予感
それは前日のこと。
婆さんと爺さんと私は、近所のイルミネーションを見に行った。12月22日のことだった。
冬だけど外はそれほど寒くはなかった。
ひとつだけ違和感があった。
最近元気のなかった爺さんが、変に明るく振る舞っているのがわかった。
爺さんと婆さんは言った。
「来年もまた来ようね。」と。
私にはわかった。その日が来ないことを。
理由は分からなかった。
考えたところで理由はなかった。
予感というより確信に近い寒々しさだった。
家に帰って来て、爺さんは薄かった。
なぜかいつもより薄く視えた。
気の所為だと思った。こんな体感は初めてだったから。
でも変に嫌な感覚はあった。