尾登雄平(世界史ブロガー・ライター)

世界史ブロガー・ライター。古代から現代まで世界史全般について書いたり話したりしてます。…

尾登雄平(世界史ブロガー・ライター)

世界史ブロガー・ライター。古代から現代まで世界史全般について書いたり話したりしてます。 著作 『驚きの世界史』(KADOKAWA) 『「働き方改革」の人類史』(イースト・プレス) YouTubeチャンネル http://youtube.com/@rekilog

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    激動のビジネストレンドを俯瞰する 「働き方改革」の人類史

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最近の記事

なぜアンコール・ワットは密林に埋もれたのか

アンコールワットの遺跡群は我々を魅了してやみません。 ご覧になっている方の中にも観光で訪れた人もいるでしょうし、いつかは行ってみたいとお思いの方もきっと多いでしょう。 19世紀にアンコールワットを西洋に紹介したフランス人も興奮気味にこう語っています。 ではなぜこのような寺院・都城は作られ、そして密林の中に埋もれて忘れ去られてしまったのでしょうか。 1. アンコールの地理と経済カンボジアは未だに人口の70%が農民でGDPの30%を農業が占める農業国です。昔から農業はカンボジ

    • 中世イタリアの「為替で儲ける方法」

      「楽していっぱい儲けたい」のは人類の永遠の夢であります。 世界史はそんな詐欺師が掃いて捨てるほどいるし、今でも「秒速で数億稼ぐ」とかうそぶくペテン師がもてはやされてしまうのですが、そういう強欲な連中はたいていそれ相応の十字架を背負うものです。一瞬で破産したり、不正取引で逮捕されたり、ライバルとの抗争の挙句殺されたり。 人自身はまったく発達しないわけですが、そのような「強欲さ」がテクノロジーやシステムを発達させてきたことは事実で、 本日のテーマである「為替取引」もそんな中世ヨー

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      • 結成理由がメチャクチャな十字軍遠征

        十字軍と言えば、1096年の第1回から1272年の第9回まで、アナトリア半島からエジプトの中東地域に十字軍国家支援のためにキリスト教徒軍が展開した一連の戦いが有名です。 ですが、一般的に十字軍とは「教皇が異教徒や異端の排除を呼びかけて結成される軍勢」であるため、中東地域以外に派遣された十字軍も数多くありました。 プロイセンと中心としたバルト地域に派遣された「北方十字軍」や、南フランスの異端アルビジョワ派を滅ぼすための「アルビジョワ十字軍」が有名です。 間違った教えを撲滅するこ

        • 有名なWW1のエースパイロット10名

          エースドライバーやエースパイロットはいつの時代でもモテるものですが、 航空機が発明され始めて大規模に戦争に投入された第一次世界大戦でもそれは同じでした。戦線で活躍したパイロットたちはマスコミに取り上げられて祖国でスターになり、帰国後はセレブリティの仲間入りができました。 欧州戦線で活躍し母国のスターになった、エースパイロットを紹介します。 1.マンフレート・フォン・リヒトホーフェンレッド・バロンと言えばオートバイの販売店を想起される方も多いと思いますが、これは第一次世界大戦

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          博多商人の歴史

          九州の政治・経済・交通の中心である福岡。 その中心である博多は、古来から大陸への窓口として機能してきました。 博多は商人の街として栄え、名だたる豪商を輩出し、日本の政治・経済の中枢をも動かしてきました。 1. 博多商人の誕生博多は古代から大陸の諸国家・諸地域と日本朝廷の窓口でした。 663年に白村江の戦いで唐・新羅連合軍に敗れた日本は、唐の日本侵攻を恐れ大宰府を置き政治・軍事の拠点とし、外交の中心として博多湾岸、現在の福岡城跡の近くに「鴻臚館(こうろかん)」を設置しました。

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          ロシア革命中の暴動・反乱・反革命事件

          社会統制のタガが外れると中央の政治抗争だけでなく、国内のあちこちで不満分子による反乱や少数民族などの分離運動が起こり、そこに外国勢力が入ってきてだんだん対立構造がねじれて複雑化していくものです。 1917年に起きたロシア革命がもたらした混乱も凄まじいものがあり、ロシア帝国の擁護者による反乱や、周縁部の少数民族による反乱や独立運動、諸外国の介入をもたらしました。 ソ連はあちこちで起こったそれらの混乱を赤軍の圧倒的武力でほぼ全て平らげていきました。 具体的にどのような混乱があった

          ロシア革命中の暴動・反乱・反革命事件

          ノストラダム以外にもたくさんあった「世界の終わりの予言」

          ぼくは子どもの頃、本気で1999年に世界が終わって自分も死ぬと思っていました。当時よくテレビでノストラダムスの特集をやってたからかもしれませんが、漠然とした恐怖感があったのを覚えています。 このような「◯◯年地球滅亡説」は実は太古の昔からあり、史上多くの子どもや大人をビビらせてきたのでした。 ということで、今回はこれまで唱えられてきた「世界の終わりの予言」をピックアップします。 1. 紀元前634年伝説によるとローマの建国は紀元前753年ですが、ローマの人々は建国120年

          ノストラダム以外にもたくさんあった「世界の終わりの予言」

          ちゃんと読むとスゴイ聖書の逸話

          聖書はそれ自体が聖典なので、疑問を挟む余地がない存在です。 5つのパンと2匹の魚で5000人を腹一杯にさせたとか、腐りかけた死体を復活させたとか、自身も死んで3日後に生き返ったとか、色々ミラクルはありますが、これはまあ、イエスの手柄だからいいんです。 ただ思わず読み飛ばしそうになるものの、よく読むと衝撃的なことが平気で書かれていたりします。 1. 神、人間とレスリングしてタップアウト負けする ヤコブはイサクの息子で、イスラエル民族の祖とされる人物です。 母リベカと共謀して盲

