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世界史&日本史、世界&日本をつなぐ公立高校教員。 通訳案内士(英語)。歴史を深く、わかりやすく翻訳。まずは総目次からどうぞ → https://note.com/sekaishi/n/nf718813a5362

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【全文無料】総目次 世界史/日本史のまとめ

基本コンセプト  昔と今を、今と未来をつなぐ。  世界の中の日本、日本の中の世界をつなぐ。  世界史を26ピースに「輪切り」にし、     深く、たのしく、わかりやすく”翻訳”する。 コンテンツの一覧【1】ゼロからはじめる世界史のまとめ(世界史×ゼロから) 【2】同時に学ぶ! 世界史と地理(世界史×地理) 【3】世界史のまとめ × SDGs(世界史×未来) 【4】"世界史のなかの" 日本史のまとめ(世界史×日本史) 【5】世界史の教科書を最初から最後まで(世

    • 【みんなの世界史】古代ローマはだれのもの? イタリア・フランス・ドイツ:記憶をめぐる対立

      このように語られることは、現代でも少なくありません。 たとえば18世紀後半の歴史家ギボンは、ベストセラー『ローマ帝国衰亡史』で次のように書いています。 ここで蛮族(ばんぞく)、つまり野蛮な民族とみなされているのはゲルマン人です。  当時のローマ帝国とゲルマン人の境界はリーメスとよばれた国境線があり、その近辺には軍団が配置されていました。現在のような国境線のようなものではありません。ドナウ川のレーゲンスブルグ上流から、ライン川のコブレンツまで、全長約600キロの堀と土塁が

      • 鄭成功とは、何者か? "今"と"過去"をつなぐ世界史 Vol.14

        "今"と"過去"をつなぐ世界史(14) 1500〜1650年  台湾に「開山王廟」という廟がある。  鄭成功(ていせいこう)という人物が、オランダを台湾から駆逐したのを記念して、死去した1662年に創建された祠だ。  その後、1875年には清朝の大臣によって新しい祠が建てられ、1895年に台湾が下関条約によって日本の統治下に入ると、その翌年には鄭成功を祭神とする神社に改変、その名も「開山神社」と変更された。  さらに第二次世界大戦後、ほかの神社と同様、取り壊しの対象となり

        • 歴史の言葉 No.25 「皿洗いは奴隷である」

          ジョージ・オーウェルの書いたものはたいてい好きでよく読んできたが、『パリ・ロンドン放浪記』は、なかでもとくに好きな作品だ。もちろんオーウェルは歴史家ではない。これは、体当たり貧困生活体験記とでもいうべき、ルポルタージュであるけれども、人々の披露する雑談や喧騒にふれながら、一種の「歴史体験」が味わえる、稀有な作品だ。 舞台は1928年から1931年にかけてのパリとロンドン。人物描写が素晴らしいのはいうまでもないが、その白眉はパリ編の末尾で展開される「皿洗いの哲学」だ(わたし自

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          鄭和(ていわ)は、なぜ何度もよみがえるのか? "今"と"過去"をつなぐ世界史(13)

          "今"と"過去"をつなぐ世界史(13) 1200年〜1500年の世界 死せる孔明、生ける仲達を走らすというように、英雄は何度もよみがえる。明代の宦官にして武将として知られる鄭和(ていわ)もその一人だが、よみがえりの形は、かならずしも生前のすがたそのものとは限らない。 史上の鄭和は、時の皇帝・永楽帝に見出され、大船団を率いて東南アジア、インド、セイロン島からアラビア半島、アフリカにまで7度にもわたり航海を成し遂げた人物である。 ムスリム(イスラム教徒)であった彼ならば、イ

          鄭和(ていわ)は、なぜ何度もよみがえるのか? "今"と"過去"をつなぐ世界史(13)

