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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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記事一覧

「ロンドンに行ったらインド料理を喰え」

我が家の子供たちは、毎週土曜日にプールで水泳を習っています。 週末は妻が仕事でいないことが専らであるため基本的に私が電動自転車で送迎するのですが、坂が多いエリアに住んでいるため前後に子供2人を乗せると自分が重いこともあり正直結構タイヘン! でもこれも運動なので致し方なし、とエンジョイしています(たまに帰りに子供たちと3人でランチして帰ったりして、カロリー大幅超過してしまうこともあるんですけどね) ママやパパたちはレッスン中、プールの上層階から高みの見物?が出来るようにな

モモ【2】 インド化したモモ

その日、私はデリー市内にある巨大ショッピングモールのフードコートにいた。好調なインド経済を象徴するように、大勢の買い物客たちがさまざまな店でショッピングを楽しんでいる。もちろん、広大な席数を誇るフードコートも、昼時ともなれば大勢の食事客が集まり、下手をすると席の確保すら難しい。何とか確保した一席に座り、さて何を食べようかと居並ぶテナントの看板をぐるり見回した。すると黄色地に黒と赤で店名が書かれた、よく目立つテナントが目に入った。Wow!Momoである。 Wow!Momoはコ

カザフスタンの世界遺産は、何もない大草原だった

その朝、ホテルで簡素な朝食を食べながら、そこへ本当に行くべきかどうか、迷っていた。 春のカザフスタンの旅の途中、タラズという小さな町で迎えた朝だった。 何もなさそうな町で1泊してみるのもいいかもしれない……と立ち寄った町だったけれど、そのタラズは想像以上に、何もない町だった。 前の日の夕方、カザフスタン鉄道をタラズの駅で降りても、どうやら観光客は僕一人しかいないようだった。 駅を出て、夕暮れの町を歩き始めても、心を動かされる風景は何もない。 陰鬱な曇り空の下、彩りを

世界の多様さに目をみはること。それが外国語学習の一番に楽しいことではないでしょうか。

この文章は自分が大学に入学して第二外国語を選ぶ際の手引きに載っていました。後々分かることなのですが、この文章は私の大学時代の恩師である先生が書かれていたものでした。 自分の大学では、第一外国語として「英語」、第二外国語として、「ドイツ語」、「フランス語」、「中国語」、「韓国語」の中から1つを選択しなければなりませんでした。 個人的には小中とサッカーをやっていたこともあり、「サッカーはドイツが強い」という印象を持っていました。また、当時はスポーツ関係の仕事に就きたいと考えて

セネガル新大統領は「ジョマイ」・ファイさんです ―セネガルの人名のカタカナ表記のしかた―

先日投票が行われたセネガル大統領選挙では、野党候補のBassirou Diomaye Faye氏が当選し、12年ぶりの政権交代が決定しました。 さて、この方のお名前、なんと発音するのが正解でしょう? 正解は「バシル・ジョマイ・ファイ」さんです。 ミドルネームをもう一つつけてBassirou Diomaye Diakhar Faye(バシル・ジョマイ・「ジャハル」・ファイ)ということもあるようですね。 いずれにせよ「ファイ」が苗字なので、これから正式には「ファイ大統領」と呼ば

発酵でSDGs!マラウイの「とぶぁ」と千葉県上総地方の「とうぞ」

マラウイの発酵飲料「とぶぁ」マラウイの路上で暑い日に、リユースのペットボトルで売られている、少し黄色みがかって白濁している飲み物がある。「とぶぁ(Thobwa)」という手作り発酵飲料だ。500mlで50MK~100MK(10〜15円)。路上で売られているのをときどき買った。 「とぶぁ」は、メイズ(トウモロコシ)、ソルガム、ミレーなどの穀物が原料で、砂糖で味を調えてある。放っておくとアルコール発酵し「ビール」に変化することから、英語では「SWEET BEER」とも呼ばれている

2250 万円使って世界一周した夫婦の話

「世界一周 予算」 とネットで検索すると大体 150-200 万円と出てきます。 ネットで調べるといかに安く世界一周できるか?いかに節約旅ができるか?いかにお得に航空券を取るか?みたいな情報がたくさんありますが 個人的には世界一周で本当に大切なのはいかに安くやるか?ではなく、 いかに楽しい旅にするかだと思っています。 僕ら夫婦は、 自らの欲望に嘘をつかず忠実に食べたいものを食べて、 行きたいところに行って、 やりたいことをやって、 泊まりたいホテルに泊まる!という世界一周

