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『連載を100回続けて見えた景色』フットボールペアレンツ100

こんにちは。マコトです。
本記事がフットボールペアレンツの100記事目です。

2022-23年シーズンの成果としてハルキのPV動画を作りました。
ハルキ16歳の現在地と彼がどのように成長してきたかがわかる動画です。

今回のプロモーションビデオを作成しての気づきは「オレってこんな好プレーができます」というアピールをすることはさほど意味を持たなくて(それがPVの本来の目的ではあるのですが、その目的自体はそれほど大事ではなくて)、自分たちが作ってきた環境を改めて客観視できたことと、そこにしかない良さおよび、そこにある限界を知ることができたことがより大きな収穫でした。

この動画作成は2023年6月4日、日曜日の午後に、コワーキングスペースを借りて、数時間かけて編集しました。短時間で作成できたのは、1年以上かけてたくさんの動画をせっせと編集してきた長時間の蓄積があったからです。

週2回、動画で自分たちのプレーを振り返り、客観的に分析することを欠かさなかった。学んだことはこうしてnoteに書いてきた。修正点とできるようになったことを整理して、次のトレーニングをする。2022年~2023年のこうした蓄積が、短時間編集を可能にしたんだと改めて感じました。

これまで動画およびテキストの編集を続けてきたことがほとんど意味がなかったとは思ってはいませんでしたが、ハルキのプレーの成長以外でその意味の大きさ(継続してきたことの価値)を実感することがほとんどなかったので、今回手早く編集し、形にすることができたことに自分の(親であるマコト自身の)成長を感じたというか、少し安堵しました。継続は力なりという部分は確かにあるなって、自分の行為に対し久々に肯定的な感想を素直に持てました

ところでこうしたPVを私が高校生のとき、自分一人で(選手として)作ることができたでしょうか。あるいは現役の選手が、チームに所属したまま、時間を作って自分の力だけで編集することができるのでしょうか。

海外のスカウト向けにPVを作るという行為が、海外でプレーを志望する人にとってマストな行為だとしても(そういう意見をよく聞く)、私には普通に部活に所属している高校生やクラブチームの選手たちが、自分のプレーを編集している姿が思い浮かべることができません。

似たような行為はもしかしたらできたかもしれません。公園などで自分でカメラをセッティングしてその前で一人でプレーして、自分で解説を入れる。あるいは、試合の動画をなんとか入手して好プレー集を作る。

高校生の自分が今ここにいるなら、たいした編集スキルが必要というわけでもないのでそうした個人動画作成自体はやれそうです。しかしかなり大変そうではあります。

全力の練習後+学校の勉強のあとに体力が残されているのか。そもそも練習や試合の画像を入手したり、個人的に使う許可をチームから得ることができるのか。自分のプレーを世に問うようなメンタリティが周囲の目を気にする年頃にあるのか。すぐに「黒歴史!」だとか「承認欲求乙」みたいなことを言われる風潮のなかで、人の目を気にせずに堂々と自分のプレーをアップし続けられるのか

動画を撮ってくれる人がいる。
自分に対して常に肯定的なサポートをしてくれる人がいる。
同じコンセプトを共有し、自分とトレーニングをしてくれる仲間や相手がいること。
カメラでの練習や試合の撮影ができる環境があること。
データを編集し、分析、蓄積していく生活習慣を作ること。
夢を後押ししてくれるたくさんの存在があること。
周りの批判的な声や視線に負けないで成長を目指し続けること。

まだ何者でもない選手が、親を始め周囲からサポートを得られるということはすごく重要なことであり、成長のための環境を整備するということはものすごく大事なことに思えますし、実際大切なことなのでしょう。選手と同様に、親自身が心が折れないということも重要に思えます。

ただ、ここで改めて思うのは「それでも親のサポートが一番大切というわけではない」ということです。理解ある親や仲間がいる、しかも特別な環境があるハルキが恵まれているということではぜんぜんないということです。

うまく説明できないし、謙遜するわけでもぜんぜんないですし、周囲への感謝の気持ちはとてもあるし、それらは大事なことだという認識はとてもあるのですがそれでも――

要素に対して一番とか二番を決めるのは変ですが、私の個人的な姿勢としては、「フットボールの研究」というゴールを忘れないでいたいですし、その目標に対して、現実的かつ実効性がある研究をすることを最も大切にしたいです。

「競技力が突き抜けること」
「世界のトップレベルで活躍できる要素を見抜き、それを習得すること」
「まだこの世界で表現されていないフットボールを表現すること」

あくまで「これらのゴール」を徹底的に目指す過程で、素晴らしいものが生まれてくるという順序でありたいと引き続き思っています。

ではこの100回の連載の間で、そのゴールに近づいたかというと――

PVの中でまとめたように、ハルキの「忍者スタイル」は磨かれ、前進し続けていると思います。ただここまではあくまでもこのPVによく表れているようにたかが「個人のプレー」です。

