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M.ハイデッガー 『存在と時間』(細谷貞雄訳) 上 筑摩書房、1994 第3節、第4節概要
第三節 存在問題の存在論的優位
・前節で問いの形式的構造から存在への問いの性格を明らかにした結果、問いが特有なもので、その解決には一連の基本的考察が必要の必要性が判明した。
・問いの動機、意図、機能を見渡すことで存在への問いの格別さがわかる。
存在への問いを反復する必然性は、まずその問いの由緒正しさ(古さ?普遍性?)に始まり、その答えの曖昧さと十分な問題設定が行えていないことに動機づけ
遠藤周作『沈黙』―将来の救済を信じる者は眼前の苦難をどう捉えるか―
突然の苦難が襲ったとき、神による将来の救済を信じる信仰者は何を考え、どう生きるのか。このテーマの探究はユダヤ教・キリスト教の聖典とされる旧約聖書に収められている『ヨブ記』にはじまり、ごく最近ではテッド・チャンの短編SF作品でも取り上げられている。 キリスト教神学においては普遍的なテーマであり、カトリック作家遠藤周作もまた、このテーマを中心に据えた『沈黙』という作品を著している。この「将来の救済を
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