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20周年報告会をふりかえって
もう2ヶ月近く経ちましたが、7月27日(土)に「認定NPO法人よみたん自然学校 祝20周年報告会in東京」を、国立オリンピック記念青少年総合センターで行いました。2021年2月にNPO法人化してから、改めて賛助会員の入会を呼びかけた際には、140名の会員のうち約40名と3割以上の方が関東圏在住者であったことから、2022年に東京での活動報告会を始めました。そのため、東京での活動報告会は3年目という
もっとみる映画「PERFECT DAYS」を観て考えた
*ネタバレあり*
もうずいぶん前のことになりますが、「PERFECT DAYS」という映画を観ました。ずいぶん経っており、これから観る人は少ないだろうと思いますので、ネタバレだらけで思ったことを書こうと思います。これから観るのでネタバレが嫌だという方は読まないでください。
トイレ清掃を仕事としている主人公は、毎朝同じ時刻に起き、同じ時刻に仕事を終え、銭湯の一番風呂に入って一杯飲み屋でお酒を飲み
気持ちをことばで表現すること
先日の小学部親の会(フリースクール「小学部」の保護者会)でのことです。一人ずつ、最近の子どもや自分の話をしていると、あるお母さんが我が子とのことで困ったエピソードを話してくれました。1年生になる我が子と仲が良い2年生の子がいて、その子のお母さんに最近仲良くしているのか、どんな遊びをしているのかを尋ねたところ、前日にちょっと嫌なことをされたみたいで、今日は2年生の子が1年生の子を避けているということ
もっとみる子どものじかん、大人の時間
神奈川県川崎市に「子ども夢パーク」(通称「ゆめパ」)という施設があります。「子どもたち一人ひとりが大事にされなければならない」ということを実現するために、川崎市子どもの権利に関する条例を川崎市民がつくり、その条例をもとにつくった、子どもの居場所です。以前、このゆめパのドキュメンタリー映画「ゆめパのじかん」という映画の上映会と対談に参加したことがあります。
対談したのは、東京大学名誉教授・白梅学園
分け与えるというDNA
先日、長年サルの研究をされていた武蔵大学の丸橋珠樹名誉教授が、よみたん自然学校に来てくださった。3年保育「幼児の学校」とフリースクール「小学部」の子たちに話をしていただくとともに、大人向けにも講義をしていただいた。その講義を私も聞かせていただきましたが、一番印象に残ったのは、サルとヒトの違いについての話でした。
まず、サルの実験動画を見ました。サルAのいる檻の外に2匹でロープを引っ張らないと引き
障害は環境により立ち現れる
フリースクール事業をしていると、時々「発達障害がある子はいますか?」と聞かれることがあります。私は必ず「うーん、よく分かりません」と答えています。診断を受けている子もいるようですが、こちらから「診断を受けているかどうか」を聞くことはありません。それには理由があります。
まず、障害が「ある」か「ない」かということは、表現として間違っていると考えています。「自閉スペクトラム症」という名称があるように
気持ちと行動を分けるという視点
前回、前々回と、気持ちに寄り添う大人のサポートについて書きました。
そばにいる大人の存在
気持ちを伝え受け止め合う関係
今回は、気持ちと行動を分けるという視点について書きたいと思います。
主体性を尊重し、子どもたちが「やりたい」と言ったことばかりやっていると、わがままで好き勝手なことをする子に育つのではないかと言われることがあります。しかし、実際はそうではありません。むしろ、その逆です。自
気持ちを伝え受け止め合う関係
前回は、子どもたちの学びの場で、子どもたちの好奇心や関心から始まる「やりたいこと」をサポートするためには、気持ちに寄り添う大人の存在が欠かせないことを書きました。
そばにいる大人の存在
今回は、気持ちに寄り添う大人のサポートは、子どもたちのコミュニケーション能力をアップすることにも寄与しているということを書きたいと思います。
例えば、子どもたちが海に出かけて磯で遊んでいた時に、2人の子が魚を
そばにいる大人の存在
前回の最後に、子どもたちの学びの場に欠かせないのが、そばにいる大人の存在だということを書きました。
なぜ、自然豊かな環境なのか
今回は、その点について書きたいと思います。
子どもたちが遊んでいる時、1人の子(A児とします)が別の子(B児とします)を叩いて、B児が泣いたとします。みなさんはどんなことを思い、どんな声かけをしますか?おそらく、A児に「叩いちゃダメでしょ」と言い、泣いたB児がかわい
なぜ、自然豊かな環境なのか
前回の最後に、子どもたちの好奇心や関心を程よく刺激する環境として、「自然豊かな環境」が大事だということを書きました。
活動を見ていて、おおっ!と思う瞬間
今回は、その点についてもう少し掘り下げたいと思います。
子どもの時に自然豊かな環境で育つと、自然を好きになって自ずと自然を大切にする心が育つという考えを時々耳にしますが、私はその考えは間違っていると思っています。なぜなら、今の世の中を作った
活動を見ていて、おおっ!と思う瞬間
今でも忘れられない、印象的な出来事があります。それは、3年保育「幼児の学校」事業を始めて間もない頃のことです。子どもたちと近くの海に行きました。その時は潮が引いていて、潮溜りが現れ、その潮溜りの中で小さな魚がたくさん泳いでいました。
魚を捕るのが好きな4歳の女の子が、小さな網を片手に魚を追いかけていましたが、魚の逃げるスピードが速く、なかなか捕まえることができません。しばらくすると、急にぴたっと
3ヶ月実習生のふりかえり
よみたん自然学校では、3年保育「幼児の学校」やフリースクール「小学部」の現場に入って、実際に子どもたちと関わりながら、学ぶことができる実習生という仕組みがあります。
千葉県の多古町で森のようちえんの立ち上げに関わる地域おこし協力隊の鈴木咲希さんが、よみたん自然学校で3ヶ月の実習を終え、ふりかえりを送ってきてくれました。自分自身を見つめるいい時間を過ごしたようです。本人の許可を得て、こちらに転載しま
よみたん自然学校を立ち上げてからの模索
前回はよみたん自然学校を立ち上げるに至った経緯を書きました。
なぜ、よみたん自然学校をつくったのか?
今回は、立ち上げ後、模索しながら事業展開していった時のことを書こうと思います。
よみたん自然学校を立ち上げた当初、自然育児クラブや夏休みのキャンプ事業をしたり、観光客対象に「琉球石灰岩」をテーマにしたツアーをしたりしていましたが、子どもたちが日常的に自然に触れる場を作りたい、もっと独自の教育
なぜ、よみたん自然学校をつくったのか?
灘中、灘高、東大を卒業して商社の丸紅に勤めていた私が、沖縄県の読谷村で自然学校を設立。という経歴を見た人は、必ず聞いてきます。
なぜ、よみたん自然学校をつくったのか?
まずは、そのことについて書こうと思います。
かれこれさかのぼること、中学生の時のことだったと記憶しています。父は私にこう言いました。「好きなことを仕事にできたら、こんな幸せなことはないぞ。」大人になってからその話をしても、父は