綱渡鳥@目指せ学芸員2.0

中世考古学が専門の行政内研究者。夢は晴耕雨読。歴史文化の価値が高まる社会の実現を目指す…

綱渡鳥@目指せ学芸員2.0

中世考古学が専門の行政内研究者。夢は晴耕雨読。歴史文化の価値が高まる社会の実現を目指す。仕事ポートフォリオ:自治体学芸員として【松島町歴史文化基本構想】考古学者として 【2018「中世」『宮城考古学』20】

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

第1回 自己紹介

はじめまして綱渡鳥(つなわたりどり)と申します。 このハンドルネームは大学生の頃から使っていて愛着があります。 別に実名を出しても困ることはないのですが、ネット上での名乗りはこちらの方がしっくりくるので、こちらを使わせていただきます。 どうしても実名をお知りになりたければ連携しているFacebookをご参照ください。 1 立ち位置の説明中世考古学が専門の行政内研究者です。 言葉の意味を少し説明しますと、 考古学はモノから歴史を研究する学問です。 日本で言うと中世

    • 番外編 ビブリオバトルに出演します!

      1、初挑戦ってわくわくする 実は人生で初めてビブリオバトルに挑戦します。 読書好きの人たちの前で、自分の好きな本の良さを語る、 そんな夢のようなイベントに参加できることに、 今からワクワクが止まりません。 今回はその発表原稿の下書きを兼ねて、取り上げる本の紹介をしていこうと思います。 辻村深月『東京會舘とわたし』 2、語り継がれる魅力 辻村深月さんは1980年生まれで、ちょうど私と同世代。 今年がデビュー15周年という、多くの人に愛された作品を生み出したベテ

      • 第1486回 2024/7/11〜20の歴史ニュース

        1、梅雨に負けない 連日暑い日が続きますね。 関東甲信は梅雨明けしたそうですが、東北はまだ足踏み状態です。 夏本番の暑さも怖いですが、湿気の多いのもつらいです。 なんとか乗り切っていきましょう。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこちら。 2、ニュースヘッドライン ①福岡県北九州市の初代門司駅遺構の取り壊しに対し、イコモスが声明文 R6 ②群

        • 第1485回 戦争遺跡の可能性

          1、考古学研究の紹介から 『考古学研究』71巻1号 通巻281号 2024年夏 この中でシンポジウム「戦争遺跡の保存と活用」参加記(髙田健一)が掲載されていました。 個人的に関心の高いものでしたので、こちらを紹介しつつ、いま考えることを付記しておきたいと思います。 2、戦争遺跡を考古学する このシンポジウムは2024年2月11日に島根大学で開催されたものです。 島根県出雲市の旧海軍大社基地遺跡群の保存運動が契機となって企画され、基調講演と事例報告4本の後、デスカッ

        • 固定された記事

        マガジン

        • 読書記録
          378本
        • 週間歴史にゅーす総まとめ
          261本
        • ミュージアム見学
          35本
        • 文化財調査報告書
          73本
        • 日本刀
          106本
        • 狛犬探訪
          3本

        記事

          第1484回 2024/7/1〜10の歴史ニュース

          1、暑い梅雨 梅雨も終わる頃になって、ようやく今週はまとまった雨が続いています。 暑さも少しはやわらぎましたが、湿度が高いので不快指数は高いまま。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこちら。 2、ニュースヘッドライン ①京都府宇治の平等院で重要文化財の観音堂の修理 R6 C ②青森県南部町の隅ノ観音堂で江戸時代の「千匹絵馬」を確認 R3 ③アメ

          第1484回 2024/7/1〜10の歴史ニュース

          第1483回 日本動物考古学会第11回 山形大会参加記録

          1、動物と考古学 昨日こちらにお邪魔してきました。 日本動物考古学会 第11回 山形大会  於 東北芸術工科大学 会員ではありませんが、一般も聴講可能、ということでしたので。 2、個人的に興味をもった発表について 一口に「考古学」といってもそのカバーしている範囲は広く 細かく分野ごとに分かれて研究会を行なっていることが多いのです。 私なんて、宮城県の考古学者が集まる「宮城県考古学会」の中でも、中近世という時代を主たるテーマにする部会に所属しており、年に何度か遺

          第1483回 日本動物考古学会第11回 山形大会参加記録

          第1482回 2024/6/5〜30の歴史ニュース

          1、6月は省エネモード すっかり1ヶ月開いてしまいましたね。 個人的にはちょっと体調イマイチな時もありましたが なんとか6月を乗り切れた、という気持ちが大きいですね。 そうそう、鹽竈神社で茅の輪潜りもできましたし。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこちら。 2、ニュースヘッドライン ①鹿児島県で公文書館設置に向け議論 R3 ②富山県南砺市の

          第1482回 2024/6/5〜30の歴史ニュース

          第1481回 漢詩で歴史を語る

          1、読書記録352 今回ご紹介するのはこちら。 揖斐高2024『頼山陽 詩魂と史眼』岩波新書 以前もご紹介した、瑞巌寺老師の漢詩の講座を受けて 頼山陽という人物に関心を持ったのでまさにタイムリーな本でした。 2、今回は漢詩よりも歴史 本書は副題の通り、漢詩と歴史叙述の二つの側面から頼山陽という人物を分析していきます。 前回は漢詩のところで触れたので、今回は歴史叙述家としての部分について、 個人的に面白かったエピソードをいくつか挙げると、 まずは読書家ではあり

