かむりり

過去を救う。現在を癒やす。言葉で繋がる。物語り。自分専用の辞書。その蔵出し。つぶやきで…

かむりり

過去を救う。現在を癒やす。言葉で繋がる。物語り。自分専用の辞書。その蔵出し。つぶやきで日記も書いてます。

マガジン

  • 作品群 弔い酒

    慕い偲ぶ。迎え送る。死者の弔いと魂の行列。爺さんの話。

  • 作品群 心の臓

    私の身体。身体の私。理解と共生。蓋をせずに共にある。私と君のこと。

  • 作品群 多様性

    絶望と希望。独りと世界。止まらないジレンマの渦。孤独。あなたの側。

  • 作品群 恋

    恋の終わりと始まり。貰った道標と感謝、そして大きな愛。私とあなたのこと。

  • 作品群 器

    私がうつ状態から回復するプロセスを綴ったもの。noteにおける最初にして最大の目的。私のやりたかったこと。

記事一覧

作品群 弔い酒 編集後記

ご覧いただきありがとうございます。 かむりりです。 作品群“弔い酒”、無事に編集後記まで到着することができました。お付き合い頂いた皆さん本当にありがとうございま…

かむりり
7日前
34

御霊

この胸に住む貴方。 貴方と話したくて拝む。 写真を見て手を合わせて祈る。 毎日の日課だよ。 同じ写真なのに毎日違ってみえるよ。 いつもちゃんと返してくれるんだよ…

かむりり
8日前
39

灯籠流し

濃い橙が水面に揺らめいている。 想われる人の数だけの灯り。 濃い橙は濃い紺によく映える。 少しずつ川を下る。 濃い紺には天と地の境が視え無い。 川は天まで上って…

かむりり
9日前
28

彩やかな世界

遠くで蝉が鳴いている。 空は遠く深く浅い青。 雲は目が明く程の立体。 鬱蒼と迫りくる緑は濃い。 爺さんが亡くなった日は冬だった。 色もなく雲の厚い日だった。 亡…

かむりり
10日前
32

魂の帰る場所

爺さんが亡くなった。 ついさっき。亡くなった。 亡くなった爺さんの身体を乗せる車も来た。 これから爺さんを連れて家に帰る。 病院のスタッフは言った。 まだ爺さん…

かむりり
11日前
27

その時

電話を終えた婆さんと私は病院へ向かった。 婆さんの運転。 私は助手席で家族親戚に電話をかけ続けた。 何度も何度も婆さんを励ました。 希望を捨ててほしくはなかった…

かむりり
12日前
24

不安

翌朝、強烈な胸騒ぎで目が覚めた。 急いで飛び起き、婆さんに聞いた。 「じいちゃんはどうしたの?」と。 婆さんは応えた。 「釣りに行ったよ。」と。 前日の嫌な感覚…

かむりり
13日前
29

予感

それは前日のこと。 婆さんと爺さんと私は、近所のイルミネーションを見に行った。12月22日のことだった。 冬だけど外はそれほど寒くはなかった。 ひとつだけ違和感があ…

かむりり
2週間前
25

恐れ

今生の敵。 勇気の対義語。 恐れるから恐れられ、 気を遣うから気を遣われる。 助けを求めないから助けられず、 手を伸ばさないから手が届かない。 予感が現実になると既に…

かむりり
2週間前
27

弔い酒

貴方を思って酒を飲むよ。 みんな笑っているよ。 みんなで爺さんの話をしている。 優しい人だったとか。 若いときはイケメンだったとか。 釣りと酒が好きだったとか。…

かむりり
2週間前
26

こんにちは。“うれしいお知らせです!”を頂戴いたしました。初めてお目にかかりました。いつもご覧くださる皆さんのおかげです。どうもありがとうございます。
https://note.com/calm_lily29/n/n64fae8ff0296

かむりり
2週間前
36

こんばんは。7月が終わりますね。8月は終戦、お盆、そして私には亡き爺の誕生月でもあります。自己紹介の記事でいずれ書きたいと言っていた爺さんの話を作品として準備しています。弔いを込めてありのままを書きます。8月8日(木)作品群第5期はじめます。

