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『守備の意識が劇変しました』フットボールペアレンツ067

こんにちは。マコトです。

守備を一人ですることはほぼ無意味だからやめよう――あえてそう言い聞かせないといけないくらい、私は守備を一人でいきがちでした。その考えを自分自身が改め始めているのがよく判る動画を作れましたのでぜひ見てください。

「一人で取りに行く守備」が完全に無意味かどうかはわかりませんが、まず守備を何のためにするかを改めて考えてみると、相手からボールを奪って攻撃をするためです。その観点からすると、結果的に攻撃とつながっていない守備は、自分のチームがまた守備になってしまうので意味がないと言えます。

ボールをどこでどう取るか、取った後どう攻撃するのかを設計しておきたい。果敢にアタックしたところで、ボールがタッチラインを割って相手ボールになるとか、自分自身がスピードがない状態で、しかも相手ゴールに背を向けた形からたった一人で攻撃することになるとか、取ったはいいけれど相手に即座に囲まれて奪い返されるという結果は、懸命な守備という行為に釣り合っていません

最初のシーン

まず最初のシーンでは私(マコト)は相手の選手の縦パスをカットしようと狙っています。この守備は「一人の守備」に見えますが、私としては「グループの守備」のつもりでやっています。

前線でグレー×青パンツの相手にプレスをしている黒いズボン×赤いゼッケンの選手(ザキさん)を「まるで自分の分身のように」考えるようにしています。イメージを伝えづらいのですが、ザキさんを後ろから遠隔操作しているようなつもりで、グレー×青パンツの選手が縦にパスを出すように誘導して欲しいと願っています

ザキさんが中を切ってくれているので思惑通り、縦にパスが出た!

結果、狙った通り、縦にパスが出てくれました。私はそれをカットして一気にシュートまで持っていける――というイメージで走っていたら、パスのスピードが思ったよりも速くてカットもできず、それどころか相手に縦を突破され、チャンスを作られてしまいました。もしパスカットできていたら、最初のタッチでシュート体勢を作ることができていたと思います。

この場合もしかしたらパスカットを狙うよりも、もっと早く縦パスのコースを消してグレー×青の選手を困らせて、ザキさんと二人で、グレー×青の選手を圧縮した方がボールを奪える確率も高かったし、ボールを奪う位置も相手ゴールの近くになったので良かったかもしれません

そんなことを考えていると、同じような場面がすぐにやってきました。

同じようなシチュエーションが起きる

次は自分(マコト)がさっきのザキさんの位置にいて、ザキさんがさっきのマコトの位置にいるような場面です。私は「あそこに選手がいるよ」みたいなゼスチャーをして、縦パスのケアを後方の選手にお願いしています。これが私にとっての「グループの守備」です

ボールがサイドに出た瞬間、私とザキさんは、共通の景色を描いているかのように、即座にそれぞれの役割を果たしに行っています。まず私はキーパーへのコースを切りながら、グレー×青の相手が、ザキさんのいる方へ縦パスをするしかないような立ち位置に向かいます。ザキさんはさっきの私とは違い、その縦パスが通せないような位置にポジションをとってくれました

これでグレー×青の相手は困るはず。彼がやれることとしてはだいたい、縦パスをあきらめて私とザキさんの間を通す斜めのパスを出すか、キーパーの位置にいる味方(黄色10番)に戻すかの2択です。私は、間を狭めて間のパスを出しにくくしたのちに、黄色10番へのパスコースへ誘導しつつそこからボールを奪おうとしました

ザキさんとの間を狭めてパスを間のパスをケア
後ろに戻すしかない体勢になったところでプレスする
ボールをコートに残すためには体と足の面の向きが大事

そのあとにボールがコート内に残って、ザキさんの前に転がるようにと考えて足を出しています。ボールを取ったあと攻撃につながるように守備することが大前提です。私が奪えたら、ザキさんがそれを拾って一気にシュートまでいけます。

しかしここでグレー×青の子が、なんと私のプレスを上手く回避し、ザキさんが切っているはずのパスコースの隙を上手くついて縦パスを通すというナイスプレーを見せてきました! ※相手のナイスプレーもサッカーの面白さです。

縦パスを受けた子の身体の向きが悪くてボールがタッチラインを割ってしまい、マイボールになりましたが危ない場面でした。※パスを受けた子が「下手」なわけではなく、身体が外を向いている状態でボールを止めようとしたら、外に出る確率が高まるのは当たり前というだけのことです。また、この縦パスを触らないで流せば、最初の動画のように一気にチャンスになったはずです。相手のプレーも「自分の経験」として吸収していけば成長スピードはあがります。

2つめのシチュエーションでは「プレスを回避して、わずかな隙をつくパスを通す」というナイスプレーを相手にされなければ、ボールを取れていた可能性は高く、やられる可能性があったザキさんと私の間を通されるという可能性も、第3の守備者がケアしてくれていたので、守備側としては、グループでやれることはやってけれど、相手が上回ったという形に私は評価しています。

この人=第3の守備者

もし今以上に守備力を高めるというのなら、私の位置でのプレスの強さやタイミングを考えるとか、ザキさんの位置については、相手(縦の黄色ゼッケン)の前に最初から立つのではなく、すぐ後ろにポジションをとって、相手の視野から消えた位置からサッと前に出た方が奪えるのではないかとか、それぞれの工夫はあると思いますが、構造としては共通イメージのあるグループで守れていたと思います。

