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『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』フットボールペアレンツ012

藍澤誠/Jの先生です。

「ボールにいかない」
ということを意識してから、私たち親子(マコトとハルキ)は爆裂に成長しました。爆裂というのは大げさではなく、なんていうんだろう、もう別人レベルです。

意識してすぐに生まれ変われるわけではありません。頭では意識しても身体がいうことを聞かないので(「経験」とか「セオリー」とか「常識」とかに縛られて不自然な動きをしてしまうので)、「ボールにいかない」練習が必要です。

正確に言えばボールにいかない意識はすぐにでも持てるのですが、サッカー界においてボールにいかない動きがほとんど研究されていないので(ある意味ブルーオーシャン)自分で動作を研究する必要があります

自分では「サッカーが下手」と思っているパパさんやママさん、ドリブルが下手というような自覚がある「技術に自信がない子」ほど受け入れやすいと思うので紹介しておきますね。

※ボールにいってうまくいく人(つまりテクニックで窮地を脱出できるタイプの人)や別の信念がある人は、その方向で取り組まれていればよいと思います。

2つ前に私が書いた記事『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』で、「ボールにいかない」ことのメリットと、見える世界について、動画を作って書きました。

今回はイラストとテキストで「ボールにいかない」ためのすごく簡単な練習方法を説明します。2021年にGOTSフットボールスクールで私が習ったもので、GOTSスクールに通っていないハルキ(当時中3)に教えた練習方法です。

イラストを描いたので見てください。

まず二人で離れてそれぞれ自由に動き回ります。そしてボールを持った人は、自分と相手が正対した(向き合った相手)タイミングでパスします。そのときパスを出した相手は「掛け声」をかけます。

掛け声は3種類。「右」か「左」か「GO」です。パスを受ける相手は、右だったら自分から見て右に、左だったら自分から見て左に、GOだったらボールに触らず180度ターンして後方に流れたボールを追いかけます。

ううう、簡単すぎてイラストを描くまでもなかったですね(笑)
で、ここでどんな現象が起きるか、やってみるとすぐにわかります。

「ボールにいっている時代の7番のPAPA(過去の私)」が、たとえば「左」と言われてやりそうな動作は3つです。

(1)ボールを足元に正確にとめて、それから左に持ち出す。
(2)走りながら左足を軸足にして、今立っている中央のあたりにその軸足を着き、右足のインサイドで左のスペースへボールを運ぼうとする。
(3)(1)か(2)の形で、指示とは反対に右へ運ぶ(完全なミス)

これは「認知」「判断」「実行」の類のトレーニングではありません。

「ボールにいかない」トレーニングです。上の3つの行動はどれも「ボールにいっちゃってるエラー」です。順番に見てみます。(3)は方向が違うだけなので、(1)と(2)を取り上げます。

「(1)ボールを足元に正確にとめて、それから左に持ち出す」足元に止めようとする時点で体が減速してしまいます(※繰り返すようですが、ボールにいってる動きでうまくいっている人は、私の話を聞く必要ゼロなのでスルーしてください)。

「(2)走りながら左足を軸足にして、今立っている中央のあたりにその軸足を着き、右足のインサイドで左のスペースへボールを運ぼうとする」軸足のせいで初速が作れていないのでスピードが出にくいです。ためしに走ってきて軸足を作ってそこに体重をのせ、90度回転して走り始める。ボールなしでやってみるとあり得ないほど遅いのがわかります。

「ボールにいかない」メリットは「体をとめないこと」にあります。ボールを完全に忘れて、身体操作のことだけ考えます

目的は体を減速させない=スプリントorランニングorジョグしている状態を継続できるかということです。

絵では「7番のPAPA」は止まっているように見えますが、それは絵が下手なだけで、いずれかのスピードで走っています。

「左」と言われたとき、その時点と同じか、それ以上のスピードを作りたい

ボールにいかないなら何に行く?

それは「スピードを出しにいく」です。この状態から「さらにスピードが出る身体の動き」を目指します。ボールに向かって走っている状態から、左に90度ターンして、スピードを落とさずにそのまま左へ向かおうとするときに、どこにどの足をつけばよいでしょうか。二歩目はどのような役割を果たせばよいでしょうか。

私たち親子なりの解はありますがそれは自分たちの見解で、人によってつくべき場所はかわってくると思いますボールがまったくない状態で研究してみると、とにかくいろいろ発見があります

ボールなしで速く動ける身体操作を整理したあとに最後の最後にボールが登場します。どのタイミングでボールに触れるのがベストか。走る動きをじゃましないタイミングというのがちゃんとあるんです。あるいは走っていればタイミングなんていらない場合すらあります

そもそも、この練習何のためにやっているんだっけ?

それは自分をマークしている相手を置き去りにしたり、狙いのスペースにすばやく移動したいから、あるいはシュートに移るためのわずかな時間を確保したいからです。

ボールに意識がいってしまうと丁寧に止めるとか、止めてからすばやく右左へボールを選ぶとかが目的となり、体としてはやりやすい動きだけどスピードが出ていないという結果になり、本来の「マークを外す」とか「スペースに素早く移動する」という目的が未達成になってしまいます。

「ボールにいかない」ようにすると、練習においてほぼ毎回、ボールが最後になります。それは従来の練習とまったく違う順序なので、心細いかもしれませんが、ボールにいかないかわりにスピードを手に入れられます

スピードはないがスキルがある
スキルはないがスピードがある

私たち親子にとってスピードがないときのスキルは窮地脱出系のスキルで、それではスピードがないから相手がいるときすごくむずかしい。そこに気づかず、何年も苦労しました。

まずは相手を置き去りにするためにスピードを作る。その最大スピードにおいて、必要なスキルがあればそれを身につける。この手順で身につけた動きはすべてスピードがあるので、前とは別人のようです

「自分はボールにいかない派だ」とか、そういうことではなく、自分のとったルートが、本当に狙った目的に達しやすいかを考えて、日々トレーニングしていくのが正解だと藍澤誠/Jの先生は思います。

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