記事一覧
[気づきの日記帳09]「いい箱をつくる」ブランディングと「価値を箱にためていく」ブランディング
[社会人10〜20年目の気づき]
インターネットが生まれて人々が自ら信じられる情報を探す時代が到来したことで、ブランディングと呼ばれる領域は、とりわけ重要になりました。生活者は、自分にとって価値のある、あるいは意味のある企業なのかどうかを目を凝らして見るようになりました。日頃の活動を通じてブランド価値を高め、選ばれる理由を確実に蓄積していけるかどうかが、企業が生き残れるかの分かれ目になっているの
[気づきの日記帳08]僕たちは感覚渦巻く世界を生きている
[社会人20年目の気づき]
僕たちは、感覚渦巻く世界を生きている。
なんか当たり前のことをカッコつけて言ってるようにも見えますが、このシンプルな気づきは、仕事の質を変える大きなものです。
クリエイティブなアイデアを生み出していくのに、重要なのは論理か感覚か。その議論は、いろんなところでされてきました。論理なく感覚的面白さだけを追求するクリエイティブなんて価値がないというストラテジーサイドの主
[気づきの日記帳07]情報のリアリティとReason to Believe
[2000年〜2010年ごろの気づき]
80年代から90年代末にかけてマス広告の設計に関わっていた自分にとって、日々の業務の課題は、すでに高い効果を持っていたマスメディアのパワーを前提に、そこにどれだけ強く響くものをのせられるか、にあったのだと思います。インパクトって何?強く届くって何?目立つってどういうこと?もちろん担当する商品の商品性や特徴は前提としながら、兎にも角にも、情報の大海原で無視さ
[気づきの日記帳05]インターネットの誕生が開いた体験の時代
[2002年の気づき]
インターネットの商用利用が一般化し、企業のコミュニケーションに活用され始めたのが1990年代の後半。マスメディアを中心に回っていた広告の世界が今の時代の形に変化していく流れは、そのあたりから始まったのでした。世界のトップブランドは競うようにネット活用を模索し始め、2000年代に入る頃には、世界を驚かせるような活用事例が登場し始めます。
NIKE iDは、NIKEシューズ
[気づきの日記帳04]「なぜ」を持たなければ「問い」は生まれない
[社会人15年目の気づき]
長くアイデアを考える仕事をしてきて、仕事の価値を維持し続けられた大きな理由に、自分の「なぜ」との向き合いがあると感じます。自分の「なぜ」に素直に向き合ってきたこと、未解決の「なぜ」を放置しないようにしてきたこと。だからこそ、自分が今でも仕事ができている。キャリアを積んでいきながら、多様で難しい課題に答えれば答えながら、その重要性に気づかされてきたのです。
私たちは、
[気づきの日記帳03]企画の数の目標設定って、意味があるんだ
[社会人2年目の気づき]
前回の記事02で、企画を考える基本の話に触れて文章を終えました。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
であるなら、優れた企画を生むためには、
1.どれだけ幅広い領域のネタを頭に格納しておくか
2.格納された要素を縦横無尽に組み合わせる柔らか思考をどう育てるか
3.誰も気づいていない組み合わせ=EDITを選び出す目を育てられるか
このシンプ
[気づきの日記帳02]誰も見たことのないすごいアイデアなんて存在しない
[社会人2〜3年目の気づき]
「誰も見たこともない凄いアイデアをよろしく」
クリエイティブを仕事にしている人は、きっと一度はこんな言葉で仕事を依頼されたことがあるのではと思います。ある時は、クライアントのマーケティング責任者から、オリエンテーションの席で。またある時は、広告会社の古株CDから、競合プレゼンのキックオフミーティングで。それは、小さなアイデアに閉じこもることなく大胆な提案をしろ!とい
[気づきの日記帳01]いわゆる「いい企画」的なるものを形にすることからの脱却
[社会人2〜3年目の気づき]
企画という仕事が扱いにくいのは、その実態と全体像がわかりにくいこと。企画を仕事にすることに憧れを持って会社に入った人間であっても、自分のどんな能力が問われ、どんな技術を磨いていく仕事なのかはよくわからないものです。一般大学卒で企画の仕事に就いた者には、企画会議的なるものを授業でやった経験が少ない者も多く、その闇は一層深い。何を考えればマルなのか、何を出せれば正解なの
NY TDCでの受賞。(NY Typo Directors Club)YouFabの8年の挑戦
2022年の3月30日に今年のニューヨークTypo Directors Club賞の受賞作が発表されました。FabCafeが主催するGlobal Award「YouFab」のポスターは、2部門でCertificate of Typographic Excellenceを受賞。YouFabの受賞は、2018年のポスターが、D&AD2019で入賞、ONE SHOW-DESIGNで銀賞を受賞して以来3個
もっとみる強いアイデアのつくり方の本を書きました
久しぶりの投稿です。
ご無沙汰しておりました。
2014年に「なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本(通称なんクリ)」という本を書いたのですが、この6月に、改めて強いアイデアのつくり方の本を書きました。内容は、その書き方も含め、前作を一新した内容になっています。
「科学者じゃない僕たちは想像力と妄想力と企画力とデザイン力で世界の未来と関わっ
広告デザイン界のトップスター大貫卓也さんがAR表現に挑戦したHiroshimaAppealポスターが体験できる。
広告の世界で育った僕たちにとって、大貫卓也という人は特別な存在です。永遠に超えることのできないと感じる壁であると同時に、同じ時代に広告世界を生きてきたことを嬉しく誇りに感じる存在。これまでどれだけ、大貫さんの仕事集のページをめくってきたことか。
そんな大貫さんが、JAGDA、広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金が主催・実施している「ヒロシマ・アピールズ」の本年度版のポスターを作った。デジタ
博報堂CCTOの任を終了しました
6月末をもって、博報堂CCTOの任を終了いたしました。2005年から約6年。激動の広告界の激動の未来にあわせたクリエイティブおよびクリエイターの対応力アップを担務に続けてきた仕事は、ここで一段落。引き続き777業務や大学教授仕事で忙しく動きながら、今年後半は、執筆により力を入れるなどこれまでとは違う業務にも力を入れていきたいと思っています。
博報堂仕事が終了したので、週前半の時間に多少の余裕がで