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脳内を記述する技術(ハート・トゥ・ワード)

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タイトルはHUNTER×HUNTERの念能力名っぽくしました(笑)。 文章技術から悩み相談、僕の経験の紹介など「モヤモヤとした思考を言語化すること」をキーワードにいろいろと書いて… もっと読む
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記事一覧

文月煉、不惑になる

文月煉、不惑になる

7月22日で40歳になりました。

40歳は「不惑」というらしい。
出典は、大昔の中国の哲学者、孔子の言葉から。

孔子は今から2500年も前に74歳まで生きたスーパーおじいちゃんで、
70歳を過ぎて自分の人生を振り返って残したのがこの言葉。
日本でもとてもよく知られていて、特に40歳の「不惑」は圧倒的にわかりやすい言葉だからか、いちばん多く言及されている気がする。
定番は「私はもう『不惑』の年齢

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脱・相対評価

脱・相対評価

僕がいちばん語りたいこと、伝えたいことは「相対評価で世の中を見るの、やめない?」ってこと。
他の人が配慮されていると「ずるい」って言っちゃうのも、そもそも社会全体が「よくなること」に抵抗するのも、相対評価、つまり「他人とくらべること」のせいじゃないかなと思うんだよね。

そしてそうだとしたら「相対評価の弊害」ってものすごくて、はっきり言ってしまえば「社会をだんだん悪くする」ことを推し進めてしまいか

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フリーランスの働き方は「夏休みの宿題」みたい。

僕は未来の予定を立てたり、こうなるだろうと予測することが苦手で、いつもすぐ先のことしか考えられないから、ふと気がつくと急に忙しくなったり、逆に急に暇したりしてしまいがち。

暇になったらのんびりすればいいのに、つい「今のうちに何かしておかないと未来がたいへんになるのでは?」という予期不安に襲われちゃう。
だからと言って、未来を見据えて早め早めにやるべきことをやれるかと言えばそんなことはなくて、不安

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AIで書きかけの小説の続き書いてもらってみた。

AIで書きかけの小説の続き書いてもらってみた。

すごすぎるAIとして話題のChatGPTで、小説を書いてみたらおもしろいな、と思っていろいろ試してみたところ、「この小説の続きを書いて」という形ならうまく行きそうなので、やってみた。
ちなみにChatGPTは、月20ドルの有料版に登録してみています。

やり方1500字くらいの小説のプロローグ(約1500字)を用意する。僕の場合、ずっと前に書きかけて放置していた小説があったのでそれを使ってみた。

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こどもの目に映る景色に思いを馳せる

こどもの目に映る景色に思いを馳せる

学童に通っているといろんなこどもに出会う。
「こどもって無邪気でかわいいよね」と簡単に言える人は、きっとあまりこどもに接したことがないか、忘れちゃっているか、たまたま自分のこどもが「おとなしくていい子」だった人なんだろうな、と思ってしまう。

「こどもはかわいい」ばかりじゃない。
でもそれでも、小学校低学年はまだ、この世に生まれ落ちてから10年未満なのだ……たとえどんなにひねくれていてもかわいげが

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変わらないことだけが「責任」なのか。

セクシャリティにせよなんにせよ、「後出し」と言われることに対していつも思うんだけど、人間って変わるものだから、「後出しは許されない」と言い続けていたらなにひとつ決められない。「過去に決めたのだから変節するな」という考えが我慢と歪みを生み続けている。

そういう思想が、こどもに対して「あなたがいたせいで離婚できなかった」と言い続ける毒親とかを生み出すんだろうな。

「責任を取る」って「耐える」ことじ

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SDGsは「ひとりひとりの心がけ」なんかじゃない!

