緑先輩、タヌキをとことん語る/佐伯 緑
タヌキは日本を代表する動物といえると思う。奥山から大都会や小さな島々まで、沖縄県を除く全国に広く生息しており、里山や都市近郊ではヒトと非常に近い距離で生きている。日本人の心にも彼らは住みつき、昔話などにこれほど出演する動物はそうはいない。あるときは妖怪、あるときは大明神、化けても化かしても愛されるキャラクターである。しかし、その生態や進化については、曖昧模糊なところがある。アナグマやアライグマとの混同も多発している。このあたりで現在わかっている情報と知識を整理し、一般向けに提