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『パスの受け渡しの位置とタイミングを再考する』フットボールペアレンツ103

こんにちは。マコトです。

前回、アウトサイドキックの利点について取り上げましたが、今回は「パスの受け渡しの位置とタイミングを再考」してみます。今回は2対2の局面です。

・パスを出す人はできるだけ相手を引きつける。
パスをもらう人はできるだけ味方の真横につく(※斜め前方ではない)。
・パスを受けたときに目の前に相手がいない状態を作れているなら(縦軸につかまっていなければ)縦に運んで相手の高さを即座に越える。
・パスを受けたときに縦軸につかまっていたら、その相手をできるだけ引きつけてその場にくぎ付けにし、仲間に横パスをして自分は縦へ抜ける。

今回はハルキ(白×黒)と私(ピンク×黄色)が2人組として攻めています。

連続写真で見てみます。

▲縦に抜ける形を見せて相手を自分の正面に引きつけます。

上の時点で、マコトの前、すなわち縦のラインに守備者がいなければ、スピードのギアを上げて縦方向へ突破をしますが、黒の守備者が縦のコースに入ってきたので、マコトは「ギリギリまで引きつける」ことを狙っています。

▲蹴った直後のフォーム。すでに走り出しています。

ギリギリまで引つけたら、アウトサイドでパスして走り抜けました。身体が正面に向いている(すぐに走る体勢になっている)のが見て取れます。これがアウトサイドキックの利点です。

▲縦へ抜けられるかどうかは目の前の守備者の位置と姿勢で判断。
ハルキは身体をビヨンビヨンさせながらそれを確認しているのが見て取れます。

パスを受けたハルキも同じく、縦のコースが切られ気味だったので引きつけてパスするという判断をしました。判断の順序としてはこちらも「縦がいけないから引きつける」の順です。小刻みにステップを踏みながら、守備者の縦切りが甘ければ一気に加速、相手が縦に入りすぎたらボールアタックしてカットインなどの選択がハルキの頭の中で浮かんでいます。

▲縦突破の気配を見せられているので、縦のコースに足を出す守備者。
アウトサイドで蹴った直後のハルキのフォームに注目。
すでに前方へ走り出せる姿勢(身体が正面)になっている。
▲パスを受けたマコトは前に守備者がいないので縦突破。
このとき身体を止めずに走る体勢に移れるか(身体を正面に向けられるか)が大事。
上の写真はやや横向きで、動きは止まっていないが加速しきれていない。

上の写真でパスの受け手のマコトはほんの1歩ですが、真横ではなく前に出てしまってボールを受けています。ラグビーで「スローフォワード」してはいけないように、相手の足にパスしたボールを引っかけないためには、パスの受け手は、味方の真横かもしくは半歩後ろくらいにつけると、ボールが守備者の足にひっかからず、かつ、加速した状態でボールを受けられます。ここではマコトは前過ぎて少し詰まっているような感じになりました。

▲方向転換して加速してきたハルキに、アウトサイドでパスするマコト。
アウトサイドキックは、身体を止めないだけでなく
判断をギリギリまで保留できるメリットがある。
▲身体を落下させながらボールと合流するハルキ。
ここでもインサイドではなくアウトサイド(インステップ気味)でボールを受ける。
走る形と相似形なのでスピードに乗れる。
キーパーを引きつけるのも、縦軸と同じ考え方

キーパーに対しても同じ考え方です。縦軸がつかまっているので無理せずに、できるだけ引きつけて平行に出します。ここではヒールキックで出しましたが、待ち合わせの場所は、ハルキの真横なので、私は迷わずボールが来るであろう場所へ走り込みました。

ただ、このときマコトは加速しすぎて行きすぎそうになっています。ボールの受け手は焦って全力を出す必要はなく、前方に作ったスペースでボールと合流すればいいだけですから、味方の体勢と目の前の空間を見て、適切なスピードを選ぶ必要があります

どうしても攻め急ぐというか、スピードを上げて走りすぎてしまう傾向があるので、今後はボールをもらうときに最適な緩急をつけられるようにトレーニングしていきたいです。

フットボールを楽しんでいる人の参考になると嬉しいです。

以下、バックナンバーです。

◎01~10

01 『親としてはやめてほしくない』
02 『できない子を笑わない』
03 『サッカー選手になれなかった人がフットサル選手になる』
04 『サッカーに熱心な親だらけ!』
05 『左足で走るのが苦手とかあり得る? 個人的には画期的な大発見』
06 『走る(ドリブル)は誰でもできる』
07 『子どものプレーにイライラしがちなお父さんお母さんへ』
08 『両足で蹴ればシュート力は2倍になるぜ!!!』
09 『セレクションは気にしない!~12打数12安打11ホームランでも、まぁまぁはまぁまぁ』
10 『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』

◎11~20

11 『思い出しただけでイラつく経験を語っても……』
12 『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』
13 『ボールにいかないと1人目のディフェンスはいないも同然。味方はグラウンダーでパスを出さなくてもいいし、利き足じゃなくてもかまわない』
14 『子どもが主役の合宿は、世代を超えて受け継がれていた』
15 『イノシシやゴリラにプレスされても大丈夫! ~今が未来につながっている~』
16 『リフティング(1) ボールを拾って役立てようと 僕は思ったわけでもないが』
17『リフティング(2) 空に向かって蹴るのが楽しい!』
18 『リフティング(3)親と性格が違い過ぎると怒っちゃう問題はこうして解決した』
19 『リフティング(4)私たち親子が回数を目標にしなかった理由
20 『親視点(1)みんなドリブルでいっちゃうツライ日々』

