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学校教育に関するあれこれ

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#教師

教科書の価値と、使いこなすということ~教科書を自動車に例えて考える~

教科書の価値と、使いこなすということ~教科書を自動車に例えて考える~

「教科書めっちゃよくできている」

 教材研究をしていて、ふと思ったわけです。

 そんなことをきっかけに、教科書について考えたことを書き留めておきます。

1 教科書の価値に改めて気付く

 例えば小学校3年生の社会科の教科書。
 最初に学ぶ、子どもが自分が住んでいる地域や市区町村の様子を捉える単元を挙げてみます。

「教科書に載っているのは、子どもが住んでいるところ以外の地域なので、どう扱えば

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ある小学校教員の判断時の脳内をnote整理~子どもが話しかけてきた場面から対応まで編~

ある小学校教員の判断時の脳内をnote整理~子どもが話しかけてきた場面から対応まで編~

「せんせぇ~、プリント余りました」

と言って1枚のプリントを持ってきた1人の女の子、Aさん。

もし、あなたが小学校3年生の担任の先生なら、Aさんにどう対応しますか?

すぐ受け取ってあげればいいじゃない、というご意見。

もちろん、それが自然です。

ただ、学校や学級という場で、子ども1人1人を育てようと思うと、そればかりがベストとも言い切れません。

今回は、小学校で勤務している際のある一場

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磯津政明『2040 教育のミライ』(2022,実務教育出版)に学ぶ

磯津政明『2040 教育のミライ』(2022,実務教育出版)に学ぶ

刺さった書籍の読書記録&共有です。
磯津政明『2040 教育のミライ』(2022,実務教育出版)

まず、教育現場にいらっしゃる方にオススメします。現在の教育界を取り巻いている状況の広範囲をカバーしていると思います。

著者の磯津さん、「教育分野における独自のビジネス構想を実現させるため、2015年、ソニーグループ初の教育事業会社・株式会社ソニー・グローバルエデュケーション(SGE)を設立、代表取

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「対話」と「思考」の関連性 ~活発な「話し合い」授業から考える~

「対話」と「思考」の関連性 ~活発な「話し合い」授業から考える~

 「対話」することは良いこと、という流れが世の中にあるかと思います。
 

 確かに「対話」することで誰かと関わったり、悩みが解決したりします。
 「対話」がないと、分かり合っていない、分かってくれない、無視している…という状態になってしまうこともあります。

 では、そもそも「対話」とはいったいどのようなものを指すのでしょうか。
 

 今回は、学校現場における「対話」から、「思考」との関連性に

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教育の「不易」と「流行」を問う① ~「不易」の中身は?~

教育の「不易」と「流行」を問う① ~「不易」の中身は?~

最近の問題意識です。

整理メインの記事ですので、それほど容量はないです^^;
(ぜひご意見いただければありがたいです)

1 教育の「不易」と「流行」が登場する場面 

 時々目にしたり、耳にしたりする、教育の「不易」と「流行」

 どんな場面が考えられるでしょうか?

 例えば、最近でいえば、GIGAスクール構想で一人一台タブレットが導入され、「ICT機器は現在の流行だが、教科書を使った学習に

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「明るい不登校」を目指すこと

「明るい不登校」を目指すこと

 お久しぶり?に不登校関連の記事です。

 昨今の多様性を受け入れようとする社会の流れの中で、不登校についての見方もずいぶん変わってきたように思います。
 顕著なところでは、(結構前ですが)「登校拒否」から「不登校」へ呼称が変わっているところなど、わかりやすいですよね。

 ただ、不登校を許容する社会の流れがある一方、不登校という選択をした場合、あるいは不登校の状態になった場合に、学校の代わりに子

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