以前鈴鹿に行った話を書いたけれども、外国人も含めたくさんの人がおりそれはもうとんでもなく混雑していた。

F1以外のレースを知っている人はそれほど多くないだろうが、それこそ一般の人も参加できるようなレースイベントもあれば、日本国内での

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街並みへのまなざし

街並みへのまなざし

静岡にいる友人に会いに行った時の話である。
友人の奥さんが非常に豊かな感性を持った人で、話をさせてもらって非常に刺激を受けた。
極めて聡明な友人も奥さんの感性に惹かれて結婚を決めたほどであり、そのすごさを窺い知ることができるだろう。

友人の奥さんは長らく静岡にいたといい、大学進学を機に上京したという。地元の静岡ではほとんど変わらない街並みだったなかで、めくるめく変わり続ける東京の街並みは「生きて

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ラーメン二郎を食べていたら哲学が始まった

ラーメン二郎を食べていたら哲学が始まった

ラーメン二郎という有名なラーメン店がある。熱狂的なファンは「ジロリアン」と呼ばれ、いまや二郎は一つのブランドとして確立している感すらある。

とりわけ有名なラーメン二郎は、テレビのニュースで報じられたことのある「神田神保町店」だろう。
テレビの取材に対してある青年が「割とレベルの高い、合格点を超えてくるような二郎を、オールウェイズ出してくれる」と論評したことでその質の高さが我々一般人にも知られるこ

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「調子」を考える

「調子」を考える

パリオリンピック・パラリンピックが終わった。
選手のインタビューなんかを聞いていると「いい調子で臨めた」といったコメントなんかをよく聞く。この「調子」というのはなんとも不思議なものだ。

「パワプロ」なんかでは選手の調子が悪いときにひどくミートが小さくなったり、投手であれば変化球の曲がり具合がショボくなったりと様々な弊害が起きたりする。それだけにパワプロの選手育成モード「サクセス」では、彼女やチー

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夢中になれる日々も、暇で仕方ない日々も愛せたらいいよね

夢中になれる日々も、暇で仕方ない日々も愛せたらいいよね

バレーボール好きで、海外を飛び回っている友人がいる。この間たまたま近くにいるということで会って少し話をしたことがあった。

私から見れば、彼は海外でバレーボールを見たり、かなり有名な選手にも取材をしたりと充実している印象だったが、話の中で彼の口から「『YouTube見てえ』とか思わないくらい、夢中になれるものを見つけたい」という言葉が出た。海外と日本を行き来するくらいなので、バレーボールに国内外問

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【育児】音ゲーとしての意思疎通

【育児】音ゲーとしての意思疎通

ある友人で、盛り上がってくると適当にしゃべりだしてしまうやつがいる。
普段はそれなりに真面目なのに、酒が入ったりすると急にそんな感じになってしまう。なんだか面白いのでいまだに付き合いがあるのだが、このあいだ「他者の投げかけに対して明らかに会話の辻褄が合っていない。どんな感じでしゃべっているのか、会話をしていて『これはミスった』といった違和感はないのか」と尋ねたところ「投げかけられた言葉に対してタイ

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ネットで「論破」したところで現実がいい方向に変わるのか

ネットで「論破」したところで現実がいい方向に変わるのか

「論破」という言葉がすっかり人口に膾炙した現代である。
論破というのは、議論をして相手の論の矛盾などをつき、言い負かすことなんかを指す言葉だ。

人間誰しもマウントをとって人より上に立とうとするものである。昔であれば権威とか物理的な力によってマウントを取ることが多かったし、いまでもそういう一面はあろうが、「論破」という言葉を日常的に見かけるようになったのはここ最近の話のように思う。

「論破」の勃

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【育児】娘、「ねないこだれだ」をせがむ

【育児】娘、「ねないこだれだ」をせがむ

この世界には数多くの絵本が存在している。中には大人になってからでも覚えているほど印象的な作品もあるし、育児の過程で大人になってから読んでみて新たな気づきを得られるものもある。

私にとって、印象的な絵本の一つが「ねないこだれだ」という作品だ。これは夜になっても眠らずに遊んでいる少年がお化けにさらわれ、お化けになってどこかに飛んでいくという話である。
「お化けになりたくない」という恐怖からさっさと眠

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「スイマーズ・ハイ」の経験

「スイマーズ・ハイ」の経験

この季節になると、小さいころに通っていた水泳クラブで言った夏合宿の機会を思い出す。
4泊5日で5万5000円程度という破格で、みんながいくこともあり何も考えずに合宿に行っていた。

合宿では朝晩と2回の練習をこなす。毎回何らかのメイン練習があり、例えば50mを30本とか、100mを15本とか、200mを8本とか、400mを4本とか大体そんな感じである。そしてタイムを測り、翌日には宿の壁にランキング

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墓参りは、歴史に思いを馳せるとき

墓参りは、歴史に思いを馳せるとき

プロイセン(現在のドイツ)の名宰相であるビスマルクが残した「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ということばはあまりにも有名である。

とはいえ「過去の経験でうまくいかなかったから今回もダメかも」などと経験から学んでしまうことはしばしばある。
歴史から学ぼうとするどころか、歴史そのものに意識を向けること自体、なかなか簡単ではない。

学ぶにしても歴史に思いを馳せる経験がないと学びようがないわけだが

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力の手加減、言葉の手加減

力の手加減、言葉の手加減

娘と遊んでいると、時折ものすごい力で鼻をつかまれたり、指をかみちぎらん勢いで食われることがある。
とても痛いのだが、別に怒るほどでもないので「いててて…」などと見事な大根役者っぷり全開の芝居をすると、娘はしてやったりと笑っている。
まだ1歳である、自分がやったことの重みがまだわからないらしい。

まともな大人は多くの人が「手加減」をすることができる。
それは物理的な力の手加減はもちろんながら、言葉

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【育児】抱っこの終わり

【育児】抱っこの終わり

育児の過程を振り返ると、「沐浴」や「へその緒の消毒」などかつてやっていたがいまやすっかりやらなくなったことや、逆に「離乳食を作る」とか「保育園にいく」など新たにやりはじめたことがたくさんある。

満を持して、前者の「かつてやっていたがいまやすっかりやらなくなったこと」になりつつあるのが、「抱っこ」である。一言で言えば、「抱っこの終わり」がひしひしと近づいているのだ。
生まれて間もないころの娘は横に

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夢とうつつを行き来して

夢とうつつを行き来して

過去のある出来事について「こうだったらよかったのに」と考えたり、「こんな風になったらいいな」と未来を夢見ることは、現実ではない世界を考えることでもある。
専門用語では、そんな妄想の世界を「可能世界」なんて呼ぶらしい。

昔の偉い人はこの「可能世界」をめぐってあれこれ議論をして、「いま目の前にある世界って神が選び取って現実になっているわけだから可能世界より現実世界が一番いいよね」とか「現実に私たちが

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