見出し画像

『”三歩シュート”の分析 』フットボールペアレンツ110

こんにちは。マコトです。

サッカーの目的は、相手より多く得点を取ることです。
自分が試合を勝たせる選手になるためには、シュートを決められる選手になる必要があります(サッカーの目的については下記の記事(026)をごらんください)。

本日はそんなサッカーの目的であるゴールを上げるためのシュート練習動画です。動画はこちらをクリックしてください。↓

プレーしない人から見ると、横から来たボールを運んですぐにシュートを打っただけ、という印象だと思います。実際、まさにその通りなのですが。

やってみるとわかりますが、三歩で打つのはとても難しいです。このシュートを習得するためには、シュートまでに自分自身がどのような身体操作を行っているかを把握しておかなくてはいけません

そもそもなぜ三歩でシュート?

まずそもそもシュートをなぜ三歩で打つ必要があるかというと、試合においてはシュートを打つまでの時間がほとんどないからです。またいかにもシュートを打ちます!というタイミングで打つと、ゴールキーパーをはじめとした守備者は体勢を整えた良い状態でシュートを迎え撃つことになりますし、シュートコースに足を出すなどの妨害を受けてしまいます

速いシュートの打ち方の動画はけっこうありますが、歩数についてはドリブルデザイナーの岡部さんが上げているくらいであまりありません。

岡部さんと私は歩数の数え方が違います。

私の定義では、最初にボールと合流した足(蹴り足)を①、シュートのために踏み込む足が②、蹴る足が③です。実際に踏み込んでいるように見える足としては、②だけなので三歩ではなく、ワンステップシュートとも言えますし実際、以前はワンステップシュートと呼んでいました(岡部さんも、こちらの定義でいう三歩シュートをよく使います)。また蹴り足と最初のタッチが違うと三歩ではないですが、三歩シュートと同じようなタイミングのシュートになります。

コマ送りの連続写真(ボヤボヤ写真)で動作を確認

①歩目の段階

そもそも初手である写真の状態を作るのに、まず意識改革が必要です。「ボールを止める」という意識を持ってはいけません。自分が縦に走ろうとした軌道にボールがあって、そのボールを巻き込んで合流したというイメージです。つまり、ボールと合流するために身体を止めない。慣れるとさまざまな恩恵がある「身体をとめない一択」になるのですが、最初のうちはこれまでの癖から、身体を止める方向で自分やボールを操作しようとして遅くなって(滑らかさがなくなって)しまいます。

ここではハルキ(シュートする白い選手)の身体の傾きに注目してください。相当傾いているのがわかります。ボールと合流する①の左足は上から斜め下に降りていくベクトルで動かします。この瞬間、ちょっとだけ走るときとは違う動きになってしまいますのでできるだけ走る動作と同じようになるように調整していきます。私は「身体が先行して、あとからボールがついてくるこの感覚」を初めて知ったとき、「身体がめちゃくちゃ驚いた」感覚がありました。こっちの方がずっと動きやすいしボールと自分に勢いが出る! と身体を動かす喜びを感じました。

②に入る直前の形

続いてボールと合流して②の足を踏み込むまでの形です。ここでは身体を前のめりにさせず、空中で浮遊するというか、前方方向には慣性で身体が流れていくので、むしろ背中側を使って蹴り足の引き絞りを始める段階です。①でついた足が、単なる接地ではなく、身体を加速させる一歩となっていると、この体勢を取りやすくなります。この「ボールと合流した足を使う」というのは、滑らかですばやい動きを習得するにあたり、見落とされがちな、とても重要な事項と言えるでしょう。

写真には写らない準備

②歩目の段階はGOかキャンセルの選択段階

つづいて引き絞っている段階ですが、この段階では引き絞りはイメージされていません。身体をそのまま流す(弓を放つようにシュートを放つ)か、シュートをキャンセルするかの最終決定がなされます。シュートのためのアクセルは十分踏んであるので、あとはブレーキをかけるかどうか。そんな状態でいられるのが理想です。

上記の各段階に言えることですが、各段階になってやることを意識するのではなく、前段階でやることの準備が終わっていないと、脳からの部位への指令の時差を考えると間に合いません(野球で言えばボールが手元に来てからバットを振り始めても遅いのと同じです)。写真には、動作の結果だけが連続しているのです。