          歴史の扉 No.17 「K-POP」の世界史

          コロナ禍1年目、波が一瞬収束したそのタイミングで、たのしい遠足だというのに、生徒たちは「バス車内は静かに」との注意を行儀よく内面化していた。その座席から、つつましくささやく「Dynamite」が聞こえたとき、コロナ禍の鬱々がぱっと晴れるような心持ちがした。2020年、BTSの楽曲「Dynamite」が、アメリカ・ビルボードの総合チャート「ホット100」で初登場1位となった、ちょうどそのころである。いまだに高校生の間でもなかなかの人気であるが、世代の差もあって、それ以前のK-P

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          歴史の言葉No.24 リン・ハント『人権を創造する』 「彼らはわたしたちなのだ」

          18世紀に書簡体小説が欧米で流行した。ルソーの『ジュリ(あるいは新エロイーズ)』やサミュエル・リチャードソンの『パミラ』など、作者の視点のみによって書かれた小説ではなく、小説の登場人物の手紙をとおして、あたかも登場人物みずからが語っているかのように感じられる仕掛けをもった小説だ。 おなじ18世紀後半には、アメリカとフランスで革命が起きた。革命では、人間は平等であるということがうたわれた。それ以前にはなかった感性があらわれた。 なぜ革命の直前に、書簡体小説が流行したのか?

          歴史の言葉No.24 リン・ハント『人権を創造する』 「彼らはわたしたちなのだ」

          歴史の言葉No.23 川北稔ほか『路地裏の大英帝国』

          一昨年、「世界史独学のための100冊」という記事のなかで文庫化してほしいなあ、とぼやいていた『路地裏の大英帝国』が、なんと昨年2022年に平凡社ライブラリーから文庫化されていたことを、ようやく最近知った。 文庫版はまだ入手していないのだが、図版がふんだんに盛り込まれ、平易な言葉でヴィクトリア時代のイギリスの「路地裏」を描き上げる、まさに、今こそ読まれるべき一冊だ。 どの章もおもしろいが、もっとも読ませるのは、5章の「いざというときに備えて—保険金幼児殺人事件」だ。もちろん

          歴史の言葉No.23 川北稔ほか『路地裏の大英帝国』

          【全文公開】"今"と"過去"をつなぐ世界史のまとめ 総集編

          2019年からだらだらと書いているものの総集編です。現時点(2023年10月)では紀元前後までカバーしています。ぼちぼち読まれているようではあるので、このまま最後まで書き進めていきたいと思います。 はじめに 我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか 世界とのつながりを考える世界史 このシリーズは、今の世界と過去の世界のつながりを考えるために編まれたものだ。 世界は、過去の世界とのつながりに満ちている。しかし、そのことに、なかなか気づきにくい。たとえ世

          【全文公開】"今"と"過去"をつなぐ世界史のまとめ 総集編

          中国のルーツは漢か唐か? "今"と"過去"をつなぐ世界史(7)

          "今"と"過去"をつなぐ世界史(7) 前200年〜紀元前後の世界 中国人の「国服」とは?高校生に「中国人の服といえば?」といって真っ先に挙がるのは「チャイナドレス」だろう。世代があがれば、人民服も出てくる。 でも、中国政府が中国国民の服として推進しようとしているのは、そのいずれでもなく、「唐服」と呼ばれる服装だ。TikTokで「唐服」と検索してみると、さまざまな動画が発信されていることがわかる。その多くが女性によるものだ。 唐服のルーツは、2001年に上海でひらかれたA

          中国のルーツは漢か唐か? "今"と"過去"をつなぐ世界史(7)

          みんなの世界史を歩く No.2 ベツレヘム(パレスチナ、2016)

          ベツレヘムといえば、イエス・キリストの生誕地。その地に建つとされる聖誕教会の前のメンジャー広場には、大きなクリスマスツリーが飾られていた。ちょうどパレスチナ色である緑色と青色の取り合わせだ。イェリコなど他の場所にあるツリーも同様の配色だった。なにか含意があるのだろうか。奥に見えるのはベツレヘム最古のオマル・イブン・アル=ハッタブ・モスク。落ち着いたら緑色の光がうつくしい。 ただしパレスチナ人、イコール、イスラム教徒ではない。パレスチナ人のなかにもキリスト教徒はいる。ベツレヘ