          第1481回 漢詩で歴史を語る

          第1480回 大シルクロード展に行ってきた

          1、ギリギリまで行くか迷っていたけれど 先日、東北歴史博物館で開催されていた 「大シルクロード展」に行ってきました。 大盛況であることは聞いていましたし、もう終了間際(6月9日まで)ということもあり、大混雑を覚悟していました。 平日の夕方、ということもありそれほどでもない、という印象でした。 写真撮影可、ということでしたので、撮影してきたものをいくつかご紹介しながらレビューをしていこうと思います。 2、見どころいっぱい まずはこちら。 西安で発掘されたソグド人

          第1480回 大シルクロード展に行ってきた

          第1479回 2024/5/28〜6/4の歴史ニュース

          1、安全第一でいこう 5月は忙しく過ぎ去って、いつのまにかもう6月。 ラジオからは一年の半分が…という穏やかでないワードも聞こえてきました。 個人的には6月は運気が下がりがちなので、より一層注意を払っていこうかと思います。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこちら。 2、ニュースヘッドライン ①三重県多気町の郷土資料館で資料収集方針を明確化 R5

          第1479回 2024/5/28〜6/4の歴史ニュース

          第1478回 江戸の旗本のお墓を掘る

          1、読書記録351 本日ご紹介するのはこちら。 竹内俊之編 2022『東京都新宿区 市谷柳町遺跡Ⅳ(緑雲寺旧寺域)』株式会社四門 お世話になった方からご恵送いただきました。 本稿ではご遺骨など生々しい画像は掲載しませんが、お墓の遺構写真は出てくるので、苦手な方はスクロールせずにここで閉じていただけると幸いです。 2、個人の歴史がここまで明確に 調査地点は牛込川田窪の谷筋で、牛込七軒寺町と呼ばれる境内地や大名の下屋敷などが散在する地域です。 延宝4~7年(1676

          第1478回 江戸の旗本のお墓を掘る

          第1477回 創建1300年記念に合わせた指定ラッシュ

          1、読書記録350 今回ご紹介するのはこちら。 月刊文化財 令和6年6月号 通巻729号 ◆新指定の文化財ー美術工芸品ー 今回のテーマは美術工芸品、ということもあり、指定件数は膨大なものとなりました。 2、多賀城フィーバー 国宝に指定されたものは 京都市大報恩寺 木造六観音菩薩像 木造地蔵菩薩立像 文化庁保管 和漢朗詠集         奈良県 金峯山神社 金峯山経塚出土紺紙金字経           (経箱と分割して国宝指定) 宮城県多賀城市 多賀城碑 三

          第1477回 創建1300年記念に合わせた指定ラッシュ

          第1476回 2024/5/19〜27の歴史ニュース

          1、ずっと体がいたい 今週は仕事で仙台城に登城して、休みの日にたまたまカフェに行ったら駐車場から何故か山越えして行かされたり、山城調査にでかけたりと 1日おきぐらいで足腰を使ってたためか、ずっと筋肉痛でした。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。 ちなみに前回はこちら。 2、ニュースヘッドライン ①鳥取県境港市で出土し、行方不明になっていた後期旧石器時代の人骨を発見

          第1476回 2024/5/19〜27の歴史ニュース

          第1475回 漢詩の勉強会②

          1、老師の人柄 瑞巌寺老師の漢詩講座第2回受講してきました。 ちなみに第1回目のレビューはこちら。 2、儒学者は当時の専門人材 今回は頼山陽にテーマを絞って紹介されました。 頼山陽(1781〜1832)は大坂生まれの思想家で『日本外史』という著作で知られています。 父の頼春水も儒学者として広島藩浅野家に仕えていますので、幼少期から英才教育を施されたのでしょう。 漢詩も散文も両方優れている者は稀だ、と老師は強調します。 例えば空海、弘法大師は散文は上手いが、漢詩

          第1475回 漢詩の勉強会②

          第1474回 2024/5/5〜19の歴史ニュース

          1、再発見しました 仕事の一つのヤマが終わりました。 と言っても私はサポート役を務めて講座の前座をやっただけですが せっかく専門家の方をお呼びして調査してもらったので、 しっかり成果が上がって、地域の方に還元できてホッとしました。 今月はまだ主担当の委員会と展示作業が一つ残っているのでまだまだ一息とはいきませんが、こなしていくしかありませんね。 さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと

          第1474回 2024/5/5〜19の歴史ニュース

          第1473回 川崎町の砂金氏

          1、読書記録349 今回ご紹介するのはこちら。 川崎町の文化財第13集「城館」 発刊したばかりの城館調査報告書です。 2、お城のことについては本書をご参考に 東北福祉大学名誉教授の吉井宏氏らを中心とした有志で調査した小野城と前川本城を中心に、本砂金城、前川城、大森山館、上楯城、小屋館山館、今宿清水城館遺跡の8件の城跡について遺された絵図、縄張図、赤色立体図などを駆使し、川崎町内の城跡について現在までの到達点を示した報告書。 また前段には元仙台市博物館市史編纂室長の

          第1473回 川崎町の砂金氏