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「学童保育」を「こどもの安心できる場所」にしたい。

7月の終わり頃から、学童の非常勤スタッフをはじめてみた。
登録している児童の数が60人以上もいるかなり大規模な学童。

スタッフは10人くらいだけど、僕以外は全員女性、そして一人を除いて全員が50代以上。
これはたぶん、この学童に限ったことじゃなくて、日本全国の公立学童ほとんどがそう。
学童って、1日の勤務時間が短くて、しかも給料がとても安いから(たぶん全国的に最低賃金付近)、働き盛りの若い人はほとんどいない。定年後か、子育てを終えた専業主婦的な人しかできない。

問題は、「市町村の学童に対する予算の絶望的な低さ」なんだけど、結果として学童では教育観のアップデートがとても難しく、「昭和か??」と思うような価値観でこどもに接することが、今も続いていることが多い。

さらに、スタッフの中に「共働き世帯」の人が少なく、特に子育ての時期には「お母さんがずっと家にいた」経験しかない人が多いので、「学童を利用するような親」への理解が不足していることも多いと思う。
「本来なら親が見てあげるのがいちばんいいが、できないから仕方なく学童で見る」という感覚。

僕はそうは思わない。
こどもが「大人と言えば親と学校の先生しか知らない」という状況よりは、学童でいろんな大人と深く関わる経験があった方がいいと思う。
学童は、大人が親よりも先生よりも「友達」に近い立場でこどもと接することができる貴重な場所だ。
「仕方なく学童」じゃなくて、「こどもにとって貴重な場所としての学童」になったらいいなぁと思うし、そうするためには、学童自体を「こどもたちを管理する場所」ではなく、「こどもたちが安心できる場所」にしたい。

そんなことを思って働いていたら、学童常勤スタッフのうち、唯一の若い人(20代後半)も実は同じように思っていたらしく、ちょっと話しただけで意気投合し、「これから少しずつ、できることをやっていきたいですね」と語り合うことができた。
うれしい!

これまで長く引き継がれてきた雰囲気を一気に変えることはできないし、週1,2回入るだけの非常勤スタッフにできることは限られているけど、こどもたちが出会う大人の中に、今までとはちがう人がいるってのはたぶんいいことだ。なんだかあらためて、できることを続けていきたいな、と思った。

そしてそれと同時に、社会や、行政や、政治が、もっと変わってほしいなぁと思う。
今の問題を生み出しているのは、実際には現場じゃなくてしくみだし、しくみをつくっている行政は、政治に左右されている。
僕は、ちゃんとこどもの未来を考える政治に加担していきたいと強く思った。
今は正反対だな、と感じる。声を上げないとな。

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