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綱渡鳥@目指せ学芸員2.0
2021年3月6日 23:36
1、日本刀レビュー88今回はディアゴスティーニの『週刊日本刀』88号をご紹介します。ちなみに前回はこちら。2、刀匠の盛衰は権力者次第巻頭の【日本刀ファイル】は同田貫次兵衛。といいつつ掲載作は大身槍という穂の長さが1尺以上ある槍先です。同田貫は肥後国の豪族、菊池氏のお抱え刀匠だった延寿派の出身で加藤清正が領主となった際に自らの名を与えて「正国」と「清国」とした刀工から発展
Theopotamos (Kamikawa)
2021年2月25日 18:45
先日、民俗学研究者・澤田四郎作の日記の翻刻もされている磯部先生のTwitterで渋沢敬三が運営していたアチック・ミューゼアムの来訪者リストがウェブで閲覧できるということを知った。この来訪者リストは以下のページより閲覧ができる。この来訪者リストは、アチック・ミューゼアムの例会の日付とその際の参加者が記載されているが、リストを確認しているとアチックと関連があったとよく言及される人物、私の知ら
マナビ研究室
2021年2月4日 08:29
14世紀北イタリアにある架空の世界最大級図書館で起きる謎ときが主題の「薔薇の名前」。ストーリーは、著者と思われる学者が古書店で偶然見つけた写本として語られます。学者(研究者)が小説という空想本をあたかもリアルの様に見せかけるための入れ子構造が、この小説にはある。どういうことなのか考察してみたい。(小野堅太郎) 研究は積み重ねである。 一人の研究者人生で万物のあらゆるものを解き明かすことは
2021年2月15日 18:18
昭和初期に活動していた下出隼吉は社会学の研究者として知られており、吉野作造、尾佐竹猛、小野秀雄、藤井甚太郎などが参加していた明治文化研究会にも所属していた。『下出義雄の社会的活動とその背景』(唯学書房, 2018年)に収録されている「下出書店と杉原三郎」朝井佐智子によると、隼吉の父・下出民義は明治文化研究会に資金援助していたようである。下出民義は愛知県を中心に活動していた実業家で、貴族院議員もつ
2021年2月8日 08:33
「薔薇の名前」以後の14世紀半ばから15世紀半ばまで、ヨーロッパはイギリス王とフランス王との百年戦争に入る。この騒動の中でのペスト(黒死病)のパンデミックと農民の反乱。ようやく落ちついた1473年、ポーランドでニコラウス・コペルニクスが生まれる。「天動説から地動説」という科学の大きな転換期について概説する。(小野堅太郎) 街灯のない時代、夜は闇に包まれる。満点の星空を見上げて、眠れない古代の
武内和人|戦争から人と社会を考える
2021年2月9日 22:15
国際法の歴史をさかのぼると、かなり長い時期にわたって戦争が合法的な行為であると考えられてきたことが分かります。「国際法の父」とも称されるオランダの法学者フーゴー・グロティウス(1583~1645)は、戦争は権利の侵害に武力で対抗する手段として許容されなければならないことを著作『戦争と平和の法』(1625)で論じていました。国際法で戦争が初めて違法であると宣言されたのは、この著作が出されてから3
枢密院勅令
2020年10月26日 20:48
「緊急事態」と聞くと、何を思い描きますか? 2020年コロナ禍以前なら、自然災害を思い描いた人が多かったのでは無いだろうか。皆様もご存知の通り伊邪那岐命と伊邪那美命が不動産屋に騙されて以来、我が日本はスナック感覚で自然災害に見舞われる立地にあり、我が国の緊急事態法制も概ね自然災害を想定したものが多い。自然災害の発生には「人間の悪意」は介在しない。阪神淡路大震災にしても、東日本大震災にしても、誰かが
みんなの世界史
2020年11月11日 23:35
「大航海時代」というネーミングは適切か?「大航海時代」を辞書で引くと、次のようにある。大航海時代 15世紀から17世紀前半にかけて、ポルトガル・スペインを中心とするヨーロッパ諸国が地球規模の遠洋航海を実施して新航路・新大陸を発見し、積極的な海外進出を行った時代。バスコ=ダ=ガマのインド航路開拓、コロンブスのアメリカ大陸到達、マゼランの世界周航などが行われ、世界史上に、近代植民地体制の
2020年10月21日 20:55
サハラ以北の北アフリカでは、1951年に早くもリビアが敗戦国のイタリアから独立した。そして1956年にはイギリスとエジプトの支配下にあったスーダン、そしてフランスの支配下にあったモロッコとチュニジアが独立する。しかし、アルジェリアが独立するには、フランスと厳しい戦争を経る必要があった(アルジェリア独立戦争)。アルジェリアには、植民地化された1830年以降、すでにフランス人の入植者がたくさん暮
2020年10月13日 21:47
政治史を研究していると、現代の先進国のような形態の国家が西欧で見られるのは比較的最近のことだったことに気が付きます。特に19世紀より前の時代の国家においては、紛争を平和的に解決する司法システムが十分に機能しておらず、内乱やクーデターが起こることも珍しくありませんでした。政治的な変動に伴って武装勢力が出現し、軍事的な衝突が起こる事態は、今の先進国の政治では考えにくいことですが、古代から近世までの