「個人プレーでの限界」もいくつか具体的に見えてきたので(ここではそれらの内容については触れませんが)その限界を突破するために、この先の100回では「試合で頑張らない=試合前に準備する」を目標にしたいです。

たとえばこの動画づくりも「動画を作る」という段になってから頑張れることはたかがしれています。エフェクトや編集で動画を見栄えよくすることはできます。でも動画の中のプレーを変えることはできません。あるいは動画編集のスキルを急に向上させることもできません。

試合になってから頑張るのではなく、試合で頑張らなくてもいいように、十分に準備しておくこと。起こりうる様々なことを想定しトレーニングしておく。起こしたいたくさんのアイデアを思い描き、試合で発動できるように仕上げておく。試合では頑張るのではなく、いつも通りにプレーする

競技力の向上やフットボールの理解は、試合中ではなく、試合前に終わらせておく。試合中は準備してきたものを力に、楽しむことに集中する。

そうしたスタイルが、試合での創造性を生むのではと予感しています。

とにかく「試合で頑張る」というプラスアルファを考慮しない。「頑張らなくても勝てる」というと語弊がありますが、「準備したものだけですべてOK」と思えるような研究およびトレーニングを重ねたいです。

また、話を最後にきて話を複雑にしてしまいますが、試合中頑張らないというのは「個人の頑張りに頼らない」というイメージです。自分のプレーの追求ではなく、「チームのプレーを追究したい」です。

自分を自分として考えるのではなく、チームが効果的な連動をするために、一人ひとりがどのような振る舞いをしたら良いのか理解する。将棋で言えば、自分を万能なコマに仕上げることも大事なのですが、自分だけ強いコマになっていても自分の活かし方及び周囲との連携を考えないとまったく連動しない。相手を当然含めた周囲の状況を把握することにつとめ、そこで必要なプレーを見抜き、チームの一員として、チームの一手として最善手を選択し続ける。そんな選手になれるようにハルキと日々の研究を重ねていきたいです。

特に「自他の区別をしないこと」「個人的な感情を超えていくこと」が限界突破には必要だと感じてます。コマとしては「いるべきところにいられるように体力や走力をつけること」が必須だし、連動を最高にするために必要な原則を整理し、「個人的な解決策ではなく、チームとしての解決策を見つける研究」をしていきたいです。

フットボールを楽しんでいるみなさまの参考になったら嬉しいです。

以下、バックナンバーです。

◎01~10

01 『親としてはやめてほしくない』
02 『できない子を笑わない』
03 『サッカー選手になれなかった人がフットサル選手になる』
04 『サッカーに熱心な親だらけ!』
05 『左足で走るのが苦手とかあり得る? 個人的には画期的な大発見』
06 『走る(ドリブル)は誰でもできる』
07 『子どものプレーにイライラしがちなお父さんお母さんへ』
08 『両足で蹴ればシュート力は2倍になるぜ!!!』
09 『セレクションは気にしない!~12打数12安打11ホームランでも、まぁまぁはまぁまぁ』
10 『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』

◎11~20

11 『思い出しただけでイラつく経験を語っても……』
12 『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』
13 『ボールにいかないと1人目のディフェンスはいないも同然。味方はグラウンダーでパスを出さなくてもいいし、利き足じゃなくてもかまわない』
14 『子どもが主役の合宿は、世代を超えて受け継がれていた』
15 『イノシシやゴリラにプレスされても大丈夫! ~今が未来につながっている~』
16 『リフティング(1) ボールを拾って役立てようと 僕は思ったわけでもないが』
17『リフティング(2) 空に向かって蹴るのが楽しい!』
18 『リフティング(3)親と性格が違い過ぎると怒っちゃう問題はこうして解決した』
19 『リフティング(4)私たち親子が回数を目標にしなかった理由
20 『親視点(1)みんなドリブルでいっちゃうツライ日々』

◎21~30

21 『牛若丸ターン! ターン後の着地の姿勢で勝負がついていた』
22 『ドリブルの練習をやめたら劇的にうまくなりました』
23 『質問です。未来を意識していた人は誰でしょう? ゴールの角上とつながる』
24 『原文ママさん 手持ちの動画について意見を交わし合う場を作りました』
25 『世代なので死ぬまでにマラドーナのドリブルを身につけたい――運動神経がダメダメな私でも走れば抜けます
26 『ゴールへの意識があればレアルマドリードにもたどり着ける
27 『4ステップはつまずきそうで怖いという質問への回答』
28 『ギュンです! ボールに触れた瞬間に超絶加速する――写真の次のコマの形を当てられたらあなたは名選手に違いないです』
29 『続ギュンです! たいして傾いていなくてももちろん抜けます』
30 『ハルキの自主練なんて一回もみたことないです』

