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歴ログ-世界史専門ブログnote版-

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はてなブログ「歴ログ-世界史専門ブログ-」のnote版です。 https://reki.hatenablog.com/ はてなブログに掲載していた記事の転載・再編集版を公開して…
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15世紀イタリア・チェンチ家のスキャンダル事件

15世紀イタリア・チェンチ家のスキャンダル事件

※本記事は徹頭徹尾胸糞悪い話ですので、そういった苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

15世紀~16世紀はイタリア・ルネサンスの黄金時代。

繁栄する工業や交易で上がる富を背景に、メディチ家のフィレンツェを筆頭に、ミラノ、ヴェネツィア、パルマ、フェッラーラなど諸都市で芸術や学問が花開きました。「チェンチ家の悲劇」は、イタリア・ルネサンスが終わりを迎えた16世紀末、1599年に起きたゴシップ事件です。

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16世紀ドイツ「黄金の歯を持つ少年」事件

16世紀ドイツ「黄金の歯を持つ少年」事件

1593年、神聖ローマ帝国のシレジア地方(現代のポーランド南西部)で、「黄金の歯を持つ7歳の少年」の存在が報告されました。

少年の名前はクリストフ・ミュラー。地元では奇跡として話題になり、多くの見物人が少年の家に押し寄せて騒動になっていました。この騒ぎを聞きつけたヘルムシュテットのユリウス大学医学部教授ヤコブ・ホルストは、これが本物であるかどうか調査に乗り出しました。

彼はミュラー少年の顎に実

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一度も敗けたことがないと言われる古代の将軍

一度も敗けたことがないと言われる古代の将軍

不敗神話が語り継がれる伝説の将軍人は「強さ」に惹かれます。
戦いの世界では「勝ち」は絶対的で、勝負に一度も敗けたことがないということは、その人物の絶対性を証明するものとなります。
歴史上にはその生涯で「一度も敗けたことがない」という人物が多くいます。
それが伝説なのか、全部の戦いで勝利していたのかは今となっては証明することは難しいですが、不敗神話が語られるほど人々に熱狂的に支持されたのは間違いな

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有名な建造物に仕掛けられたとんでもないイタズラ

有名な建造物に仕掛けられたとんでもないイタズラ

もうほとんどの方はお忘れかと思いますが、2014年に環境保護団体のグリーンピースが世界遺産のナスカの地上絵に侵入して荒らし、自分たちのスローガンを書き加えるというとんでもないことをやらかしました。

全くやり方は稚拙で弁護のしようもない連中ですが、誰もが知る有名な建造物や遺物に「ちょっと手を加えてみたい」という欲望はよく分かります。やっちゃいけないのはわかってるんですが。

京都の大文字焼きで、

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軍人として活躍した王の「庶子」たち

軍人として活躍した王の「庶子」たち

昔の王様はとにかく子だくさんでした。

死亡率が高かったからとか、信頼できる子をたくさん作っておきたいとか、子は多ければ多いほどいいという価値観とか、色々な理由はあったでしょうが、そんなわけで正妃以外の女性ともたくさん子を作りました。

側室や妾など正妃ではない女性から生まれた子は庶子と呼ばれ、時には本流の王を排除して王位に就くこともありましたが、王にはなれないことのほうが多いです。

そして中に

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南シナ海を荒らしたアジアの海賊たち

南シナ海を荒らしたアジアの海賊たち

かつて海賊のメッカと言えばカリブ海でした。

新大陸から金銀財宝を積んでスペインに戻る船を狙う海賊が跋扈し、海賊黄金時代を築き上げました。

最近だとソマリア沖、マラッカ海峡が有名です。石油タンカーや天然資源を積んだコンテナが狙われ、そのまま売っぱらわれることもあったし、身代金を要求されるケースもありました。ただしこの地域も国際的な警備の強化で出没数は激減しています。

さて、南シナ海は中国本土〜

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100年前に実在したヤバすぎるブラック職業

100年前に実在したヤバすぎるブラック職業

飲食、介護、運送、IT、保育士…。

激務なのに薄給で精神的にも追い詰められるという、ブラック職種の告発が後を絶ちません。

ブラック企業やブラック職種のようなものは、特定の条件が揃えば簡単に出現するものだと思うのですが、人口ピラミッドと産業構造の変化にも関わらず、高度経済成長時代の成功モデルから抜け出せない日本の構造的な問題が根本にある気がします。

