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#エッセイ
ゾウに触れる、輪郭が溶ける
スリン象祭りに運営側として携わっている間に、調査先のゾウが倒れた。
博論執筆に向けた長期のフィールドワークを開始して、もう一年以上が経つ。その間に得た経験から言えば、自分の体重を支えることが出来なくなったゾウに残された時間は長くない。
だが、あれから約三週間。彼女はまだ生きている。いま私の目の前で息をしている。
それでも、日に日に死前臭が強くなっていく。内臓が徐々に機能しなくなりつつあるのだ。
何かいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで人生捨てたもんじゃない。
34も齢を重ね、いよいよ35へと向かう途上にあって、またつまらぬ歳を取ってしまった風情だけれども、昔は誕生日ケーキを前に可愛らしい願い事や分不相応な抱負を吹いていたのが、今は一年間を家族友人と共々無事に生きてこれたこと自体にただただ喜びと感謝を覚えるばかりである。
生きているだけで幸せが保証される世の中でなくとも、生きていること自体が奇跡であることに変わりなく、その奇跡を元素レベルまでとことん還
弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった
高校から帰ったら、母が大騒ぎしていた。
なんだなんだ、一体どうした。
「良太が万引きしたかも」
良太とは、私の3歳下の弟だ。
生まれつき、ダウン症という病気で、知的障害がある。
大人になった今も、良太の知能レベルは2歳児と同じだ。
ヒトの細胞の染色体が一本多いと、ダウン症になるらしい。
一本得してるはずなのに、不思議ね。
「良太が万引き?あるわけないやろ」
ヒヤリハットを、そういう帽子
最愛の母に「死んでもいいよ」と言った日
「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」
大好きな母に、私が放った言葉です。
高校2年生の時でした。
ひどい娘だと思いますよね。
私もそう思います。
でも、母を救う唯一の言葉でした。
それしか見つからなかった。
話は少しさかのぼりまして。
私が中学2年生の時、父が突然死しました。
働きすぎによる、心筋梗塞でした。
父は建築系ベンチャー企業の経営者で、めちゃくちゃカッコいい存在でした。めちゃく
【日記/62】恋愛系メディアのそもそも系コンテンツ
最近思ったのだけど、「恋愛系メディア」に「そもそも系コンテンツ」が増えているのではないか、とかんじる。
「恋愛系メディア」はいいとして、「そもそも系コンテンツ」とは完全なる私の造語なのだけど、例えばどんなやつが「そもそも系コンテンツ」かというと、以下の記事のようなやつだ。
ケコーン:「縄文人は結婚していたのか?」縄文時代を愛する男がたどる「1万年の足跡」
AM:恋愛は人類の進化がつく