最後はシュート

③で放たれたシュート。守備者の足が届きません。

最後はシュートです。ここはまだ練習不足で、コースはいいのですが(股関節の向きの延長線上にボールが直進する)狙った高さを出せていません。本当は毎回。角上に突き刺したいのですが、それはまた完全に習得できたら書きます。

ハルキの試合でのワンステップです。周りから歓声が上がっていることから、周りが打つと思っていなかったタイミングだったということがよくわかります。

フットボールを楽しんでいる人の参考になると嬉しいです。
次回はワンステップ目のキャンセルについて書きます。

以下、バックナンバーです。

◎01~10

01 『親としてはやめてほしくない』
02 『できない子を笑わない』
03 『サッカー選手になれなかった人がフットサル選手になる』
04 『サッカーに熱心な親だらけ!』
05 『左足で走るのが苦手とかあり得る? 個人的には画期的な大発見』
06 『走る(ドリブル)は誰でもできる』
07 『子どものプレーにイライラしがちなお父さんお母さんへ』
08 『両足で蹴ればシュート力は2倍になるぜ!!!』
09 『セレクションは気にしない!~12打数12安打11ホームランでも、まぁまぁはまぁまぁ』
10 『パパはゲームメーカー! ボールにいかないと世界がまったく変わります!』

◎11~20

11 『思い出しただけでイラつく経験を語っても……』
12 『ボールにいかない派とかじゃなく、目的は何かっていう話なんだけど』
13 『ボールにいかないと1人目のディフェンスはいないも同然。味方はグラウンダーでパスを出さなくてもいいし、利き足じゃなくてもかまわない』
14 『子どもが主役の合宿は、世代を超えて受け継がれていた』
15 『イノシシやゴリラにプレスされても大丈夫! ~今が未来につながっている~』
16 『リフティング(1) ボールを拾って役立てようと 僕は思ったわけでもないが』
17『リフティング(2) 空に向かって蹴るのが楽しい!』
18 『リフティング(3)親と性格が違い過ぎると怒っちゃう問題はこうして解決した』
19 『リフティング(4)私たち親子が回数を目標にしなかった理由
20 『親視点(1)みんなドリブルでいっちゃうツライ日々』

◎21~30

21 『牛若丸ターン! ターン後の着地の姿勢で勝負がついていた』
22 『ドリブルの練習をやめたら劇的にうまくなりました』
23 『質問です。未来を意識していた人は誰でしょう? ゴールの角上とつながる』
24 『原文ママさん 手持ちの動画について意見を交わし合う場を作りました』
25 『世代なので死ぬまでにマラドーナのドリブルを身につけたい――運動神経がダメダメな私でも走れば抜けます
26 『ゴールへの意識があればレアルマドリードにもたどり着ける
27 『4ステップはつまずきそうで怖いという質問への回答』
28 『ギュンです! ボールに触れた瞬間に超絶加速する――写真の次のコマの形を当てられたらあなたは名選手に違いないです』
29 『続ギュンです! たいして傾いていなくてももちろん抜けます』
30 『ハルキの自主練なんて一回もみたことないです』

◎31~40

31 『内田史上最強の動き――研究手を基本動作にするプロセス』
32 『7番と9番へ! ディフェンス目線で整理する走る(ドリブル)2022年8月バージョン』
33 『トップ選手との対決で学んだこと――真夏の微妙な大実験』
34 『ボールにいっちゃっている状態とは何かよくわかります』
35 『手を動かしてイラストにしてみるとフォームを覚えられます――中西を描いてみる』
36 『フリーキックの練習を初めてしました』
37 『4ステップがない世界はもう考えられない』
38 『パパさんでも5人ダイレクト成功』
39 『ボールのレイヤーと身体のレイヤーが違うことで、滑らかなスーパープレーが生まれる』
40 『身体はオートマチック、判断はコース取り』

