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学校教育に関するあれこれ

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#最近の学び

結局「根性」は必要?

結局「根性」は必要?

 結論から言うと、「必要」じゃないかと。

 結局、最後は根性なんだよなぁと

 過去の、昭和の、高度経済成長期から平成くらいまでは、みんなで同じことしてれば、国全体が成長して、自分も裕福になれて、周囲に認められて、それで良かったのです。

 言ってみれば「幸せのテンプレート」が似たようなものだったと。

 ですから、何でもかんでも「根性で乗り越えろ!」は、世の中の大きな流れに沿ってやっておけば大

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試されるのは参加者!?校内研修の「優秀な」参加者3選~あなたは10個褒めることができますか?~

試されるのは参加者!?校内研修の「優秀な」参加者3選~あなたは10個褒めることができますか?~

 X(旧Twitter)で、このようなポスト(ツイート)をしたところ、自分のポストにしては珍しく?反響をいただきました。

https://x.com/tsukemen1313/status/1709893327305462229?s=20

 自分は、立場や機会に恵まれ、おそらく一般の教員としては考えられないくらいの数の研究発表会や事後研修に参加させていただきました。(自治体もたくさん。開催者側

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教科書の価値と、使いこなすということ~教科書を自動車に例えて考える~

教科書の価値と、使いこなすということ~教科書を自動車に例えて考える~

「教科書めっちゃよくできている」

 教材研究をしていて、ふと思ったわけです。

 そんなことをきっかけに、教科書について考えたことを書き留めておきます。

1 教科書の価値に改めて気付く

 例えば小学校3年生の社会科の教科書。
 最初に学ぶ、子どもが自分が住んでいる地域や市区町村の様子を捉える単元を挙げてみます。

「教科書に載っているのは、子どもが住んでいるところ以外の地域なので、どう扱えば

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われわれは、未来の世代に対する責任を果たしているか?(「2040年の日本」より)

われわれは、未来の世代に対する責任を果たしているか?(「2040年の日本」より)

 少し批判的な表現が入ってしまうかもしれないですが、著者の思いの込められた表現を引用する上で失礼の無いようにしたい、そして自身への戒めも込めてという意図であると、ご理解いただければありがたいです。

 今回は、野口悠紀雄「2040年の日本」 (幻冬舎新書 2023)で印象的な部分を引用し、少し思いの丈を述べます。

1 書籍&著者紹介

 今回、引用させていただくのはこちらの書籍です。
https

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子どもが「自分の世界に引きつける」授業とは?~「フォーマルな知識」と「インフォーマルな知識」から~

子どもが「自分の世界に引きつける」授業とは?~「フォーマルな知識」と「インフォーマルな知識」から~

1.子どもの考えを大事にしたいのだけど…

 「子どもなりの発想を大事にしたい」「その子その子の考え方を尊重したい」と考える教員は少なからずいらっしゃるかと思います。特に、幼さ十分に残る小学校段階であればなおさらではないでしょうか。

 しかしながら、学習指導要領で示された学習内容を十分理解するには、なかなかそうも言ってられない…「計画していた範囲が終わらない!」と思わず愚痴をこぼしてしまう教員の

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世界を変えるのはいつも「新人」だが、大人たちが応援するのは「世界を変えない若者」

世界を変えるのはいつも「新人」だが、大人たちが応援するのは「世界を変えない若者」

「古い世代の人たちに世界を変える力はない。世界を変えるのは、いつも『新人』なのだ」
 トーマス・クーン『科学革命の構造』による結論です。
 なかなか変わらない世の中…狭い世界で言えば町内会や職場、広く言えば政治や国々…ITイノベーションなどによる大きな変化がある一方、変わって欲しいのに変わらないものは多々あります。

 自分がこのフレーズに出会ったのは、原著ではなく、瀧本哲史『ミライの授業』(講談

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子どもを育てることを何と捉えるか ~「子ども庁」から考える、子どもに関する施策体制のねじれ~

子どもを育てることを何と捉えるか ~「子ども庁」から考える、子どもに関する施策体制のねじれ~

 子ども庁の創設について、政府が当初想定していた2022年度から、23年度以降へと先送りされることが報道されました。

1 学校現場で実感する子どもに関する施策体制のねじれ
 
 公立学校であっても私立学校であっても、基本は行政の管轄のもと、教育活動は行われます。学校現場で働いていると、(広い意味での)教育施策について、複雑に感じることがあります。
 
 学校であれば、基本的には文部科学省の管轄で

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