見出し画像

『走りながらボールに合流する方法』フットボールペアレンツ043

藍澤誠/Jの先生です。

以下はメンバーシップ「フットボールペアレンツ」の記事です。
学びとフットボールについて、合計100記事を書くことを目標にやっています。多くの人に届くように過去記事がすべて無料で読める設定になっています。100記事到達のあかつきには1000円の応援またはメンバーシップ登録よろしくお願いします。

前回のフットボールペアレンツ042で、「ボール無しの動きが自由自在に、完璧にできていてこそ、そこにボールが乗っても問題ない。飴を口に入れているのを、相手に悟られないでしゃべれるみたいに、ボール無しの動き+微調節で、まるでボールがないかのごとくプレーすることが可能だと思うのです」という説明をしました。

今回はその実例を見ていきたいと思います。以下の動画をご覧ください。

フットボールペアレンツのメンバーが、メンバー限定掲示板で「ボールと合流する動作において留意すべきこと」を超詳細に言語化してくれたので、その観点からハルキのプレーを分析してみたいと思います。★印の太字がメンバーの言葉です。

その後に行きたい軌道上(ランコース)にボールがあるように身体操作すれば、次の動作への中断がない。→まさにジャストミートのタイミングでボールと体が合流、行きたい軌道上に向かっています。
 
コントロールが走りの一歩目にしたいけれど、「ランコース」から大きくズレると、走りの体勢が崩れるし、コースアウトしてしまう→一歩目となる足の股関節を進行方向にまっすぐに動かすことで(今回の場合は右足を、後方から前方へまっすぐ前に振り出す=大森アップの足のスイングをすることで)走りの体勢がぶれずにコントロールされています。
 
★「走りを中断させない」身体操作に不可欠と思われるもの(①~④)
 
①走りの方向への傾き→ボールを受ける前に加速しているので、逆に傾きをほんの少し緩めることで微調整している感じです。

②上半身は走りの方向へ向いておく→体をねじらずに済ます意識はとても大事だと思います。合流時には、進行方向へ体全体を向けておくのが、スピード維持においても重要だと思います。インサイドでボールを巻き込む動作みたいなことをすると遅くなるうえに、方向が不安定になる感覚が私にはあります。

ボールをなめたりインサイドで運ぶ場合ももちろんあるのですが、そのときもねじらず、足の広い面で直線的にボールのコースを変え、走る形に即移行するイメージです。ハルキの参考動画(軸抜きインサイドトラップ)です。


③瞬間的なパワーポジションで方向転換時の体のブレを防ぐ→今回はスクワット動作でも方向転換の局面でもありませんが、直線的な走りにおいても、腿を引き上げるイメージではなく、股関節を使ってお腹と腿の距離を縮めるというような動き(結果として腿が引き上げられているイメージ)をしているため、ハルキにしても以前より力強い走りになっていると思います。ボールにタッチする直前のコマでかなりパワーがためられている様子がわかります。

④脱力したコントロールをするためにある程度のブレーキング動作が必要→ボールが「脱力スイッチ」に触れたかのように、触れた直後に触れた足が接地みたいな形になっています。空中で(瞬間的には加速していない局面で)
ボールに触れることにより、加速を邪魔しない、適度なエンジンブレーキ的な体の使い方(タイミングの自然な合わせ方)ができているように見えます。
 
スムーズな移行を目指す中でも、相手より早くマイボールにするために、足元だけでなく、頭、胸、もも、ヒザ、すねの部位を使ったり、クリロナやジャンピングキャッチ、シャペウなどで遠くのボールをこちらに巻き込む→体のどの部位でもいいから、こちらのスピードは極力ゆるめずに合流する。そうした習慣でできていると、多少ズレても、スピードがあるので軌道修正は容易に思えます。逆にスピードを落としたのも関わらず、ボールを弾いておいていかれるケースは避けたいです。
 
両足が埋まると、次の動作がスムーズでないので、足の入れ替えを速くする→これは決定的に大事だと思います。走っているときに両足が埋まるというのは、止まることを意味するので、、、ステップにおける足の入れ替え(足首ではなく股関節を使った連続的な入れ替え)については、つい先日もトレーニングしたばかりで、足の入れ替えの速さはまだまだアップできると思っています。
 
