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Heaven’s Radio ”MICHAEL”
窓の外の街明かりたちが
あんなにも歪んで見えるのは
雨粒のせいか涙のせいか
わからなかった
手首が痛くてたまらない
まるで茨が巻きついたように
じゅんと濡れたベッドのシーツ
お守りだったオレンジのピルケースも
今はぬけがら
もう少しで見つかるはず
生まれたときの本当のわたしが
もうすぐつかめるはず
あのときの自由をもう一度
今ここでまぶたを閉じて
静かに眠るだけで
すべての願いは叶うの
One Morning
2014年11月15日の明け方に、僕はひとりで散歩に出かけた。僕は19歳だった。
朝まで眠らずにドラマを見たあと(若い女性が自殺する話だった)、しばらく使っていなかった水筒を棚から出して、散歩に持っていくための温かいココアを淹れた。ボーイロンドンのパーカーを着て、赤と紺のマフラーを巻いて、ベージュのスニーカーを履いて家を出た。
まだ外は暗かった。街灯の小さな灯りが遠くにぽつぽつと並んでいた。空