このようにグループの守備(できれば3人の守備)をイメージして、自分が3人の味方選手を同時に動かしているようなつもりでプレーすることをテーマにして私はトレーニングしています

単騎で頑張る守備とグループの守備はぜんぜん違います。私についていえば守備意識が劇変しました。こうした自分の分身を動かすようなグループ戦術のイメージは攻撃時にも使えるし、さらには相手もグループ単位で動いているのを前提として、互いのグループ構造の隙をついたり、駆け引きしたりするのも面白いはず(※まだそこまで味わえていません)。さっきの個人技じゃないけれど、グループを超えていく個人技を磨いたり称えたりという面白さもあると思います。

フットボールを楽しんでいる人たちの参考になれば嬉しいです。


◎01~10

01 『親としてはやめてほしくない』
02 『できない子を笑わない』
03 『サッカー選手になれなかった人がフットサル選手になる』
04 『サッカーに熱心な親だらけ!』
05 『左足で走るのが苦手とかあり得る? 個人的には画期的な大発見』
06 『走る(ドリブル)は誰でもできる』
07 『子どものプレーにイライラしがちなお父さんお母さんへ』
08 『両足で蹴ればシュート力は2倍になるぜ!!!』
09 『セレクションは気にしない!~12打数12安打11ホームランでも、まぁまぁはまぁまぁ』
10 『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』

◎11~20

11 『思い出しただけでイラつく経験を語っても……』
12 『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』
13 『ボールにいかないと1人目のディフェンスはいないも同然。味方はグラウンダーでパスを出さなくてもいいし、利き足じゃなくてもかまわない』
14 『子どもが主役の合宿は、世代を超えて受け継がれていた』
15 『イノシシやゴリラにプレスされても大丈夫! ~今が未来につながっている~』
16 『リフティング(1) ボールを拾って役立てようと 僕は思ったわけでもないが』
17『リフティング(2) 空に向かって蹴るのが楽しい!』
18 『リフティング(3)親と性格が違い過ぎると怒っちゃう問題はこうして解決した』
19 『リフティング(4)私たち親子が回数を目標にしなかった理由
20 『親視点(1)みんなドリブルでいっちゃうツライ日々』

◎21~30

21 『牛若丸ターン! ターン後の着地の姿勢で勝負がついていた』
22 『ドリブルの練習をやめたら劇的にうまくなりました』
23 『質問です。未来を意識していた人は誰でしょう? ゴールの角上とつながる』
24 『原文ママさん 手持ちの動画について意見を交わし合う場を作りました』
25 『世代なので死ぬまでにマラドーナのドリブルを身につけたい――運動神経がダメダメな私でも走れば抜けます
26 『ゴールへの意識があればレアルマドリードにもたどり着ける
27 『4ステップはつまずきそうで怖いという質問への回答』
28 『ギュンです! ボールに触れた瞬間に超絶加速する――写真の次のコマの形を当てられたらあなたは名選手に違いないです』
29 『続ギュンです! たいして傾いていなくてももちろん抜けます』
30 『ハルキの自主練なんて一回もみたことないです』

◎31~40

31 『内田史上最強の動き――研究手を基本動作にするプロセス』
32 『7番と9番へ! ディフェンス目線で整理する走る(ドリブル)2022年8月バージョン』
33 『トップ選手との対決で学んだこと――真夏の微妙な大実験』
34 『ボールにいっちゃっている状態とは何かよくわかります』
35 『手を動かしてイラストにしてみるとフォームを覚えられます――中西を描いてみる』
36 『フリーキックの練習を初めてしました』
37 『4ステップがない世界はもう考えられない』
38 『パパさんでも5人ダイレクト成功』
39 『ボールのレイヤーと身体のレイヤーが違うことで、滑らかなスーパープレーが生まれる』
40 『身体はオートマチック、判断はコース取り』

◎41~50

41『プロは目指すものじゃない――どうしても怒っちゃう自分を克服したきっかけ』
42 『ボールなしの練習は最重要!! しゃべるが先で飴玉は後』
43 『走りながらボールに合流する方法』
44 『すべてのプレーはゴールへ続く』
45『景色のプレーと脳内のプレー』
46『試合を動かす選手になる』
47 ルールは拘束的なものではなく、創造的なもの』
48『ドリブル超得意だけど、、、ドリブルのドの字もみせないぜ!
49 『親視点(2)止める蹴るを正確に!! なんてまったく考えていません』
50 『そもそもシュート練習をする前に・・・

◎51~60

51 『なぜ父親が練習しているのか』
52 『 身体を止めずにシュートを打つ』
53 『常識よりも前提。短い距離でもインステップ 』
54 『三手一組の準備ができていれば得点王も夢ではない 』
55『あわや大ケガ……準備も確認も怠らないこと』
56『日本人ってメチャ楽しそうにプレーするね!』
57『忍者?! 一瞬の速さだったら体格差は関係ない』
58『メッシはボールコントロールではなく、身体のコントロールが正確なのでは』
59『ワンステップシュートで文字通り✨超一流✨』
60『このドリブルの最大のコツは、ディフェンスの矢印に意識を払うことだけど』

◎61~70

61『動画編集=宝さがし』
62『ディフェンス時における身体操作(第1歩目)』
63『攻撃の手を緩めない 足を止めたりしない』
64『上手く止めることを目的にしない』
65『次の展開を予想しないでプレーする方がずっと難しくないですか?』
66『親の自分もビビッてしまうけど・・・何ができないかを知りにいく! 』





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