尾登雄平(世界史ブロガー・ライター)

世界史ブロガー・ライター。古代から現代まで世界史全般について書いたり話したりしてます。…

尾登雄平(世界史ブロガー・ライター)

世界史ブロガー・ライター。古代から現代まで世界史全般について書いたり話したりしてます。 著作 『驚きの世界史』(KADOKAWA) 『「働き方改革」の人類史』(イースト・プレス) YouTubeチャンネル http://youtube.com/@rekilog

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「ポーランド分割」- 共和国ポーランドが消滅するまで

高校の世界史で必ず学ぶポーランド分割。 しかし、どういう背景があって、どのような経緯で分割されるに至ったかあまり詳しく知らないのではないでしょうか?なんかケーキのようにいつのまにか切り取られてお終い、みたいな印象です。 しかしポーランド分割はポーランドの構造的な問題から他国への干渉を招いた経緯もあり、またポーランド人も黙って分割されるのを見ていただけではなく、様々に改革の取り組みがなされ、それでも抗しきれずに国家消滅の憂き目に合うことになったのです。 1. 衰退するポー

    • 日本と中国の近代製糸工業発展史

      高齢化と内需の縮小を受け、多くの日本企業が海外に進出しています。 上手くいってる会社も多くありますが、開業時はまあ大変だっただろうと思います。 思うように資材が入手出来ない中で現地に工場を建て、意思疎通もままならぬまま現地の人を教育し、異なるビジネス習慣の中で操業にこぎつける。 なるべく工数をスキップしたいから、会社側はある程度現地住民にビジネスのノウハウがある場所に工場を建てたいところです。 ところが「技術移転」の難しいところは、会社側のやり方と現地のノウハウが全く相容れ

      • 黒猫はなぜ不吉とされるのか

        「黒猫が目の前を横切ると不吉」という迷信は一度は聞いたことがあると思います。 キリスト教圏の国々では、黒猫は長い間魔女伝説の迷信とセットになって考えられたため、不幸と厄災をもたらすとされました。一方で、イギリスの一部では幸運をもたらすシンボルと考えられてきたし、日本でも「夜でも目が見える」ことから商売繁盛や幸運のシンボルとなっていました。 歴史上、人々が黒猫をどのように認識してきたのかのあれこれを見ていきましょう。 1. 古代神話に登場する黒猫古代ヨーロッパでは、黒猫は不

        • ヒトラーが戦争勝利後に計画していた「世界新秩序」

          現代の世界は、第2次世界大戦の戦勝国主要5カ国・米ソ(露)英仏中を中心とした国際秩序で成り立っています。勝てば官軍の非常に分かりやすい国際秩序ではあります。 これは戦勝国である連合国が築いた国際秩序ですが、では負けた枢軸国が計画していた国際秩序とはどのようなものだったか。 あれだけデカい戦争をおっ始めたのだから、ヒトラーとナチスには戦争後にどのような世界を作り直すと具体的に考えていたのでしょうか。 1. 大ドイツ帝国の構築大戦勝利後、ナチスは「本来のゲルマン民族の土地」と考

        「ポーランド分割」- 共和国ポーランドが消滅するまで

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          ブルガリアの歴史

          ブルガリアと聞いて何を思い浮かべますか? ヨーグルトくらいじゃないでしょうか。 こと歴史になると、ほとんど何もしらない人が多いのではないかと思います。 ブルガリアはかつて、西はイオニア海、東は黒海、北はモラヴィアまでを支配する一大帝国を築き、ビザンティンとも台頭に渡り合った誇り高き歴史を持ちます。 1. トラキア人の王国ブルガリアの土地で活躍した民族で、文献に残る古い民族がトラキア人です。 トラキア人は単一の民族ではなく複数の部族の連合体で、セルディ、メディ、オドリュサイ

          移民と自由貿易で経済発展したアルゼンチンの光と影

          アルゼンチンと聞いて思い出すものは案外少ないんじゃないでしょうか。 "経済危機" "デフォルト" を思い出す人がいると思います。 実際、アルゼンチンは長期に渡る経済不振により、何度も債務不履行に陥っています。経済不振がまるで日常のような国です。 ところが実は、第一次世界大戦前までアルゼンチンは、積極的な移民の導入や自由貿易、インフラ整備によって未曾有の経済発展を達成。南米の成長をリードする経済新興国でした。 なぜそのような経済振興国が、経済不振が続く状況に陥ってしまったの

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          ブラジル近現代史――ブラジル帝国から現代ブラジルまで

          ブラジルのGDPは世界9位(2023年度)であり、天然資源や工業部門で世界経済に占める割合は大きなものがあります。 日本人の移民の歴史も長く、3世や4世の日系人が日本で就職するケースも多く、人的な結びつきも強い国です。にも関わらず、ブラジルの歴史というのはあまりにも馴染みがありません。 今回はブラジルがポルトガルから独立した1822年から20世紀までの歴史を、全4回に渡って追っていきたいと思います。 1. 独立の英雄・皇帝ペドロ一世 ブラジルは長い間、ポルトガル帝国の海外戦

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          史上最凶の大気汚染・1952年のロンドンスモッグ

          ロンドンは温暖化対策やリサイクル政策などで世界の先端を行く「エコ・シティ」です。 2012年のロンドン・オリンピックでは「環境に配慮したオリンピック」がテーマだったし、行政のエコロジー政策と民間レベルでの環境保護意識は世界のお手本となるべきものです。 現代のロンドンがこのような環境保護意識が高いのも、かつての苦い経験があってのことに違いありません。 1952年12月に発生した大規模なスモッグは、5日間の間ロンドン市を襲い、これにより少なくとも4,000人が死亡、10万人が肺や