なんか、いろんなところで「SDGs特集」みたいなのがやるようになったけど、その中身が結局「一人一人の心がけでゴミを減らしましょう」「ものを大事にしましょう」みたいなレベルで、少し前の「エコ」を言い換えただけの、何の発展性もないもので虚しくなる。

SDGsは「持続可能な開発目標」だぞ。「地球にやさしく」じゃないんだぞ。「開発」の要素無視しすぎだ!
という気持ちが年々高まってる。
大きな組織や国や自

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「学童保育」を「こどもの安心できる場所」にしたい。

「学童保育」を「こどもの安心できる場所」にしたい。

7月の終わり頃から、学童の非常勤スタッフをはじめてみた。
登録している児童の数が60人以上もいるかなり大規模な学童。

スタッフは10人くらいだけど、僕以外は全員女性、そして一人を除いて全員が50代以上。
これはたぶん、この学童に限ったことじゃなくて、日本全国の公立学童ほとんどがそう。
学童って、1日の勤務時間が短くて、しかも給料がとても安いから(たぶん全国的に最低賃金付近)、働き盛りの若い人はほ

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「男であることのつらさ」を考える。

「男であることのつらさ」を考える。

こんな本を買ってみた。

まだ読んでいないけど、僕の最近の問題意識について考えるきっかけになるといいな、と思っている。

僕は男だけど、「やっぱり男であることって結構つらいな……」と思うことがよくあって、その感覚に向き合ってみたいな、と思う。

幼少期から「男はこうあらねばならない」という空気にさらされ、そこに馴染めないものは価値が低いものとして扱われ続け、大人になればその価値観で成功した者たちが

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予測可能な人になるということ。

予測可能な人になるということ。

恋愛に限らず、心から信頼できる人とつながるためにはどうしたらいいか、という話を最近はよくしていて、僕が考えるのはとにかく「自己開示をすること」。
弱さも悩みも下心も、自分の腹の中のことをなるべくさらけ出すことで、はじめから「腹の探り合い」をしなくていいようにする。

社会学者の山岸俊夫さんはこれを「プレディクタブル(予測可能)な人になる」と表現していて、つまりは「本心ではなにを考えているかわからな

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「政治の話をするべきではない」なんてのは、もうやめた!

先日、期日前投票をしてきた。

日本では「公開の場で政治の話はするべきでない」みたいなマナー?がまことしやかに語られがちで、これまでは僕も、なんとなくそれに従ったりしていたんだけど、よく考えてみればそれって、現状を維持したい多数派に有利なんだよね。

やっと気がついた。

そもそも政治の話は暮らしの話、人生の話。

それを語らずにいようとすれば、本心や重要なことはなにひとつ語れないと言うことになっ

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恋人と話し合うのは「妥協点」じゃなくて「おたがいが心地よい関係性」。

恋人と話し合うのは「妥協点」じゃなくて「おたがいが心地よい関係性」。

先日、「恋人と喧嘩しちゃって、どうしたらいいかな」という相談を受けた。

僕が答えたのは、「おたがいが意見を主張し合って、どちらかが折れて、妥協点を見つける」っていう話し方そのものを変えた方がいいんじゃないかな、ってこと。

二人でお互いに話し合うときに、「どっちが悪い」とか「あなたのここが嫌だからこうしてくれ」みたいに二人が対立軸になってしまうと、結果的にどちらかが折れたとしてもそれから先の関係

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「よくわからないことをして楽しそうに生きている大人」になるということ

今日は長野で、高校生が地元の企業の話を聞きに来る、というイベントで、「企業に属さずによくわからないことをして生きている大人枠」として、編集者の仕事についてなど語ってきた。

役に立てたのかどうかはよくわからないけど、僕自身はとても楽しくて、たくさん話してしまった。
若い人に自分のことを話して気持ちよくなってしまうときはちょっと危険信号なんだけど(若い人に「聞き手」としての労働をさせていないか気をつ

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いつだって、現在進行形の「好き」を見ていたい。

いつだって、現在進行形の「好き」を見ていたい。

好きだった人を嫌いになるのってとても心が苦しい。
できるだけ嫌いになりたくないから「ここまでやったら許せない」というラインをどんどん下げていって、いつの間にか自分を浸食させてしまったりする。
嫌いになることを決意すると罪悪感を覚えたりもする。

でもそれは大事な一歩だ。

誰にでも優しくありたい、寛容な人間でいたいという欲望はわかる。
僕もそういう人間だ。
だけど、人の能力は無限ではない。
キャパ

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