◎31~40

31 『内田史上最強の動き――研究手を基本動作にするプロセス』
32 『7番と9番へ! ディフェンス目線で整理する走る(ドリブル)2022年8月バージョン』
33 『トップ選手との対決で学んだこと――真夏の微妙な大実験』
34 『ボールにいっちゃっている状態とは何かよくわかります』
35 『手を動かしてイラストにしてみるとフォームを覚えられます――中西を描いてみる』
36 『フリーキックの練習を初めてしました』
37 『4ステップがない世界はもう考えられない』
38 『パパさんでも5人ダイレクト成功』
39 『ボールのレイヤーと身体のレイヤーが違うことで、滑らかなスーパープレーが生まれる』
40 『身体はオートマチック、判断はコース取り』

◎41~50

41『プロは目指すものじゃない――どうしても怒っちゃう自分を克服したきっかけ』
42 『ボールなしの練習は最重要!! しゃべるが先で飴玉は後』
43 『走りながらボールに合流する方法』
44 『すべてのプレーはゴールへ続く』
45『景色のプレーと脳内のプレー』
46『試合を動かす選手になる』
47 ルールは拘束的なものではなく、創造的なもの』
48『ドリブル超得意だけど、、、ドリブルのドの字もみせないぜ!
49 『親視点(2)止める蹴るを正確に!! なんてまったく考えていません』
50 『そもそもシュート練習をする前に・・・

◎51~60

51 『なぜ父親が練習しているのか』
52 『 身体を止めずにシュートを打つ』
53 『常識よりも前提。短い距離でもインステップ 』
54 『三手一組の準備ができていれば得点王も夢ではない 』
55『あわや大ケガ……準備も確認も怠らないこと』
56『日本人ってメチャ楽しそうにプレーするね!』
57『忍者?! 一瞬の速さだったら体格差は関係ない』
58『メッシはボールコントロールではなく、身体のコントロールが正確なのでは』
59『ワンステップシュートで文字通り✨超一流✨』
60『このドリブルの最大のコツは、ディフェンスの矢印に意識を払うことだけど』

◎61~70

61『動画編集=宝さがし』
62『ディフェンス時における身体操作(第1歩目)』
63『攻撃の手を緩めない 足を止めたりしない』
64『上手く止めることを目的にしない』
65『次の展開を予想しないでプレーする方がずっと難しくないですか?』
66『親の自分もビビッてしまうけど・・・何ができないかを知りにいく! 』
67『守備の意識が劇変しました』
68『ジンガやフリースタイルのように見えるかもしれないけど』
69『引き込みドリブルのbefore after
70『自然に思えたプレーがエラーだと気づく』

◎71~80

71『自分も味方も等価で全員を一緒に動かしているイメージ』
72『すべては自分次第。ボールウォッチャーになる? それとも得点者になる?
73『オレは基本的にダイレクトでプレーするぜ!
74『決め打ちを見破れれば超一流』
75『スピードが遅い人は 矢印をたよりに!』
76『ハルキの即接地トラップ、イニエスタ選手のトラップ、日本代表のトラップ』
77『毎日プレー動画を編集。研究を続ける』
78 『シュートはすべてギリギリのコース。狙うは角上!』
79『練習後のお楽しみ』
80『練習すると下手になることもある』

◎81~90

81『AIが判定するベストプレイヤーになる』
82『ステップ2回はマジで慌てるんですけど』
83『好プレーのショート動画を編集する』
84『ハードスルーは超便利!』
85『トラップとターンとシュートが一つの挙動になる
86『大前提を忘れない』
87『引き込みターン~ボールと身体の分離』
88『100%のキャンセルが出来たのは史上初かも』
89『親子リフティングで意識したいくつかのこと』
90『毎日もうやめたい、下手くそすぎると思ってプレーしているけど、たぶん明日もやめない』

◎91~99

91『走りながら蹴る』
92『ジャゴナウのような新しい動きを学ぶときも、決め打ちでトレーニングしてはダメ』
93『100パーセントキャンセルと半歩ズラしシュート』
94『反発ステップで大事なのは1歩1歩の加速。7番9番で大事なのは勇気』
95『ブロックカットインと2段階加速ドリブル』
96『カットインキャンセルとコンビネーション』
97『いろいろ動画を上げてるけど、トッププロ相手に勝てるのか問題への解答』
98『キック&ダッシュではなく、ダッシュ&キック』
99『いつか、この空の美しさを思い出す日がきっと来る』


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