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          「労働時間」の誕生

          有史以前、文明が興る前から、人々は生きるために働きました。昔はおそらく、生きることと働くことの区別などなかったでしょう。 狩猟採集の時代はもちろん、農業や牧畜を発明して以降も、労働時間は季節に大きく左右されました。春になると土を掘り起こして種をまき、夏には収穫した麦を刈り取って脱穀し、秋には冬に備えて加工食品を作り、冬には服や靴を編んだり、農具の修理をしたりします。 このような働き方は地域・時代によっても大差ありません。人類は長い間、自然のリズムに合わせた働き方をしていま

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          ベトナムの英雄たちの救国の歴史

          ベトナムは勤勉で高い教育水準の国民が約1億人おり、中間層が著しく台頭しています。 ベトナム共産党一党独裁の社会主義国ではありますが、硬直したイデオロギー主義は採らずに市場主義を容認し製造業・サービス業・クリエイティブ業も発展を続けています。 現在は平和で安定的な国ですが、歴史上ベトナムは様々な外敵と戦い続けた血なまぐさい歴史を持ちます。 歴代の中国王朝、モンゴル、チャンパー、ラオ。近代に入るとフランス、タイ。反日武装闘争、対フランス独立戦争、そしてアメリカとの総力戦。

          ベトナムの英雄たちの救国の歴史

          なぜスターは国旗のモチーフになるのか

          スターの意匠は世界の国旗でお馴染みです。 自由主義陣営のお膝元アメリカのみならず、社会主義陣営の大親分ソ連もスターが入っていたし、イスラム諸国にも入っています。 どういうわけか思想や宗教を超えてスターの意匠は人気があって、敵対する勢力が同じ意匠を使っても気にしない。もしかしたら気になっているのかもしれないけど、自ら取り下げることはしないほどの強いシンボル性があるようです。 近代の「自由と解放」の象徴となっているスターの源泉を「フリーメイソン」思想から探っていきます。 1.

          なぜスターは国旗のモチーフになるのか

          19世紀の都市を荒らしたストリート・ギャング集団

          田舎と都市とでは概して都市のほうが治安が悪いものです。 田舎はお互い顔見知りだから、何か粗相をしでかすとすぐに悪評がたってそこに住めなくなってしまう。だから治安は案外いい。 しかし都会は基本的に知らない人しかいないから、凶暴性を抑制する規範や道徳が薄い。だから自分と異なるバックグラウンドを持つ人間同士の衝突が起こりやすくなる。 急速に都市化が進んだ地域に地方から大量に人が流れ込み、貧富の格差が広がり貧しい者同士で結束し相互扶助の組織が出来上がっていく。 特に貧しい若者はその不

          19世紀の都市を荒らしたストリート・ギャング集団

          ドッグフードの歴史

          ドッグフードが日本の家庭で一般的になったのは最近のことです。 1991年時点で日本のドッグフードの普及率は57.8%。これが2006年には「ほとんどのエサがドッグフード」という回答が約40%、「70~80%がドッグフード」という回答が約40%となっており、15年の間に大きく普及しました。 この普及率が犬の寿命の延びに現れています。日本獣医師会のレポートによると、1980年ごろの犬の平均寿命は3~4歳であったそうです。2000年代に10歳代に突入し、2016年の日経新聞の記事

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          世界に散在する謎だらけの古代文明

          世界史の教科書の一番初めは、アウストラロピテクスとかクロマニヨン人とかですが、その次は黄河文明、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、クレタ文明、アッシリア、ヒッタイト等々、古代世界のメジャーどころが名を連ねます。 ですが、このような古代文明もある時突然起こったわけではなく、彼らの前任者が何千年と文化・技術・言語・宗教・芸術を発展させた上で花開いたものであります。 ということで、今回はメジャーな文明が登場する前に存在した、謎多き古代文明をご紹介します。 1. ハ

          世界に散在する謎だらけの古代文明

          近代タヒチ史――タヒチの近代化とフランス植民地化

          タヒチはヨーロッパ人が到達するまで、複数の首長に統治された部族的な社会でした。 武器が持ち込まれるようになると、ヨーロッパ人の力を背景にしたタヒチ人による中央集権体制が出来上がっていきますが、やがて野心的なフランスに取り込まれていきます。 1. ヨーロッパ人が到達するまでのタヒチ 古代のタヒチは身分制社会で4階級に分かれていました。 アリイ・マロウラ … 神の子孫と称する支配階級 アリイ・リイ   … 小さな所領を持つ上位貴族階級 フイ・ラーティラ … 首領の領地を守る下

          近代タヒチ史――タヒチの近代化とフランス植民地化

          ラオス経済史

          ラオスは東南アジア、タイ、ベトナム、カンボジア、中国、ミャンマーに国境を接した内陸国で、国土の約70%が山岳地帯です。面積は23万6800平方キロメートル。人口は2021年時点で約733.8万人。本州よりやや小さい面積に、埼玉県の人口が住んでいる計算になります。 首都のビエンチャンと旧王都ルアンパバーンを除くと、豊かな自然の恵みから人々は食料を得てのんびりとした暮らしをしています。田舎に行くと電気、ガスが通っていないことも普通です。 ラオスは人民革命党が支配する社会主義国であ

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