777creativestrategies 福田敏也

元博報堂CCTO。元博報堂アイスタジオCCO、元大阪芸大教授。90年代以降、変化の時代…

777creativestrategies 福田敏也

元博報堂CCTO。元博報堂アイスタジオCCO、元大阪芸大教授。90年代以降、変化の時代のクリエイティブに取り組んできた。高い評価はより海外に。国際賞受賞多数、国際審査員招聘多数。その経験を活かし多くの企業の改革をサポート。777塾という私塾では、変化の時代の企画術を伝授している。

記事一覧

[気づきの日記帳09]「いい箱をつくる」ブランディングと「価値を箱にためていく」ブランディング

[社会人10〜20年目の気づき] インターネットが生まれて人々が自ら信じられる情報を探す時代が到来したことで、ブランディングと呼ばれる領域は、とりわけ重要になりました…

[気づきの日記帳08]僕たちは感覚渦巻く世界を生きている

[社会人20年目の気づき] 僕たちは、感覚渦巻く世界を生きている。 なんか当たり前のことをカッコつけて言ってるようにも見えますが、このシンプルな気づきは、仕事の質を…

[気づきの日記帳07]情報のリアリティとReason to Believe

[2000年〜2010年ごろの気づき] 80年代から90年代末にかけてマス広告の設計に関わっていた自分にとって、日々の業務の課題は、すでに高い効果を持っていたマスメディアのパ…

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[気づきの日記帳06]クリエイターのメディア視点

[2000年代の気づき] マス広告全盛の時代。すべての仕事は、主要なマスメディアメニューにのっとって組み立てられていました。それがどんな業種のどんな商品やサービスであ…

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[気づきの日記帳05]インターネットの誕生が開いた体験の時代

[2002年の気づき] インターネットの商用利用が一般化し、企業のコミュニケーションに活用され始めたのが1990年代の後半。マスメディアを中心に回っていた広告の世界が今の…

[気づきの日記帳04]「なぜ」を持たなければ「問い」は生まれない

[社会人15年目の気づき] 長くアイデアを考える仕事をしてきて、仕事の価値を維持し続けられた大きな理由に、自分の「なぜ」との向き合いがあると感じます。自分の「なぜ」…

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[気づきの日記帳03]企画の数の目標設定って、意味があるんだ

[社会人2年目の気づき] 前回の記事02で、企画を考える基本の話に触れて文章を終えました。 「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」 であ…

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[気づきの日記帳02]誰も見たことのないすごいアイデアなんて存在しない

[社会人2〜3年目の気づき] 「誰も見たこともない凄いアイデアをよろしく」 クリエイティブを仕事にしている人は、きっと一度はこんな言葉で仕事を依頼されたことがある…

[気づきの日記帳01]いわゆる「いい企画」的なるものを形にすることからの脱却

[社会人2〜3年目の気づき] 企画という仕事が扱いにくいのは、その実態と全体像がわかりにくいこと。企画を仕事にすることに憧れを持って会社に入った人間であっても、自…

恵比寿映像祭、12年のひと区切

2021年、そのスタート以来担当していた仕事が節目を迎えました。2009年に第一回がスタートし、今も続いている東京都立恵比寿写真美術館のフラッグシップイベント「恵比寿映…

ICUのパーパスとICUのパーパス経営構造とICUにしかできないWeb表現

2018年に、縁あって、母校国際基督教大学の大学サイトのリニューアルを担当しました。大学卒業以降、コミュニケーション領域で積み上げてきた実績を評価いただいた上のお声…

NY TDCでの受賞。(NY Typo Directors Club)YouFabの8年の挑戦

2022年の3月30日に今年のニューヨークTypo Directors Club賞の受賞作が発表されました。FabCafeが主催するGlobal Award「YouFab」のポスターは、2部門でCertificate of Ty…

第3回奥能登国際芸術祭、この秋9月2日から開催されます。

第3回奥能登国際芸術祭が9月2日に開幕します。 前回開催が、コロナの影響で1年延期されたため、トリエンナーレでありながら2年のインターバルで第3回が開催される変則的…

強いアイデアのつくり方の本を書きました

久しぶりの投稿です。 ご無沙汰しておりました。 2014年に「なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本(通称なん…

広告デザイン界のトップスター大貫卓也さんがAR表現に挑戦したHiroshimaAppealポスターが体験できる。

広告の世界で育った僕たちにとって、大貫卓也という人は特別な存在です。永遠に超えることのできないと感じる壁であると同時に、同じ時代に広告世界を生きてきたことを嬉…

博報堂CCTOの任を終了しました

6月末をもって、博報堂CCTOの任を終了いたしました。2005年から約6年。激動の広告界の激動の未来にあわせたクリエイティブおよびクリエイターの対応力アップを担務に続けて…

