灯籠流し



濃い橙が水面に揺らめいている。



想われる人の数だけの灯り。



濃い橙は濃い紺によく映える。



少しずつ川を下る。



濃い紺には天と地の境が視え無い。



川は天まで上っている。



その静けさが一点に集合していく。



死者の弔いと魂の行列。



岸を隔てて異なる時間が流れている。



もう異なる貴方の同じ幸せを祈っている。



手を合わせる。



私達はまた逢える。



こんなにも近くにいる。



その温もりの灯り。











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