では100年前のブラック職種はどのようなも

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「歴史上最も在位が長かった王は誰か」の論争

「歴史上最も在位が長かった王は誰か」の論争

この記事を書いている2018年9月現在、存命の国王の中で最も在位年が長いのが、イギリスのエリザベス女王です。

1952年に即位したので、現在で在位66年目。とんでもないですね。

これでも充分長いですが、歴史上はもっと在位期間が長かった王がたくさん存在します。ただし、記録上の在位期間が怪しいため、本当は誰が一番長かったのかはっきりせず議論になっています。

1. 現在確認されている最も在位が長い

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アフリカの民族の「秘密結社」の世界

アフリカの民族の「秘密結社」の世界

秘密結社という言葉は何かこう、ワクワクしませんか?

すごく遠い存在なようで、肌感覚的には理解できるというか。

小・中学校のときの「仲良しグループ」と近い気がします。

メンバー同士だけで通じる「合い言葉」があったり、いつも集う場所があったり。

裏切ったら追放されて、口を聞いてもらえなくなるし。

何となく分かるけど、じゃあアフリカの秘密結社とはどういったものか。

何か急に異世界ですね。遠す

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18世紀ヨーロッパの伝説的な変食パフォーマー

18世紀ヨーロッパの伝説的な変食パフォーマー

今は減りましたが、昔はテレビ番組でしょっちゅう「大食い選手権」をやっていたものです。

あれを毎週のように見せられるとうんざりしますが、ちょっと見るぶんには意外と楽しかったりします。

このような大食いや奇食のエンターテイメントは昔からあって、18世紀ごろには貴族のパーティなどに招待されてパフォーマンスをする著名な「奇食パフォーマー」が存在しました。

1. フランシス・バッタリーア(イタリア)

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【世界史】異常なほど肉を愛した肉食男子たち

【世界史】異常なほど肉を愛した肉食男子たち

「肉食女子」という言葉が登場したり、塊肉や熟成肉が人気の昨今ですが、

日本人が食べる肉と言えば、ウシ、ブタ、トリ、ヒツジくらい。

たまに、シチメンチョウとか、ウサギとか、ハトを食す機会があるくらいではないでしょうか。

歴史上の本当の「肉食家」たちは、なにをどのくらい食べていたのでしょうか。

3名の伝説的な肉食男子を紹介します。

1. ダイアモンド・ジム・ブレディー 1815-1916(ア

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世界史を変えたかもしれない“IF”の話

世界史を変えたかもしれない“IF”の話

歴史を学んでいると、どうしても「もし、この時こうなっていたら今の世界はどう変わっていただろう」と想像を膨らませてしまうことがあります。

もし明智光秀が本能寺の変を起こさなかったら

もしオスマン帝国がウィーンを攻略していたら

もしナチスが対ロシア戦を開始しなかったら

このような本当に一歩選択を変えれば、のちに全然違ったケースになったかもしれない出来事の話です。



1. イギリスが宇宙

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アメリカに実在するクレイジーな法律

アメリカに実在するクレイジーな法律

日本は飲酒運転が世界で最も厳しい国の一つです。この20年で急速に厳しくなりました。

海外ではまだまだ緩く、かなり飲んだ状態でクルマを運転しても何も言われないことも多く、日本の感覚でいたら結構ビックリします。

今回はアメリカに存在するクレイジーすぎる法律の数々を紹介していきます。

1. ニワトリは道路を横断してはならない(ジョージア州クイットマン)
ジョージア州クイットマンに現存する、「バカみ

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史上最も有名で美しい自殺写真

史上最も有名で美しい自殺写真

1947年5月12日に発刊された「LIFE」誌を飾った一枚の写真に、アメリカ中が騒然となりました。

その写真とは、24歳で簿記家のイブリン・マクヘイルがニューヨークのエンパイア・ステート・ビルから投身自殺をした時のもの。

死後の彼女の姿のあまりの美しさに「史上最も美しい自殺」と称される前代未聞の事件になりました。

イブリン・マクヘイルの投身自殺
1947年4月30日午前10時40分ごろ、

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