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『いろいろ動画を上げてるけど、トッププロ相手に勝てるのか問題への解答』フットボールペアレンツ097

こんにちは。マコトです。

数回にわたってドリブルの分析をしてきましたが、相手より自分のフィジカルやスキルが勝っている場合、特に工夫しなくても抜けてしまいます。逆にこちらが負けている場合は、言うまでもなく奪われる確率が高まります

「いろいろ動画を上げてるけど、トッププロ相手に勝てるの?」

という点については、トッププロ相手には、スキルやフィジカルでは勝てるはずがないという大前提が必要だと考えています。誰にも負けないスキルやフィジカルを目指すのは夢がありますが、そちら方面を追究することは、2022年でやめました。

そこで考えるべきなのが相手との位置関係です。トッププロ相手でも絶対に勝てる(スキルの差があったとしても勝てる)位置関係になっていたらドリブル突破も有効な選択肢に入るし、なければ突破はしない。そもそも――

さんざんスキルっぽい動画を上げていましたが、私たち親子としては現在(2023年6月時点)「スキルで抜くのではなく、位置関係の把握やチームのオフェンス構造で突破したい」と考えています。そうした突破への理解が深まっていれば、最善の選択でゴールに迫ることができると思います。

スキル突破は「判断や事前準備をミスして1対1の局面を作られてしまった場合」、あるいは「試合の中で相手チームに押し込まれ、圧倒的に不利な状況でしかプレーさせてもらえない場合」に発動する。そうした場合に備えて、月に何回かドリブルのトレーニングをしているのであって、ドリブル突破がファーストチョイスになっているわけではぜんぜんありません。

以上を踏まえて、本日の動画です。

サイドにおけるシンプルな原則というタイトルを動画につけました。
2つのドリブル突破のシーンです。

状況としては

(1)最前線のサイドで自分がパスをもらう。
(2)前にいるのは相手ディフェンス1人とキーパーのみ

という状況です。相手に寄せられた時点で、目の前の1対1に絶対に勝てる位置関係になっていない場合、あるいは絶対に勝てる準備が整えられなかった場合は、味方の上がる時間やスペースを作る動きをしつつ、最前線なので突破の怖さを出すという選択になります。

では静止画像で見ていきます。

今回は十分な準備ができている場合です。

相手の身体の向きとスピードを観察できています。ハルキはゴール方向、青いゼッケンのディフェンスは中を切るような形でゆっくりアプローチしてきています。突破の大チャンスです。相手と自分の高さがほぼそろっています(ゴールに対して平行な位置関係に並んでいるという意味)。

この位置関係なら走り出しさえすれば、どんな相手でも数歩は引き離すことができます。その数歩がシュートチャンスです

今回の動画では、蹴るコースに人がいたためにボールを流して歩数がかかっています。ここでかけるステップ数も大事で、半歩ズラして、ワンステップで即シュートもあれば、3歩、5歩、7歩など相手と角度次第でいろいろあると思います。また今回は縦に長くコースをとり、シュートの角度がなくなってしまいましたが、縦に小さく抜けて、即、斜め内側にコース取りする(相手の前というか裏に入る)などの工夫もあります。

上の写真は走り出す前のステップです。ハルキは走り出し、相手は止まっているのがわかります。しかもハルキはこちら向き、ディフェンスは背中向きです。

とにかく1、2歩目が大事です。たった2歩で加速します。写真の場合、

①右足で加速
②左足でボールタッチとともに再び加速

という身体操作になっています。

「キャンセルも可」と動画の説明に書いたのは、ここで相手が大きく進路にかぶせてきた場合、急ブレーキをかけてカットインすることも可能だからです。その急ブレーキに必要な条件としては「ボールとともに走ることができること」

つまり②の「走り出しにともなってボールを触る」が成立していることが重要です。蹴ったボール(方向を変えたボール)を追いかけながら、身体の方向を変えるのではなく「走り出した後にボールがついてくる状態になっている」ことが大事です。そうすれば、①の加速に対し、相手が進路へ身体をかぶせてきたときに、まだボールに触っていないので、①のスピードを使いつつ、②で別向きに再加速することが可能になるのです。それが動画内の次のケースです。