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          昭和経済史⑤アメリカ占領下の日本経済

          昭和経済史の5回目です。前回はアジア太平洋戦争下での戦時経済をまとめました。今回はGHQ占領下での日本経済をまとめていきます。 1.GHQによる改革GHQによる占領体制は、これまでの日本政府と行政機構を解体してしまうのではなく、温存させ占領軍の政策を、日本政府を通じて実行させるという間接統治に決まりました。1945年9月2日に東京湾上の戦艦ミズーリで降伏調印が行われ、連合軍が日本に上陸し、日本の占領統治が始まりました。 降伏直後のアメリカ軍の日本統治の方針は、「軍隊の解体

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          なぜカナダ国旗は「カエデの葉」が描かれているのか?

          世界には様々な国旗がありますが、植物があしらわれているデザインがいくつかあります。 例えば、レバノン杉が中央に描かれたレバノン国旗や、サボテンが描かれたメキシコ国旗。オリーブや月桂樹の葉が描かれた国旗も多いです。中でもパッと思いつくのがカエデの葉が描かれたカナダ国旗。スポーツの国際大会などですっかりおなじみですが、この旗が初めて登場したのは1965年で比較的新しいのです。 実はこの旗に決まるまでは、様々なデザインが提案され国を二分するほどの侃々諤々の議論がなされ、ようやく

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          なぜ海賊旗はドクロのデザインなのか

          黒字に骸骨、そして骨と言えば子どもでも「海賊の旗」だと知っています。 見るからに「危険」「近づくな」と言わんばかりのおどろおどろしいデザイン。 転じて、このデザインは「危険物輸送中」とか「付近に地雷あり」のような意味を知らせるサインになったりしています。 日本では「海賊旗」という身も蓋もない呼び方をされますが、英語だとこのデザインは「ジョリー・ロジャー」という名前で呼ばれます。 このデザインはいつから使われ、なぜ使われ、かつなんでジョリー・ロジャーなのか、というのが今回

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          「カンボジア暗黒時代」アンコール王朝崩壊後の歴史

          カンボジアの歴史と言ってすぐに思いつくのが、「アンコール王朝」と「ポル・ポト」だと思います。 前者はカンボジアの栄光の時代で、後者は悲劇の時代という点で、人々の関心を惹きつけてやみませんが、その他のカンボジアの歴史はあまり日が当らない傾向にあります。 15世紀から19世紀までのクメール王朝は、国家の基盤を農業から交易に移し、豊かな資源を背景に再度国力を広げようとしますが、内乱や分裂で国内がまとまらず、また東から迫るベトナムと西から迫るタイの間に挟まれてしまいます。 カンボジ

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          昭和経済史④アジア太平洋戦争中の経済

          昭和経済史の第4回目は、アジア太平洋戦争中の経済です。 前回では戦時統制3法が成立し、資源や国民の労働がすべて軍事に活用できるように制度が構築されていった様ををまとめました。 今回はアジア太平洋戦争中、初戦の勝利から敗北までの軍需産業の経済がどのような過程を経ていったかをまとめていきます。 1.アジア太平洋戦争開戦東條内閣はギリギリまでアメリカと交渉を試み、石油の輸入解禁と引き換えに南部仏印の北部への撤退といった案を出しますが、これまで散々やらかした挙句に出した「妥協」

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          後期アユタヤ王朝の歴史

          アユタヤ王朝は前期と後期に分かれます。 前期は初代ウートーン王の時代から、ビルマによって首都が陥落し傀儡政権の地位に落ちた時代までで、1351年から1593年。 後期は対ビルマ独立戦争を勝利に導いたナレースワン王の時代から、再び宿敵ビルマによって首都アユタヤが破壊されて滅びるまで、1593年から1767年までを指します(前期後期の定義は諸説あり)。 さて、ナレースワン王から始まる後期アユタヤは、国際貿易によって首都アユタヤは大いに栄え、世界各国の人間が行き交う非常にコスモポ

          実現する?夢の国際海底トンネル

          LCCの登場で、海外移動が随分と安価で気軽になりました。昔だと10万円近くかかった路線も、2~3万で行けたりします。 そんな航空機黄金時代の現在ですが、いまだに「国際鉄道」への期待と憧れは大きいものです。 中国が国家の威信をかけて取り組む「一帯一路」構想もあり、大陸間横断鉄道が強力に推進されています。コスト的に見合うのかはなはだ疑問ですが、広大な領土を持つ中国は国際物流を活性化することで地方の発展を促すという至上命題があるに違いありません。 そしてそんな国際物流のカギを握

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          昭和経済史③国家統制経済の構築

          昭和経済史の第3回目は、アジア太平洋戦争直前の経済です。 前回では高橋是清の積極財政で世界恐慌と金解禁の混乱から脱出し、様々な産業や技術が発展していったものの、軍部の台頭により経済活動と国民の活動が次第に抑制されていく流れをまとめました。 今回は戦時体制という緊急事態時にどのような経済体制がとられていたかと、国民生活はどのようなものだったかをまとめていきます。 1.経済統制・国家総動員体制へ1937年7月、盧溝橋事件での日中両軍の衝突をきっかけに日本は華北に戦線を拡大し

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