[気づきの日記帳09]「いい箱をつくる」ブランディングと「価値を箱にためていく」ブランディング

[気づきの日記帳09]「いい箱をつくる」ブランディングと「価値を箱にためていく」ブランディング

[社会人10〜20年目の気づき]

インターネットが生まれて人々が自ら信じられる情報を探す時代が到来したことで、ブランディングと呼ばれる領域は、とりわけ重要になりました。生活者は、自分にとって価値のある、あるいは意味のある企業なのかどうかを目を凝らして見るようになりました。日頃の活動を通じてブランド価値を高め、選ばれる理由を確実に蓄積していけるかどうかが、企業が生き残れるかの分かれ目になっているの

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[気づきの日記帳08]僕たちは感覚渦巻く世界を生きている

[気づきの日記帳08]僕たちは感覚渦巻く世界を生きている

[社会人20年目の気づき]

僕たちは、感覚渦巻く世界を生きている。

なんか当たり前のことをカッコつけて言ってるようにも見えますが、このシンプルな気づきは、仕事の質を変える大きなものです。

クリエイティブなアイデアを生み出していくのに、重要なのは論理か感覚か。その議論は、いろんなところでされてきました。論理なく感覚的面白さだけを追求するクリエイティブなんて価値がないというストラテジーサイドの主

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[気づきの日記帳07]情報のリアリティとReason to Believe

[気づきの日記帳07]情報のリアリティとReason to Believe

[2000年〜2010年ごろの気づき]

80年代から90年代末にかけてマス広告の設計に関わっていた自分にとって、日々の業務の課題は、すでに高い効果を持っていたマスメディアのパワーを前提に、そこにどれだけ強く響くものをのせられるか、にあったのだと思います。インパクトって何?強く届くって何?目立つってどういうこと?もちろん担当する商品の商品性や特徴は前提としながら、兎にも角にも、情報の大海原で無視さ

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[気づきの日記帳06]クリエイターのメディア視点

[気づきの日記帳06]クリエイターのメディア視点

[2000年代の気づき]

マス広告全盛の時代。すべての仕事は、主要なマスメディアメニューにのっとって組み立てられていました。それがどんな業種のどんな商品やサービスであっても。TVCM、RCM、新聞広告、雑誌広告、ポスター(駅ばり、中吊り、ビルボード)。プレゼンを設計するクリエイティブ・ディレクターは、営業からの指示のもと、主要メディアメニューを全網羅したキャンペーン案でプレゼンする。それが日常で

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[気づきの日記帳05]インターネットの誕生が開いた体験の時代

[気づきの日記帳05]インターネットの誕生が開いた体験の時代

[2002年の気づき]

インターネットの商用利用が一般化し、企業のコミュニケーションに活用され始めたのが1990年代の後半。マスメディアを中心に回っていた広告の世界が今の時代の形に変化していく流れは、そのあたりから始まったのでした。世界のトップブランドは競うようにネット活用を模索し始め、2000年代に入る頃には、世界を驚かせるような活用事例が登場し始めます。

NIKE iDは、NIKEシューズ

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[気づきの日記帳04]「なぜ」を持たなければ「問い」は生まれない

[気づきの日記帳04]「なぜ」を持たなければ「問い」は生まれない

[社会人15年目の気づき]

長くアイデアを考える仕事をしてきて、仕事の価値を維持し続けられた大きな理由に、自分の「なぜ」との向き合いがあると感じます。自分の「なぜ」に素直に向き合ってきたこと、未解決の「なぜ」を放置しないようにしてきたこと。だからこそ、自分が今でも仕事ができている。キャリアを積んでいきながら、多様で難しい課題に答えれば答えながら、その重要性に気づかされてきたのです。

私たちは、

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[気づきの日記帳03]企画の数の目標設定って、意味があるんだ

[気づきの日記帳03]企画の数の目標設定って、意味があるんだ

[社会人2年目の気づき]

前回の記事02で、企画を考える基本の話に触れて文章を終えました。

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」
であるなら、優れた企画を生むためには、
1.どれだけ幅広い領域のネタを頭に格納しておくか
2.格納された要素を縦横無尽に組み合わせる柔らか思考をどう育てるか
3.誰も気づいていない組み合わせ=EDITを選び出す目を育てられるか
このシンプ

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[気づきの日記帳02]誰も見たことのないすごいアイデアなんて存在しない

[気づきの日記帳02]誰も見たことのないすごいアイデアなんて存在しない

[社会人2〜3年目の気づき]

「誰も見たこともない凄いアイデアをよろしく」
クリエイティブを仕事にしている人は、きっと一度はこんな言葉で仕事を依頼されたことがあるのではと思います。ある時は、クライアントのマーケティング責任者から、オリエンテーションの席で。またある時は、広告会社の古株CDから、競合プレゼンのキックオフミーティングで。それは、小さなアイデアに閉じこもることなく大胆な提案をしろ!とい