かむりり
3週間前
42

こんばんは。昨日は髪を切ってきました。バッサリ切りました。髪を切ると頭が軽いですね。汗をかいても拭き取り易いです。気分もちょっと晴れやかです。
今日は散歩に行きました。夕方の雲が綺麗でした。ストレッチして寝ようと思います。

かむりり
3週間前
34

こんにちは。マガジン更新しました。プロフィール記事や固定記事も整理しました。またちょっと小休止がてら、つぶやきで日記を書いていこうかなと思っています。次の作品の予定もありますが、長いのを出し切ったので、燃え尽きないようにのんびりいきますね。

かむりり
4週間前
20

作品群 心の臓 編集後記

ご覧いただきありがとうございます。 かむりりです。 作品群“心の臓”、無事に編集後記まで到着することができました。 お付き合い頂いた皆さん本当にありがとうござい…

かむりり
4週間前
21

光芒

私たちはもう乗り越えている。 等身大であればいいんだ。 自分の足跡を数えて。 自分にあるものを数えて。 本当の優しさを取り戻したのなら、 もうどこにも行かなくて…

かむりり
1か月前
34

作品群 弔い酒 編集後記

ご覧いただきありがとうございます。

かむりりです。

作品群“弔い酒”、無事に編集後記まで到着することができました。お付き合い頂いた皆さん本当にありがとうございました。

今回も一連の記事は単体で読んで頂いても、ばらばらに読んで頂いても、順に読んで頂いても構わないつくりになっています。本記事末尾にも記載があります。詳しくはそちらをご覧ください。