★ボール無し時の走る動作の着地のリズムを把握して、ボールがある時もそのリズムから外れないようにする中で身体操作をするよう心掛ける→歩数の予測は、ハードルや陸上競技においてとても大事だと思います。この距離なら何歩というのが体が推測できるようになれば、おそらくものすごく有利ですね。

上記以外にハルキとのトレーニングで心掛けていることとしたら、

(1)動作をキャンセルするときは、キャンセル要因を認知したからやめるのであって、先にキャンセルありきではない。
(2)パスがこないなどの予測に反するガティブな事態に対しても、動作が止まってしまうことを防ぐために、今のプレーの実行に身体は委ねるものの頭を持っていかれない

といった点が挙げられます。
フットボールを楽しむみなさんの参考になると嬉しいです。


◎01~10

01 『親としてはやめてほしくない』
02 『できない子を笑わない』
03 『サッカー選手になれなかった人がフットサル選手になる』
04 『サッカーに熱心な親だらけ!』
05 『左足で走るのが苦手とかあり得る? 個人的には画期的な大発見』06 『走る(ドリブル)は誰でもできる』
07 『子どものプレーにイライラしがちなお父さんお母さんへ』
08 『両足で蹴ればシュート力は2倍になるぜ!!!』
09 『セレクションは気にしない!~12打数12安打11ホームランでも、まぁまぁはまぁまぁ』
10 『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』

◎11~20

11 『思い出しただけでイラつく経験を語っても……』
12 『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』13 『ボールにいかないと1人目のディフェンスはいないも同然。味方はグラウンダーでパスを出さなくてもいいし、利き足じゃなくてもかまわない』
14 『子どもが主役の合宿は、世代を超えて受け継がれていた』
15 『イノシシやゴリラにプレスされても大丈夫! ~今が未来につながっている~』
16 『リフティング(1) ボールを拾って役立てようと 僕は思ったわけでもないが』
17『リフティング(2) 空に向かって蹴るのが楽しい!』
18 『リフティング(3)親と性格が違い過ぎると怒っちゃう問題はこうして解決した』
19 『リフティング(4)私たち親子が回数を目標にしなかった理由
20 『親視点(1)みんなドリブルでいっちゃうツライ日々』

◎21~30

21 『牛若丸ターン! ターン後の着地の姿勢で勝負がついていた』
22 『ドリブルの練習をやめたら劇的にうまくなりました』
23 『質問です。未来を意識していた人は誰でしょう? ゴールの角上とつながる』
24 『原文ママさん 手持ちの動画について意見を交わし合う場を作りました』
25 『世代なので死ぬまでにマラドーナのドリブルを身につけたい――運動神経がダメダメな私でも走れば抜けます
26 『ゴールへの意識があればレアルマドリードにもたどり着ける
27 『4ステップはつまずきそうで怖いという質問への回答』
28 『ギュンです! ボールに触れた瞬間に超絶加速する――写真の次のコマの形を当てられたらあなたは名選手に違いないです』
29 『続ギュンです! たいして傾いていなくてももちろん抜けます』
30 『ハルキの自主練なんて一回もみたことないです』

◎31~40

31 『内田史上最強の動き――研究手を基本動作にするプロセス』
32 『7番と9番へ! ディフェンス目線で整理する走る(ドリブル)2022年8月バージョン』
33 『トップ選手との対決で学んだこと――真夏の微妙な大実験』
34 『ボールにいっちゃっている状態とは何かよくわかります』
35 『手を動かしてイラストにしてみるとフォームを覚えられます――中西を描いてみる』
36 『フリーキックの練習を初めてしました』
37 『4ステップがない世界はもう考えられない』
38 『パパさんでも5人ダイレクト成功』
39 『ボールのレイヤーと身体のレイヤーが違うことで、滑らかなスーパープレーが生まれる』
40 『身体はオートマチック、判断はコース取り』

◎41~50

41『プロは目指すものじゃない――どうしても怒っちゃう自分を克服したきっかけ』
42 『ボールなしの練習は最重要!! しゃべるが先で飴玉は後』

ここから先は

0字

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

読後📗あなたにプチミラクルが起きますように🙏 定額マガジンの読者も募集中です🚩