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[気づきの日記帳01]いわゆる「いい企画」的なるものを形にすることからの脱却

[気づきの日記帳01]いわゆる「いい企画」的なるものを形にすることからの脱却

[社会人2〜3年目の気づき]

企画という仕事が扱いにくいのは、その実態と全体像がわかりにくいこと。企画を仕事にすることに憧れを持って会社に入った人間であっても、自分のどんな能力が問われ、どんな技術を磨いていく仕事なのかはよくわからないものです。一般大学卒で企画の仕事に就いた者には、企画会議的なるものを授業でやった経験が少ない者も多く、その闇は一層深い。何を考えればマルなのか、何を出せれば正解なの

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恵比寿映像祭、12年のひと区切

恵比寿映像祭、12年のひと区切

2021年、そのスタート以来担当していた仕事が節目を迎えました。2009年に第一回がスタートし、今も続いている東京都立恵比寿写真美術館のフラッグシップイベント「恵比寿映像祭」。福田は、その立ち上げから12年、クリエイティブディレクターとして、そのブランドイメージ設計から毎年のクリエイティブの方向づけまで、丁寧に向き合い、集客のお手伝いをしてきました。

芸術祭的なイベントは、日本全国の数多くの美術

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ICUのパーパスとICUのパーパス経営構造とICUにしかできないWeb表現

ICUのパーパスとICUのパーパス経営構造とICUにしかできないWeb表現

2018年に、縁あって、母校国際基督教大学の大学サイトのリニューアルを担当しました。大学卒業以降、コミュニケーション領域で積み上げてきた実績を評価いただいた上のお声がけだったのだと思います。自分は、ICUにたくさんの無形資産をいただきました。本当にたくさんの。現在の自分の仕事を支える思考作法は、ICU在学中4年間にで育てられたものが核になっていると思います。なので、このリニューアルの依頼も、恩返し

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NY TDCでの受賞。(NY Typo Directors Club)YouFabの8年の挑戦

NY TDCでの受賞。(NY Typo Directors Club)YouFabの8年の挑戦

2022年の3月30日に今年のニューヨークTypo Directors Club賞の受賞作が発表されました。FabCafeが主催するGlobal Award「YouFab」のポスターは、2部門でCertificate of Typographic Excellenceを受賞。YouFabの受賞は、2018年のポスターが、D&AD2019で入賞、ONE SHOW-DESIGNで銀賞を受賞して以来3個

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第3回奥能登国際芸術祭、この秋9月2日から開催されます。

第3回奥能登国際芸術祭、この秋9月2日から開催されます。

第3回奥能登国際芸術祭が9月2日に開幕します。
前回開催が、コロナの影響で1年延期されたため、トリエンナーレでありながら2年のインターバルで第3回が開催される変則的運用となりました。第3回の開幕は、2023年9月2日。10月22日までの約40日間の開催となります。2015年の準備段階からコミュニケーション領域のサポートをしてきた777は、第2回終了後から程なくして第3回の準備に入っていました。 大

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強いアイデアのつくり方の本を書きました

強いアイデアのつくり方の本を書きました

久しぶりの投稿です。
ご無沙汰しておりました。
2014年に「なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人のなんとなくをなんとなくじゃなくする本(通称なんクリ)」という本を書いたのですが、この6月に、改めて強いアイデアのつくり方の本を書きました。内容は、その書き方も含め、前作を一新した内容になっています。

「科学者じゃない僕たちは想像力と妄想力と企画力とデザイン力で世界の未来と関わっ

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広告デザイン界のトップスター大貫卓也さんがAR表現に挑戦したHiroshimaAppealポスターが体験できる。

広告デザイン界のトップスター大貫卓也さんがAR表現に挑戦したHiroshimaAppealポスターが体験できる。



広告の世界で育った僕たちにとって、大貫卓也という人は特別な存在です。永遠に超えることのできないと感じる壁であると同時に、同じ時代に広告世界を生きてきたことを嬉しく誇りに感じる存在。これまでどれだけ、大貫さんの仕事集のページをめくってきたことか。

そんな大貫さんが、JAGDA、広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金が主催・実施している「ヒロシマ・アピールズ」の本年度版のポスターを作った。デジタ

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博報堂CCTOの任を終了しました

6月末をもって、博報堂CCTOの任を終了いたしました。2005年から約6年。激動の広告界の激動の未来にあわせたクリエイティブおよびクリエイターの対応力アップを担務に続けてきた仕事は、ここで一段落。引き続き777業務や大学教授仕事で忙しく動きながら、今年後半は、執筆により力を入れるなどこれまでとは違う業務にも力を入れていきたいと思っています。

博報堂仕事が終了したので、週前半の時間に多少の余裕がで

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