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心惹かれる『note』

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最近、感銘を受けたものたちを、おすそ分け。
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#エッセイ

はじめて岸田奈美のnoteを読む人へ

はじめて岸田奈美のnoteを読む人へ

100文字で済むことを、2000文字で書く。作家の岸田奈美です。

いることも、いらんことも、noteへ息を吐くように残しています。

お仕事のご依頼などはこちらにお願いします。

わたしについて1991年、神戸市北区生まれ。中学2年生のときに起業家の父が突然死、高校1年生のときに母が心臓病で車いす生活、弟が生まれつきダウン症。認知症で荒ぶる祖母と、よく吠えるかわいい犬の梅吉も一緒に毎日が楽しい。

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そんなお祝いの仕方もあったんだ

そんなお祝いの仕方もあったんだ

子どもの頃、誕生日の翌日は、なんだか寂しく感じる事が多かった。

あたりまえだけど、誕生日は1年365日の中のたった1日。それは誰もが平等にそうなのであって、だからこそ特別で大切な日なんだってことはわかってる。

でも、もう少しその喜びを長く感じていられたら。

幼い頃の私はそんな気持ちだったように思う。

「お誕生日週間」のすすめ私は夫と結婚して良かったなと思うことの一つに、夫の家族の習慣を知る

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お金を、いい経験と引き換えできたら満点

私は本屋さんが大好きでよく足を運ぶのだけど、最近は棚にドカンとお金の本が置かれている。

そこには毎回2、3人の姿があって、熱心にパラパラとめくっていたり

大学生くらいの若い子たちが

「積み立てNISAとかやってる?」

なんてお喋りしてる。たまげたものだ。

私は大学生の時、授業後にどのパフェを注文しようか本気で考え悩んでいたというのに!

『資産運用』とか『節約術』とか『ビットコイン』とか

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ひとりでホテルに泊まってみたら、「私」が戻ってきた。

ひとりでホテルに泊まってみたら、「私」が戻ってきた。

ひとりでホテルに泊まった。
騒がしい日常から逃れ、助けを求めるようにホテルに駆け込んだ。
静寂と有り余る時間の中、ひとりでホテルで過ごした時間は、私に安らぎと経験と明日への力をもたらした。

ひとりでホテルに泊まることになった経緯世の中にひとり○○と言われるものはたくさんある。ひとりが平気でいつもひとりでいることの方が多かったので、今まで様々なひとり○○にトライしてきた。その中でも、ひとりホテルス

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付き合う前が一番楽しい3つの理由

付き合う前が一番楽しい3つの理由

「なんだかんだ付き合う前が一番楽しくね?」

これって結構あるあるではないだろうか。

なので今回はなんで「付き合う前が楽しく感じるのか」を3つの理由から考えてみた。

1.あれこれ試行錯誤するのが楽しいプレゼントって相手のためを思って考える時間が一番大切とかいうじゃないですか。

付き合う前の楽しさってあれと同じだと思うんですよ。

「相手がどうしたら喜んでくれるか」とか「こっちを振り向いてくれ

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私はわたしを幸せにすることにした

私はわたしを幸せにすることにした

長いこと私は、幸せとは自然にやってくるものだと思っていた。

まじめに働いていたら幸せになれる。まじめに生きていたら恋人ができる。欲深くならずほどほどに、でも人から感謝されるように生きてさえいれば、自然と幸せがやってくる。そんなふうに思っていた。

もちろん、そうやって生きていても幸せだった。仕事はやりがいがあって仲間も好きだし、そこそこ好きな恋人もできた。趣味の旅行に行けるくらいにはお金があるし

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好きを仕事にって言うけど結局どういうことなのか

好きを仕事にって言うけど結局どういうことなのか

ハッとする言葉に出会った。

全くその通りだと思ってしまった。

わたしは書店でアルバイトしたことがある。

仕事は本当に楽しかったし、心の底から経験できてよかったと思っている。しかしこれを本業にしていきたいかと言われるとちがう。

なぜならわたしが好きなのは、本のお会計をすることでもなく、在庫を並べることでもなく

『本を読むこと』だから。

もう1つ例をあげたい。

わたしはカフェで正社員とし

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失恋ほど、この世でつらいものはない。

失恋ほど、この世でつらいものはない。

二度と経験したくない。

好きな人から「別れたい」と言われたときはもちろん、どことなく態度が冷たくなってきたり、会わなくなったりして関係が悪化していくときもそう。

正直、両親が離婚したときより、家族が亡くなったときよりつらかった。

失恋とは「大好きな人にもう愛されなくなる」こと。相手がはたから見て最低な人間でも関係ない。相手が好きな気持ちが大きいほど、ダメージは大きい。

こういうときは、何を

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