◎21~30

21 『牛若丸ターン! ターン後の着地の姿勢で勝負がついていた』
22 『ドリブルの練習をやめたら劇的にうまくなりました』
23 『質問です。未来を意識していた人は誰でしょう? ゴールの角上とつながる』
24 『原文ママさん 手持ちの動画について意見を交わし合う場を作りました』
25 『世代なので死ぬまでにマラドーナのドリブルを身につけたい――運動神経がダメダメな私でも走れば抜けます
26 『ゴールへの意識があればレアルマドリードにもたどり着ける
27 『4ステップはつまずきそうで怖いという質問への回答』
28 『ギュンです! ボールに触れた瞬間に超絶加速する――写真の次のコマの形を当てられたらあなたは名選手に違いないです』
29 『続ギュンです! たいして傾いていなくてももちろん抜けます』
30 『ハルキの自主練なんて一回もみたことないです』

◎31~40

31 『内田史上最強の動き――研究手を基本動作にするプロセス』
32 『7番と9番へ! ディフェンス目線で整理する走る(ドリブル)2022年8月バージョン』
33 『トップ選手との対決で学んだこと――真夏の微妙な大実験』
34 『ボールにいっちゃっている状態とは何かよくわかります』
35 『手を動かしてイラストにしてみるとフォームを覚えられます――中西を描いてみる』
36 『フリーキックの練習を初めてしました』
37 『4ステップがない世界はもう考えられない』
38 『パパさんでも5人ダイレクト成功』
39 『ボールのレイヤーと身体のレイヤーが違うことで、滑らかなスーパープレーが生まれる』
40 『身体はオートマチック、判断はコース取り』

◎41~50

41『プロは目指すものじゃない――どうしても怒っちゃう自分を克服したきっかけ』
42 『ボールなしの練習は最重要!! しゃべるが先で飴玉は後』
43 『走りながらボールに合流する方法』
44 『すべてのプレーはゴールへ続く』
45『景色のプレーと脳内のプレー』
46『試合を動かす選手になる』
47 ルールは拘束的なものではなく、創造的なもの』
48『ドリブル超得意だけど、、、ドリブルのドの字もみせないぜ!
49 『親視点(2)止める蹴るを正確に!! なんてまったく考えていません』
50 『そもそもシュート練習をする前に・・・

◎51~60

51 『なぜ父親が練習しているのか』
52 『 身体を止めずにシュートを打つ』
53 『常識よりも前提。短い距離でもインステップ 』
54 『三手一組の準備ができていれば得点王も夢ではない 』
55『あわや大ケガ……準備も確認も怠らないこと』
56『日本人ってメチャ楽しそうにプレーするね!』
57『忍者?! 一瞬の速さだったら体格差は関係ない』
58『メッシはボールコントロールではなく、身体のコントロールが正確なのでは』
59『ワンステップシュートで文字通り✨超一流✨』
60『このドリブルの最大のコツは、ディフェンスの矢印に意識を払うことだけど』

◎61~70

61『動画編集=宝さがし』
62『ディフェンス時における身体操作(第1歩目)』
63『攻撃の手を緩めない 足を止めたりしない』
64『上手く止めることを目的にしない』
65『次の展開を予想しないでプレーする方がずっと難しくないですか?』
66『親の自分もビビッてしまうけど・・・何ができないかを知りにいく! 』
67『守備の意識が劇変しました』
68『ジンガやフリースタイルのように見えるかもしれないけど』
69『引き込みドリブルのbefore after
70『自然に思えたプレーがエラーだと気づく』

◎71~80

71『自分も味方も等価で全員を一緒に動かしているイメージ』
72『すべては自分次第。ボールウォッチャーになる? それとも得点者になる?
73『オレは基本的にダイレクトでプレーするぜ!
74『決め打ちを見破れれば超一流』
75『スピードが遅い人は 矢印をたよりに!』
76『ハルキの即接地トラップ、イニエスタ選手のトラップ、日本代表のトラップ』
77『毎日プレー動画を編集。研究を続ける』
78 『シュートはすべてギリギリのコース。狙うは角上!』
79『練習後のお楽しみ』
80『練習すると下手になることもある』

◎81~90

81『AIが判定するベストプレイヤーになる』
82『ステップ2回はマジで慌てるんですけど』
83『好プレーのショート動画を編集する』
84『ハードスルーは超便利!』
85『トラップとターンとシュートが一つの挙動になる
86『大前提を忘れない』
87『引き込みターン~ボールと身体の分離』
88『100%のキャンセルが出来たのは史上初かも』
89『親子リフティングで意識したいくつかのこと』
90『毎日もうやめたい、下手くそすぎると思ってプレーしているけど、たぶん明日もやめない』

◎91~100

91『走りながら蹴る』
92『ジャゴナウのような新しい動きを学ぶときも、決め打ちでトレーニングしてはダメ』
93『100パーセントキャンセルと半歩ズラしシュート』
94『反発ステップで大事なのは1歩1歩の加速。7番9番で大事なのは勇気』
95『ブロックカットインと2段階加速ドリブル』
96『カットインキャンセルとコンビネーション』
97『いろいろ動画を上げてるけど、トッププロ相手に勝てるのか問題への解答』
98『キック&ダッシュではなく、ダッシュ&キック』
99『いつか、この空の美しさを思い出す日がきっと来る』
100『連載を100回続けて見えた景色』

◎101~110

101『バックステップでスペースと勢いを作る』
102『アウトサイドキックの利点とその活用方法』

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