ついに書くことができました。
書きたいような書き

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御霊

この胸に住む貴方。

貴方と話したくて拝む。

写真を見て手を合わせて祈る。

毎日の日課だよ。

同じ写真なのに毎日違ってみえるよ。

いつもちゃんと返してくれるんだよ。

毎月墓参りに行くよ。

来たら「来たよ」と言うよ。

帰るときは「また来るよ」と言うよ。

月日が流れて少しずつ頻度が減ってきたね。

こっちの都合で会いに来てごめんね。

貴方を側に感じたいだけだよ。

忘れないでいるよ。

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灯籠流し

濃い橙が水面に揺らめいている。

想われる人の数だけの灯り。

濃い橙は濃い紺によく映える。

少しずつ川を下る。

濃い紺には天と地の境が視え無い。

川は天まで上っている。

その静けさが一点に集合していく。

死者の弔いと魂の行列。

岸を隔てて異なる時間が流れている。

もう異なる貴方の同じ幸せを祈っている。

手を合わせる。

私達はまた逢える。

こんなにも近くにいる。

その温もりの

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彩やかな世界

遠くで蝉が鳴いている。

空は遠く深く浅い青。

雲は目が明く程の立体。

鬱蒼と迫りくる緑は濃い。

爺さんが亡くなった日は冬だった。

色もなく雲の厚い日だった。

亡くなった人を偲ぶ。

お盆が夏で良かった。

こんなにも色彩が眩しい。

こんなにも世界の輪郭を感じられる。

煙は天高く延びていく。

迷わず来て帰れるように。

在り在りと。

魂の帰る場所

爺さんが亡くなった。

ついさっき。亡くなった。

亡くなった爺さんの身体を乗せる車も来た。

これから爺さんを連れて家に帰る。

病院のスタッフは言った。

まだ爺さんは魂だけの状態に慣れていないから、

その場所に魂を置いて行かないように、

家族の誰かがちゃんと声をかけて、

魂も連れて行ってあげなきゃいけない。

スッと何かが腑に落ちた気がした。

これもなにかの巡り合わせだとわかった。

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その時

電話を終えた婆さんと私は病院へ向かった。

婆さんの運転。

私は助手席で家族親戚に電話をかけ続けた。

何度も何度も婆さんを励ました。

希望を捨ててほしくはなかった。

いや、私が信じたくなかった。

私の予感を。私の確信を。私の焦りを。絶望を。

全部全部私の思い過ごし。そう思いたかった。

まだそう信じたかった。

最後まで婆さんの側で、爺さんを想っていたかった。

不安

翌朝、強烈な胸騒ぎで目が覚めた。

急いで飛び起き、婆さんに聞いた。

「じいちゃんはどうしたの?」と。

婆さんは応えた。

「釣りに行ったよ。」と。

前日の嫌な感覚は肥大し、明瞭にそこにあった。

私はさらに聞いた。

「自分で運転して行ったの?」と。

婆さんは応えた。

「私が送って行ったよ。」と。

婆さんは続けて言った。

「運転の心配ないから、今頃楽しく飲みながら釣りしてるんじゃな

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予感

それは前日のこと。

婆さんと爺さんと私は、近所のイルミネーションを見に行った。12月22日のことだった。

冬だけど外はそれほど寒くはなかった。

ひとつだけ違和感があった。

最近元気のなかった爺さんが、変に明るく振る舞っているのがわかった。

爺さんと婆さんは言った。

「来年もまた来ようね。」と。

私にはわかった。その日が来ないことを。

理由は分からなかった。

考えたところで理由はな

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恐れ

今生の敵。
勇気の対義語。
恐れるから恐れられ、
気を遣うから気を遣われる。
助けを求めないから助けられず、
手を伸ばさないから手が届かない。
予感が現実になると既に気付いていること。それを変えられないと既に気付いていること。あるいは変えるための行動に移すことはできないと既に気付いていること。あるいは行動に移すことはしないと既に気付いていること。あるいはしてはいけないと既に気付いていること。既知の

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弔い酒

貴方を思って酒を飲むよ。

みんな笑っているよ。

みんなで爺さんの話をしている。

優しい人だったとか。

若いときはイケメンだったとか。

釣りと酒が好きだったとか。

婆さんは嬉しいような切ないような顔をしている。

泣いているような、笑っているような。

今まで見たことのない顔をしているよ。

だからもっと側に来てやってよ。

そんな遠くにいないでさ。

婆さんの隣にさ。

くっつく程近く

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こんにちは。“うれしいお知らせです!”を頂戴いたしました。初めてお目にかかりました。いつもご覧くださる皆さんのおかげです。どうもありがとうございます。
https://note.com/calm_lily29/n/n64fae8ff0296

こんばんは。7月が終わりますね。8月は終戦、お盆、そして私には亡き爺の誕生月でもあります。自己紹介の記事でいずれ書きたいと言っていた爺さんの話を作品として準備しています。弔いを込めてありのままを書きます。8月8日(木)作品群第5期はじめます。

こんばんは。昨日は髪を切ってきました。バッサリ切りました。髪を切ると頭が軽いですね。汗をかいても拭き取り易いです。気分もちょっと晴れやかです。
今日は散歩に行きました。夕方の雲が綺麗でした。ストレッチして寝ようと思います。

こんにちは。マガジン更新しました。プロフィール記事や固定記事も整理しました。またちょっと小休止がてら、つぶやきで日記を書いていこうかなと思っています。次の作品の予定もありますが、長いのを出し切ったので、燃え尽きないようにのんびりいきますね。

作品群 心の臓 編集後記

ご覧いただきありがとうございます。

かむりりです。

作品群“心の臓”、無事に編集後記まで到着することができました。
お付き合い頂いた皆さん本当にありがとうございました。

今回も一連の記事は単体で読んで頂いても、ばらばらに読んで頂いても、順に読んで頂いても構わないつくりになっています。
本記事末尾にも記載があります。詳しくはそちらをご覧ください。

ようやく書きました。

自分の病気について。

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光芒

私たちはもう乗り越えている。

等身大であればいいんだ。

自分の足跡を数えて。

自分にあるものを数えて。

本当の優しさを取り戻したのなら、

もうどこにも行かなくていい。

光は射し込む。

トンネルは抜ける。

真暗闇は晴れる。

私たちはもう孤独じゃない。

だからもうどんな地獄も怖くない。