2022年以前のハルキは①の段階がなく、ボールを動かすときにまだ自分が加速してない。そうなると、ボールに触ったあとに「ボールにおいていかれる」という現象が生まれ、追っかけたボールの進路を変えるときに、どうしても軸足を作ってボールを引き留めるというさらに遅い動きをしていました。よくある1対1動画の、抜いては守備者につかまり、いつまでもケリがつかない状態です。

うーん、、、言葉にするのは難しいのですが・・・①、②の段階を作ってドリブルするようになってから、ハルキは飛躍的にドリブルが自由になりました。動画と静止画の力を借りながら解説を続けます。

まずはハルキは縦突破を狙っています。ところが相手が明らかに縦を警戒してかぶせようとしているのが(縦ぎりの状態であるのが)判ります。これは位置関係的には有利ではありませんが、相手がはっきりと矢印を出しているため、ゴールと垂直方向に並んだとき、簡単にズレを作ることができます。突破の大チャンスです。

相手が縦を切ってきたのに対し、ハルキは縦をキャンセルして、②の加速を内側に向けました。相手と滑らかに入れ替わり、守備者から大きく離れた状態でシュート体勢に入れています。この滑らかさは、動いてしまったボールにアプローチするのではなく、身体とともにボールが動いたからこそです。

シュートを角上に突きさすのが次の課題

ドリブルのトレーニングというとどうしても「必死にチャレンジする」イメージになってしまいますが、「相手の体勢の判断」と「こちらの②の動きをスムーズにできるか」だけであって、スキルやいわゆるフィジカルの問題は限りなくゼロに近いように思えます。逆に言えば「トッププロ相手でも勝てる状態を作り出す」ことや「誰が相手とか関係ない(少なくとも人間ならだれでもOKである)突破条件を見極められること」を心掛けています。

こうした「判断と身体操作での突破」を研鑽し、誰が相手でも関係ないという地点まで辿り着きたいと考えています。

フットボールを楽しんでいるみなさんの参考になったら嬉しいです。

以下、バックナンバーです。

◎01~10

01 『親としてはやめてほしくない』
02 『できない子を笑わない』
03 『サッカー選手になれなかった人がフットサル選手になる』
04 『サッカーに熱心な親だらけ!』
05 『左足で走るのが苦手とかあり得る? 個人的には画期的な大発見』
06 『走る(ドリブル)は誰でもできる』
07 『子どものプレーにイライラしがちなお父さんお母さんへ』
08 『両足で蹴ればシュート力は2倍になるぜ!!!』
09 『セレクションは気にしない!~12打数12安打11ホームランでも、まぁまぁはまぁまぁ』
10 『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』

◎11~20

11 『思い出しただけでイラつく経験を語っても……』
12 『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』
13 『ボールにいかないと1人目のディフェンスはいないも同然。味方はグラウンダーでパスを出さなくてもいいし、利き足じゃなくてもかまわない』
14 『子どもが主役の合宿は、世代を超えて受け継がれていた』
15 『イノシシやゴリラにプレスされても大丈夫! ~今が未来につながっている~』
16 『リフティング(1) ボールを拾って役立てようと 僕は思ったわけでもないが』
17『リフティング(2) 空に向かって蹴るのが楽しい!』
18 『リフティング(3)親と性格が違い過ぎると怒っちゃう問題はこうして解決した』
19 『リフティング(4)私たち親子が回数を目標にしなかった理由
20 『親視点(1)みんなドリブルでいっちゃうツライ日々』

◎21~30

21 『牛若丸ターン! ターン後の着地の姿勢で勝負がついていた』
22 『ドリブルの練習をやめたら劇的にうまくなりました』
23 『質問です。未来を意識していた人は誰でしょう? ゴールの角上とつながる』
24 『原文ママさん 手持ちの動画について意見を交わし合う場を作りました』
25 『世代なので死ぬまでにマラドーナのドリブルを身につけたい――運動神経がダメダメな私でも走れば抜けます
26 『ゴールへの意識があればレアルマドリードにもたどり着ける
27 『4ステップはつまずきそうで怖いという質問への回答』
28 『ギュンです! ボールに触れた瞬間に超絶加速する――写真の次のコマの形を当てられたらあなたは名選手に違いないです』
29 『続ギュンです! たいして傾いていなくてももちろん抜けます』
30 『ハルキの自主練なんて一回もみたことないです』

