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よすけの短編小説まとめ

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書いた小説を投稿した順にまとめています。短いのから長いの。暗いものから明るいものまで。ほっと一息つけるように。
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#恋愛

【短編小説】君を待つ

【短編小説】君を待つ

497文字/目安1分

 ごめんね。あなたのことは確かに好きだった。でももう無理なの。だから連絡してこないで。

 君に振られた。あんなに好きだったのに。今も変わらず好きなのに。
 君とはずっと一緒にいるのだと思っていた。けんかもいっぱいしたけど、その分楽しいことも多かった。これからのことも、ずっと先のことも、二人のことをたくさん話した。
 君を傷つけてしまった。すれ違うとか、そういうことじゃない

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【短編小説】待ち合わせ

【短編小説】待ち合わせ

756文字/目安1分

 踏切の向こう側で君が待っている。

 待ち合わせは朝。少し早いけど、この時間でしか見られない景色があるから、どうしても一緒に行きたかったんだ。
 誘う時は断られないか不安だったけど、快くオッケーしてくれた。

 カンカンカンと一定の間隔で音が鳴る。

 反対側にいる君は小さく手を振っている。それがかわいらしくて、ついにやけてしまう。
 この踏切は駅のすぐ隣にある。停車して

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【短編小説】幸せのかたち

【短編小説】幸せのかたち

3,870文字/目安7分

「幸せに形があるとしたら、きっと三角形だよ」

 口癖のように話す彼女の言葉の意味が、当時小学四年生だった僕には分からなかった。
 住んでいるところは町にもならないような田舎だった。近所に歳の近い子が他にいないからと、ことあるごとに遊びに連れ回された。山へ虫を捕まえに行ったり、知らない細い道をどんどん入って行ったり、お互いの家の敷地全部を使ってかくれんぼをしたり。かくれ

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【短編小説】ストレート

【短編小説】ストレート

621文字/目安1分

 長くて綺麗な黒髪が好きだ。

 短いのよりも、パーマよりも、茶髪でも金髪でも、何よりも黒髪ストレートがいい。

 前の席に座っている、あの子のことが気になって仕方がない。見ただけで分かる、さらさらでつやつや。完全に俺好み。ベストでドンピシャ。
 背中までまっすぐ伸ばしたその髪はうっとりするほどで、思わず触りたくなってしまう。

 朝、教室に入った時も、授業中も、お昼を食べ

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【短編小説】飽きちゃった

【短編小説】飽きちゃった

757文字/目安1分

 彼が寝ている側で、ワイシャツをたたむ。スーツのしわを伸ばす。ハンガーにかける。

 散らかったテーブルは昨日の夜のまま。わたしは缶に残ったお酒を一口飲んだ。ぬるくて味もない。アルコールだけがほわっと、朝の頭に効く。

 自分の部屋なのに、窮屈だな。

 音を立てないように、せまいベッドに潜り込む。彼は声を漏らすけど、すぐに寝息に変えた。

 あなたと出会ったのは、たぶん二

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【短編小説】隣の景色

【短編小説】隣の景色

511文字/目安1分

 自転車の帰り道。

 君が「先に行ってよ」って言うから、仕方なく前を走る。気になって後ろを向くと「ほら、危ないよ」と怒られる。

 こういう時、僕は何も言い返せない。

 道の幅は狭い。だから一列になるのは仕方がない。それでもこうしてずっと背中側ばかり見せていても、やっぱり仕方がない。君に対していつも後ろ向き。
 君はいつだって明るくて前向き。周りから頼られることが多いし

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【短編小説】塩むすび

【短編小説】塩むすび

1,526文字/目安3分

「塩って『えん』とも読むでしょ。だからえんむすび。つくってあげるから、あんたんち貸してよ」

 そんな言葉から、俺はおにぎりをつくってもらうことになった。塩むすびを少し変えて縁結び。バカみたいだけど、まぁいいか、と思った。

 話の流れで好きな人に好きな人の相談することになってしまった。
 たまたま話すタイミングがあって、そこからなぜかお互いの好きな人の話になって、本当

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【短編小説】無題

【短編小説】無題

894文字/目安1分

 元気にしているかい?

 いや、元気なわけないよね。わかるよ。正確に言うと、体はいたって健康で心もそれなりに落ち着いているけど、何かどうしようもない気持ちになっている。そんなところかな。もっと言えば、むしろ今が一番楽しいと思っているところもあるね。でも、それ以上に楽しいはずの未来を手に入れられずにやきもきしている。当たっているでしょ。
 やることは山積み。ちょっとずつ溜ま

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【短編小説】ドライブ―助手席―

【短編小説】ドライブ―助手席―

3,297文字/目安6分

 わたしは君の考えていることが分からない。

 車の免許を取ったと聞いた時は、内心はしゃいだ。景色の綺麗な山道とか、夕陽が沈む海沿いとか、勝手に思い描いてその気になっていた。有名なハンバーグ屋さんだっていつか行きたいと思っていたから。いわゆるドライブデートってやつに憧れがあって、それが叶うと分かって嬉しくなったんだ。
 でも、だからと言って相手が誰だっていいわけじゃない

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【短編小説】ドライブ―運転席―

【短編小説】ドライブ―運転席―

796文字/目安1分

 ドライブデートが苦手になってきた。
 お前との距離をもっと近づけたくて、運転免許を取って、バック駐車も練習した。理由をつけて誘うところまではうまくやれるのに。俺だって最初はいい感じなんじゃないかと思っていたんだ。

 それ以上の距離が縮まらない。

 木々の緑と青空のコントラストが映える山道、水平線から夕陽の道ができる海沿い、おいしいと有名な年中行列になるハンバーグステー

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【短編小説】思い出にはならない

【短編小説】思い出にはならない

1,529文字/目安3分

「君と過ごした日々を思い出にしたいんだ」

 そんなことを言われてから早二日。要するに振られたってことだ。わたしがこんなにも好きなのに。自分で言うのは恥ずかしいけど、わたしを狙っている人だってけっこういる。手放すなんてありえない。
 ちょっと掴めないところがあって、不思議な雰囲気を持っている。自分というものがしっかりある感じ。わたしが知らないことも教えてくれて頼りにもな

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【短編小説】めんどくさい

【短編小説】めんどくさい

888文字/目安1分

 今度はどこに行こうか。きみと何しようか。
 行きたいところがいっぱいある、きみとしたいこともいっぱいだ。
 遊園地、映画館、動物園。次々とイメージがふくらんでくる。
 他に誰もいない家デート。お弁当を持ち寄ってピクニック。ショッピングモールで買い物デート。ゲームセンター、カラオケ、ボウリング。常に二人きりのドライブデート。あ、でもまだ車の免許が取れる歳じゃないや。

 き

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【短編小説】くらげになる

【短編小説】くらげになる

2,592文字/目安5分

 雨はしとしと、この町を灰色に染める。分厚い雲は喧騒すらも覆い隠した。すごく静かだ。まるで海の中にいるみたい。息が詰まりそう。
 雨は嫌い、傘は好き。
 傘を差していると、世界から遠ざけられたような、そんな気がしてくる。赤だったり青だったり、黒や透明もある。いくつもの傘が同じようにぷかぷかと浮かんでいる。
 人の声、車の音。それらすべてを雨が飲み込む。町の中を歩いている

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