◎41~50

41『プロは目指すものじゃない――どうしても怒っちゃう自分を克服したきっかけ』
42 『ボールなしの練習は最重要!! しゃべるが先で飴玉は後』
43 『走りながらボールに合流する方法』
44 『すべてのプレーはゴールへ続く』
45『景色のプレーと脳内のプレー』
46『試合を動かす選手になる』
47 ルールは拘束的なものではなく、創造的なもの』
48『ドリブル超得意だけど、、、ドリブルのドの字もみせないぜ!
49 『親視点(2)止める蹴るを正確に!! なんてまったく考えていません』
50 『そもそもシュート練習をする前に・・・

◎51~60

51 『なぜ父親が練習しているのか』
52 『 身体を止めずにシュートを打つ』
53 『常識よりも前提。短い距離でもインステップ 』
54 『三手一組の準備ができていれば得点王も夢ではない 』
55『あわや大ケガ……準備も確認も怠らないこと』
56『日本人ってメチャ楽しそうにプレーするね!』
57『忍者?! 一瞬の速さだったら体格差は関係ない』
58『メッシはボールコントロールではなく、身体のコントロールが正確なのでは』
59『ワンステップシュートで文字通り✨超一流✨』
60『このドリブルの最大のコツは、ディフェンスの矢印に意識を払うことだけど』

◎61~70

61『動画編集=宝さがし』
62『ディフェンス時における身体操作(第1歩目)』
63『攻撃の手を緩めない 足を止めたりしない』
64『上手く止めることを目的にしない』
65『次の展開を予想しないでプレーする方がずっと難しくないですか?』
66『親の自分もビビッてしまうけど・・・何ができないかを知りにいく! 』
67『守備の意識が劇変しました』
68『ジンガやフリースタイルのように見えるかもしれないけど』
69『引き込みドリブルのbefore after
70『自然に思えたプレーがエラーだと気づく』

◎71~80

71『自分も味方も等価で全員を一緒に動かしているイメージ』
72『すべては自分次第。ボールウォッチャーになる? それとも得点者になる?
73『オレは基本的にダイレクトでプレーするぜ!
74『決め打ちを見破れれば超一流』
75『スピードが遅い人は 矢印をたよりに!』
76『ハルキの即接地トラップ、イニエスタ選手のトラップ、日本代表のトラップ』
77『毎日プレー動画を編集。研究を続ける』
78 『シュートはすべてギリギリのコース。狙うは角上!』
79『練習後のお楽しみ』
80『練習すると下手になることもある』

◎81~90

81『AIが判定するベストプレイヤーになる』
82『ステップ2回はマジで慌てるんですけど』
83『好プレーのショート動画を編集する』
84『ハードスルーは超便利!』
85『トラップとターンとシュートが一つの挙動になる
86『大前提を忘れない』
87『引き込みターン~ボールと身体の分離』
88『100%のキャンセルが出来たのは史上初かも』
89『親子リフティングで意識したいくつかのこと』
90『毎日もうやめたい、下手くそすぎると思ってプレーしているけど、たぶん明日もやめない』

◎91~100

91『走りながら蹴る』
92『ジャゴナウのような新しい動きを学ぶときも、決め打ちでトレーニングしてはダメ』
93『100パーセントキャンセルと半歩ズラしシュート』
94『反発ステップで大事なのは1歩1歩の加速。7番9番で大事なのは勇気』
95『ブロックカットインと2段階加速ドリブル』
96『カットインキャンセルとコンビネーション』
97『いろいろ動画を上げてるけど、トッププロ相手に勝てるのか問題への解答』
98『キック&ダッシュではなく、ダッシュ&キック』
99『いつか、この空の美しさを思い出す日がきっと来る』
100『連載を100回続けて見えた景色』

◎101~110

101『バックステップでスペースと勢いを作る』
102『アウトサイドキックの利点とその活用方法』
103『パスの受け渡しの位置とタイミングを再考する』
104『味方をブロックに使う工夫』
105『こんな動きが存在するなんて思ってなかった』
106『身体を操作しているところにボールが合流する』
107『パスは芸術的に~身体を後方に飛ばすトラップと自ら2人を縛りにいってフリーを作る動き~』
108『走るために出した足にボールがついてきた』
109『子どもの守備の寄せが甘くてイライラする!』


読後📗あなたにプチミラクルが起きますように🙏 定額マガジンの読者も募集中です🚩