          みんなの世界史を歩く No.2 ベツレヘム(パレスチナ、2016)

          アショーカ王の亡霊 "今"と"過去"をつなぐ世界史(7) 前400年〜前200年

          インドの国会議事堂で、何が起きているのか?  今年2023年、インドの国会議事堂「サンサド・バヴァン」が改修された。そこで物議を醸したのが、モディ首相のお披露目した、ある壁画である。 壁画の名は「アカンド・バーラト」、英語ではUnbroken India、「分裂されていないインド」である(★1)。  モディ首相はBJP(インド人民党)出身で、ヒンドゥー教中心のインドを建設することに熱心だ。イスラーム教徒とイギリスの侵入する前のインドこそ、本当のインドである、というのが基

          アショーカ王の亡霊 "今"と"過去"をつなぐ世界史(7) 前400年〜前200年

          歴史の言葉No.22 南塚信吾『「世界史」の誕生』を読んだ

          読んだので、メモ。 『世界史の誕生』といえば岡田英弘のものが有名だが、こちらは「ヨーロッパ中心史観にもとづく世界史叙述」の系譜を、日本への影響をふくめ、丹念にあたったものだ。 「世界史」のストーリーのルーツはキリスト教的な歴史(普遍史)にあり、その延長線上にヨーロッパ中心主義的な歴史がある。南塚も挙げているように、岡崎勝世の先駆的な研究によって、ストーリーの変遷がわかりやすく整理されるようになった。私も昨年、別の記事で少し紹介している。 そのうえで、本書のなかで特におも

          歴史の言葉No.22 南塚信吾『「世界史」の誕生』を読んだ

          高野秀明さん新刊『イラク水滸伝』をゲット! 5000年の歴史を誇る湿地帯メソポタミアの「梁山泊」探検。納豆三部作も唸ったが、高野ワールドのなかでも過去イチの没入感。メソポタミア史の小林登志子氏、中東政治学の酒井啓子氏、マニ教の青木健氏らの協力も。もはやこれは文明史だ。必読。

          高野秀明さん新刊『イラク水滸伝』をゲット! 5000年の歴史を誇る湿地帯メソポタミアの「梁山泊」探検。納豆三部作も唸ったが、高野ワールドのなかでも過去イチの没入感。メソポタミア史の小林登志子氏、中東政治学の酒井啓子氏、マニ教の青木健氏らの協力も。もはやこれは文明史だ。必読。

          歴史の扉 No.16 日本茶の世界史

          かつてイギリスでも緑茶が飲まれていた 日本茶のヨーロッパへの輸出は古くはオランダ東インド会社にさかのぼる。取り扱ったのは嬉野茶で、平戸から積み出された。 ヨーロッパというと今では紅茶緑茶というイメージが強いが、当時「茶」といえば緑茶が主流だったのだ(影踏丸さんの記事を参照されたい)。 オランダが平戸から積み出した嬉野茶も緑茶だ。1557年にマカオに居住権を手に入れたポルトガルも、ここで中国商人から中国産の緑茶を買いつけていた。オランダはポルトガル経由で中国産の緑茶をヨー

          歴史の扉 No.16 日本茶の世界史

          歴史の扉 No.15 ココナッツの世界史

          ひろがるココナッツ文化圏 ココナッツはポリネシア人の移動とともに太平洋に広まった。台湾付近から現在のインドネシアを通り、果てはハワイやイースター島にまで拡散したポリネシア人は、前近代にもっとも広範囲に拡散した民族集団のひとつだ。 これに対し、インド洋方面に伝わったココナッツは、太平洋に伝播したものとは異なる遺伝子型を持つようだ。そこから6世紀に東アフリカにココナッツを伝えたのはアラブ人だ。 なんといってもココナッツに含まれる水(ココナッツウォーター)は、熱帯では "命の水"

          歴史の扉 No.15 ココナッツの世界史