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読んでためになる無料マガジン

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心がほっこりしたり、背筋がピンと伸びたり、「あー、この記事に会えてよかった」「出会えてよかった」と思える無料記事のまとめ
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#エッセイ

ゾウに触れる、輪郭が溶ける

ゾウに触れる、輪郭が溶ける

スリン象祭りに運営側として携わっている間に、調査先のゾウが倒れた。
博論執筆に向けた長期のフィールドワークを開始して、もう一年以上が経つ。その間に得た経験から言えば、自分の体重を支えることが出来なくなったゾウに残された時間は長くない。

だが、あれから約三週間。彼女はまだ生きている。いま私の目の前で息をしている。

それでも、日に日に死前臭が強くなっていく。内臓が徐々に機能しなくなりつつあるのだ。

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海外在住の友人にお願いしてはいけないこと

海外在住の友人にお願いしてはいけないこと

大人になってから、日本に住んだのはたったの1年4ヶ月で、それ以外は海外だった私。(*現在はアメリカ東海岸在住です)

日本に帰るときはフェイスブックやなんかで繋がっている友人(と呼ぶには会ってない時間が長すぎる)たちに ”お願い!” と言われることがたまーーーーーーにある。独身の頃のお願いは ”今度帰ってくる時アレ買ってきて!”系のお願いがほとんどで、お土産を兼ねて喜んで買って帰っていたが、結婚し

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NetflixファンからNetflix Japanへ

NetflixファンからNetflix Japanへ

Netflixって最高ですよね。

自分は大袈裟じゃなく毎日暇さえあればNetflix作品をチェックしているNetflixの大大大ファンです。
『ミッチェル家とマシンの反乱』のような最高のエンタメ作品に夢中になったり、『みんなのアメリカ 〜私たちが社会をつくる〜』で政治や人権について学んだり、『ヘッドスペースの安らぎガイド』でリラックスしたり...今やNetflixは単純な娯楽を超え、生活を充実さ

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何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生捨てたもんじゃない。

何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生捨てたもんじゃない。

34も齢を重ね、いよいよ35へと向かう途上にあって、またつまらぬ歳を取ってしまった風情だけれども、昔は誕生日ケーキを前に可愛らしい願い事や分不相応な抱負を吹いていたのが、今は一年間を家族友人と共々無事に生きてこれたこと自体にただただ喜びと感謝を覚えるばかりである。

生きているだけで幸せが保証される世の中でなくとも、生きていること自体が奇跡であることに変わりなく、その奇跡を元素レベルまでとことん還

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「堂々としてるんですね」と言われた話

「堂々としてるんですね」と言われた話

日本では自慢する子は嫌われる

もうかれこれ6年も前になる。当時現地の日本語補習校の教諭の仕事をしていたのだが、現地に日本の某大企業が進出することになり、補習校に複数の生徒が一度に入学してきた事があった。

私は4年生の担任だったが、私のクラスにもなおちゃんという子が入学してきた。同級生の帰国が相次ぎ、クラスにはさわこちゃん一人しか残っていなかったので、私も父母も子供も大喜びだった。そして時を同じ

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ボルボを買った話が、とんでもねえ翻訳で希望に変わるまで

ボルボを買った話が、とんでもねえ翻訳で希望に変わるまで

2週間とちょっと前に「全財産を使って外車買ったら、えらいことになった」というnoteを書きました。タイトルで、話がほぼ終わっとる。

年の瀬のクッソ寒くて、クッソ忙しいなか、80万人が読んでくださいました。そして、サポートという応援のお金が1500人から届きました。

令和のクリスマスキャロルは、ここにあったんや……!