◎31~40

31 『内田史上最強の動き――研究手を基本動作にするプロセス』
32 『7番と9番へ! ディフェンス目線で整理する走る(ドリブル)2022年8月バージョン』
33 『トップ選手との対決で学んだこと――真夏の微妙な大実験』
34 『ボールにいっちゃっている状態とは何かよくわかります』
35 『手を動かしてイラストにしてみるとフォームを覚えられます――中西を描いてみる』
36 『フリーキックの練習を初めてしました』
37 『4ステップがない世界はもう考えられない』
38 『パパさんでも5人ダイレクト成功』
39 『ボールのレイヤーと身体のレイヤーが違うことで、滑らかなスーパープレーが生まれる』
40 『身体はオートマチック、判断はコース取り』

◎41~50

41『プロは目指すものじゃない――どうしても怒っちゃう自分を克服したきっかけ』
42 『ボールなしの練習は最重要!! しゃべるが先で飴玉は後』
43 『走りながらボールに合流する方法』
44 『すべてのプレーはゴールへ続く』
45『景色のプレーと脳内のプレー』
46『試合を動かす選手になる』
47 ルールは拘束的なものではなく、創造的なもの』
48『ドリブル超得意だけど、、、ドリブルのドの字もみせないぜ!
49 『親視点(2)止める蹴るを正確に!! なんてまったく考えていません』
50 『そもそもシュート練習をする前に・・・

◎51~60

51 『なぜ父親が練習しているのか』
52 『 身体を止めずにシュートを打つ』
53 『常識よりも前提。短い距離でもインステップ 』
54 『三手一組の準備ができていれば得点王も夢ではない 』
55『あわや大ケガ……準備も確認も怠らないこと』
56『日本人ってメチャ楽しそうにプレーするね!』
57『忍者?! 一瞬の速さだったら体格差は関係ない』
58『メッシはボールコントロールではなく、身体のコントロールが正確なのでは』
59『ワンステップシュートで文字通り✨超一流✨』
60『このドリブルの最大のコツは、ディフェンスの矢印に意識を払うことだけど』

◎61~70

61『動画編集=宝さがし』
62『ディフェンス時における身体操作(第1歩目)』
63『攻撃の手を緩めない 足を止めたりしない』
64『上手く止めることを目的にしない』
65『次の展開を予想しないでプレーする方がずっと難しくないですか?』
66『親の自分もビビッてしまうけど・・・何ができないかを知りにいく! 』
67『守備の意識が劇変しました』
68『ジンガやフリースタイルのように見えるかもしれないけど』
69『引き込みドリブルのbefore after
70『自然に思えたプレーがエラーだと気づく』

◎71~80

71『自分も味方も等価で全員を一緒に動かしているイメージ』
72『すべては自分次第。ボールウォッチャーになる? それとも得点者になる?
73『オレは基本的にダイレクトでプレーするぜ!
74『決め打ちを見破れれば超一流』
75『スピードが遅い人は 矢印をたよりに!』
76『ハルキの即接地トラップ、イニエスタ選手のトラップ、日本代表のトラップ』
77『毎日プレー動画を編集。研究を続ける』
78 『シュートはすべてギリギリのコース。狙うは角上!』
79『練習後のお楽しみ』
80『練習すると下手になることもある』

◎81~90

81『AIが判定するベストプレイヤーになる』
82『ステップ2回はマジで慌てるんですけど』
83『好プレーのショート動画を編集する』
84『ハードスルーは超便利!』
85『トラップとターンとシュートが一つの挙動になる
86『大前提を忘れない』
87『引き込みターン~ボールと身体の分離』
88『100%のキャンセルが出来たのは史上初かも』
89『親子リフティングで意識したいくつかのこと』
90『毎日もうやめたい、下手くそすぎると思ってプレーしているけど、たぶん明日もやめない』

◎91~100

91『走りながら蹴る』
92『ジャゴナウのような新しい動きを学ぶときも、決め打ちでトレーニングしてはダメ』
93『100パーセントキャンセルと半歩ズラしシュート』
94『反発ステップで大事なのは1歩1歩の加速。7番9番で大事なのは勇気』
95『ブロックカットインと2段階加速ドリブル』
96『カットインキャンセルとコンビネーション』

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