Rest



あなたの胸の奥にともる
小さな星のような光から
わたしは生まれたのです

あなたの腕のなかにある
陽だまりのようなぬくみから
わたしは生まれたのです

喜びにも 悲しみにも
わたしはつかれた

あなたの腕のなかに倒れ込んで
いつまでも いつまでも
目を閉じて休んでいたい

世界中のあかりを消して

地球の風がやむ日まで
惑星が静止するその日まで

あなたの腕にいだかれて
あなたの世界へ旅に出よう


そこには静かな大空と

いつかあなたと夢に描いた
小さな家があるでしょう

陽射しのまぶしい窓辺には
ほこりを被った空っぽの花瓶が
永遠に残されているでしょう

窓の向こうの丘をのぼれば
どこまでも広がる
青い海があるでしょう


ずっとむかしに
だれかがそこにいたのだと

数えきれない生き物たちが
ここで生きていたのだと

そんな気配が
その世界には満ちていて

わたしは世界の記憶のなかで
たったひとりで生きている


そしてわたしはある朝ふいに

青空の下 柔らかな草の上で
愛とは何だったのかを知るでしょう


そのときわたしはふり向いて
永遠の幸せはきっとどこかにある と

空から降るあなたの声を聞くのです



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