「おもしろいやんけ」と思ってくださった気持ちが、天にも届いたのでしょうか、普

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全財産を使って外車買ったら、えらいことになった

全財産を使って外車買ったら、えらいことになった

12月19日 追記
こちらの記事が、とんでもねえ経緯と熱量で、英語ほか10言語に翻訳されました!
英語翻訳された奇跡の舞台裏note
英語翻訳版の記事

全財産の内訳は、大学生の時からベンチャー企業で10年間働いて、したたり落ちるスズメの涙を貯め込んだお金と。

こんなもん、もう一生書けへんわと思うくらいの熱量を打ち込んで書いた本の印税だ。

それらが一瞬にして、なくなった。

外車を買ったからだ

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ファクトで押さえる「日本の移民問題」。在留外国人300万人時代をどう捉えるか

ファクトで押さえる「日本の移民問題」。在留外国人300万人時代をどう捉えるか

外国人労働者の受け入れ拡大が始まる今日だからこそ今日、2019年4月1日に改正入管法が施行されます。「特定技能」の新設によって向こう5年間で新たに最大34.5万人の外国人労働者の新規受け入れが見込まれています。

ですが、このタイミングだからこそあえて言いたいことは、特定技能だけを見ていても日本の移民政策、日本の移民問題の全体像を理解することは不可能だということです。

ニュースは常に全体ではなく

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弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった

弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった

高校から帰ったら、母が大騒ぎしていた。
なんだなんだ、一体どうした。

「良太が万引きしたかも」

良太とは、私の3歳下の弟だ。

生まれつき、ダウン症という病気で、知的障害がある。
大人になった今も、良太の知能レベルは2歳児と同じだ。

ヒトの細胞の染色体が一本多いと、ダウン症になるらしい。
一本得してるはずなのに、不思議ね。

「良太が万引き?あるわけないやろ」

ヒヤリハットを、そういう帽子

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最愛の母に「死んでもいいよ」と言った日

最愛の母に「死んでもいいよ」と言った日

「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」

大好きな母に、私が放った言葉です。
高校2年生の時でした。

ひどい娘だと思いますよね。
私もそう思います。
でも、母を救う唯一の言葉でした。
それしか見つからなかった。

話は少しさかのぼりまして。

私が中学2年生の時、父が突然死しました。
働きすぎによる、心筋梗塞でした。

父は建築系ベンチャー企業の経営者で、めちゃくちゃカッコいい存在でした。めちゃく

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男と女の友情は成立するのか

男と女の友情は成立するのか

この永遠のテーマと思える命題について、ズバリ!答えてみました。誰にも聞かれてないけど。

まず、どんな人がこの疑問を持つかと言うことです。例えばですね、私は今日、民生委員の引き継ぎに行ってきたのですが、その引き継ぎの前任者の中田さん(高齢の男性)を相手として

男女の友情って成り立つんだろうか

なんて、突然考えませんね。それから、この年末に会う予定になっている同級生数人(全員既婚者の男)を相手と

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悔しい思いよりも恥

色々悔しい思いは味わう。

単に自分が上手くできなかった。

その上、それ必要?と思うような揶揄や嘲笑を受ける。

当然上手くできるようになって見返してやる!と感じる。

でもあんまり長続きしない。私の場合。

それより。

恥ずかしい思い。

これを怖がらない。

なんて横着な戦略だと我ながら感心する。

上手くやれるように頑張るのって。。。しんどいのよね。。。

綿密に計画立てて一段一段登って

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40代のセックス、50代の恋愛

40代のセックス、50代の恋愛

うちにバイトに来ていたKちゃんは恋愛が途切れない。
好きな人ができると大抵その人と付き合うことができる。なんという才能。でも1年くらいで別れる、その2ヶ月後くらいにはまた好きな人ができて、大抵付き合うことができるのだが、1年後にはまた別れて...というのを延々と繰り返している。なんだー、遊び人か〜、と思いきや、見事に全部真剣なのだ。
バイト中に恋愛の悩みを聞くので、私も先輩らしくいちいちアドバイス

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【日記/62】恋愛系メディアのそもそも系コンテンツ

【日記/62】恋愛系メディアのそもそも系コンテンツ

最近思ったのだけど、「恋愛系メディア」に「そもそも系コンテンツ」が増えているのではないか、とかんじる。

「恋愛系メディア」はいいとして、「そもそも系コンテンツ」とは完全なる私の造語なのだけど、例えばどんなやつが「そもそも系コンテンツ」かというと、以下の記事のようなやつだ。

ケコーン:「縄文人は結婚していたのか?」縄文時代を愛する男がたどる「1万年の足跡」

AM:恋愛は人類の進化がつく

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