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20周年報告会をふりかえって

もう2ヶ月近く経ちましたが、7月27日(土)に「認定NPO法人よみたん自然学校 祝20周年報告会in東京」を、国立オリンピック記念青少年総合センターで行いました。2021年2月にNPO法人化してから、改めて賛助会員の入会を呼びかけた際には、140名の会員のうち約40名と3割以上の方が関東圏在住者であったことから、2022年に東京での活動報告会を始めました。そのため、東京での活動報告会は3年目ということになります。今年はよみたん自然学校設立20周年なので、20周年報告会として実施しました。今回は、正会員、賛助会員以外にも、自然学校関係者、学校の先生、福祉施設関係者など、総勢33名の方が参加してくださいました。

20周年報告会は、3部構成で行われました。

①現在〜よみたん自然学校の活動事例紹介

②過去〜20年を振り返る〜

③未来のよみたん自然学校へ!

①現在〜よみたん自然学校の活動事例紹介では、小学部主任が3年保育「幼児の学校」とフリースクール「小学部」の様子を、福校長がキャンプ事業と人材育成事業と普及啓発事業について、写真や動画を見ていただきながら紹介しました。②過去〜20年を振り返る〜では、これまでよみたん自然学校に関わりのある6人の人たちに交代で登壇してもらい、代表理事と福校長が交代でインタビューをしていきました。③未来のよみたん自然学校へ!では、代表理事が、3年後に2校目を作るという中期事業計画について説明をしました。

その中で、インタビュー形式で行った②過去〜20年を振り返る〜が好評だったので、その内容を少し詳しく書きたいと思います。

まず一人目は、福校長が学生時代からお世話になった子どもキャンプの大先輩。よみたん自然学校を設立してからすぐの頃に、連携してキャンプ事業をさせてもらうなど大変お世話になった方です。赤瓦の校舎や海へのアクセスなどのロケーションや、言葉にうまくできないスタッフが醸し出す雰囲気が、よみたん自然学校らしさなので、それを売りとして、ネットワークで情報交換をしながら事業展開をするといいとアドバイスをいただきました。

二人目は、小学生の時からサマーキャンプに県外から参加し、沖縄県内の専門学校に進学し、学生ボランティアとしてサマーキャンプに関わってくれた人。現在は救急救命士として働いています。自然学校で印象に残っていることを聞くと、木登りなどは学校では普通禁止されるけど、やりたいことをやらせてくれて、それを見守ってくれる、そのことが、居心地が良かったと話してくれました。そして、社会人として働く今に活かされていることを聞くと、苦しくならないように、逃げたりうまくかわしたり他の人に紛れたりすることができて、生きる術を学んだということでした。

三人目は、学生時代にボランティアとしてサマーキャンプに関わってくれ(二人目の方が小学生で参加者でした!)、結婚して子どもが産まれてからは親子を対象としたプログラムに参加者として関わってくれた方です。現在は沖縄から関東に移り住んで、仕事と子育てに奮闘しています。自然学校での関わりを通して、傾聴が大事だと感じたそうです。保育園、こども園、児童館などで働いてきた時もそう感じたし、子育てや介護でも傾聴は活かされると感じたそうです。

四人目は、代表理事の古くからの友人であり、学生時代は別の団体で子どもキャンプの経験もあり、NPO法人よみたん自然学校の理事もされている方です。沖縄県を超えて自然学校に関わった人がみんな幸せになってほしいので、理念を伝えていくことが使命だと思い、いろいろなところで話をして活動を知ってもらおうとしてくださっているそうです。自然・教育、子育てはみんなが受けてきたサービスなので、共感は得やすいと感じているそうです。

五人目は、3年保育「幼児の学校」に1年、フリースクール「小学部」に6年通った卒業生で、現在は大学で日本史の勉強をしている方です。自然学校での体験で今に活かされていることを聞くと、「やりたいことをやっていく中で、だいたいうまくいかないけど、バチっとうまくいった時がめちゃくちゃ気持ちいい。その気持ちよさが自分の原動力。その達成感を求めていろいろいろんなチャレンジができている。」ということでした。達成感の例を聞いてみました。「テレビでトムソンガゼルがチーターからなぜ逃げ切れるかということを紹介していた。追いつかれる直前に突然90度角度を変えることで、勢いよくそのまままっすぐ進むチーターから逃げる。それを鬼ごっこで実践してみたらうまくいった。」という話をしてくれました。最後に、よみたん自然学校に期待することや、今後やってほしいことを聞くと、「えー?」と子どもの時と変わらぬ反応を見せながら、考えてくれ、「今のままでずっとあってほしいなと思う。」と言ってくれました。

最後は、これまで三人の子どもを通わせてくれ(三人目はまだ在学中)、現在は事務局長になってくれている方。自然学校では子どもたちのやりたいことを話すだけでなく、調整が必要なことも多いので、子どもたちに話し合いの土台ができた、と話してくれました。そして、自然学校以外での子ども同士の話し合いの場面で、どちらにもつかずに話し合いの間に入ってほしいと言われることがあり、親も学ばないとついていけないと感じているそうです。逆に、夫婦で言い合いをしていると、頭を覚ましたらと、子どもに間に入られてしまうこともあるとか。そして、自然学校が特別な場所にならず、いろんな人が関われる場所になって欲しいと言ってくれました。

私が最も印象的だったのは、現在大学生になっている卒業生の「今のままでずっとあってほしいなと思う。」と言葉でした。あー、彼にとってすごくいい時間を過ごせていたんだなと、ジーンときました。そして、終了後にもらった参加者アンケートの中にも別の人から「変わらないでほしい。いい意味で」という回答がありました。これからも、自然学校の良さを残しつつ進化していこう、事業をしっかりと継続させていこう、と固い決意をした時間となりました。

20周年報告会in東京に参加してくださったみなさん、ありがとうございました。

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