脱植民地化デザインを読む(1)

こんにちは、緒方です。 『Decolonizing Design: A Cultural Justice Guidebook』を読んだので、この本の概要を紹介します。 はじめに「脱植民地化」という言葉は、近年のデザイン(リサーチ)の動向において、重要なキーワードの一つになっています。そこで、脱植民地化デザインの中心的な存在である著者 Elizabeth (Dori) Tunstall 氏が何を語ったのか、原典をあたりました。日本のデザイン文脈でも少しずつ議論され始めているこ

スピリチュアルジャズって何? - カマシ・ワシントン以降、多用されるキーワード”Spiritual Jazz”のこと

00年代の始めごろの僕は、家ではロックやテクノやヒップホップも聴きながら、クラブにもたまに行きながら、大学の近くのジャズ喫茶に通ってはジャズを聴いていた。ジャズ喫茶の店主と仲良くなってからは、レコード屋に行っては、ジャズを買い、ジャズ喫茶に持っていって聴かせてもらったりしていた。もちろん、レアグルーヴも聴いたし、ブルーノートもプレステッジも、フリージャズもヨーロッパジャズも聴いた。その中で、ジャズ喫茶の店主やお客さんとの会話が最も盛り上がるのが、インパルス期のジョン・コルトレ

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辞書活用法ガイダンス(2024年改訂版無料公開分)

※2024年4月の新年度向けの改訂版です。 高校を中心に30数年英語を教えてきて感じるのは、リスニングであれ、読解であれ「語義」の適切・的確な理解が生命線だということです。その部分がしっかりしていないと、スピーキングもライティングも聞き手、読み手に大きな負荷をかけることになるのです。 にもかかわらず、高校段階の英語学習の多くの局面で、辞書はその機能をフルに発揮できていないようにも感じています。 ということで、新年度に向けて辞書のガイダンスを今年も改訂しましたので、そのは

台湾ひとり研究室:翻訳編「#35《大港的女兒》の舞台、高雄へ取材旅行に行ってきました。」

台湾南部の港湾都市、高雄。台湾第二の都市ともいわれる街です。台湾に嫁いでからというもの、何度もここには足を運んでいましたが、今回は「取材旅行」という体で、ちょっと趣が違います。どんな旅だったのか、概要からご説明していきますね。 訳者に現地視察は必要か?

スラウェシ島の温泉をめぐる旅 2日目ゴロンタロ観光と温泉巡り

今日は一日かけて温泉3ヶ所、伝統家屋、砦跡を見に行く予定にしている。 まずは、ホテルでバイクをレンタルする。1日40,000ルピアで貸してくれるのはありがたい。 朝寝坊してしまいホテルを出発した9:30には太陽がかなり昇り日差しがキツくなっていた。 わたしは念の為日焼け止めを塗っておこうとコンビニに立ち寄り、日焼け止めを購入し腕と顔に塗った。これで準備万端だ。 まず向かうのは街から東に向かい30キロ弱のところにある温泉。遠いところから順に回っていく。 1.パンギ温泉(ピ

ぼくがサンタになったきっかけ

先回、世界一周の学びをまとめて記しました。 結構長文になってしまったので、他の人がやっていない”サンタ”の部分を抜き出して、追記してみようと思います。 サンタになったきっかけ南の島ツバルでサンタクロース 2017年の僕は、フィジー共和国で暮らしていました。 ちょうどクリスマスど真ん中に、ツバル旅行を計画していたので、 クリスマス×ツバルで何かできんかなぁ…と思っていた時に、 思いついた、たまたま思いついてしまったのが”サンタクロースになる”。 そして、個々が重要だけれ

SDGsとは一体、何だったのか?【世界史でよむSDGs】はじめに

いまや日本のSDGsは、空虚な「記号」である  2015年に採択されたSDGs(国連持続可能な開発目標)は、スタートしてから早9年目を迎えようとしている。  SDGsの実施年限は2030年だから、まだあと6年ちょっと、残されていることになる。  にもかかわらず「SDGsとは一体、何だったのか?」などと問うのは、ちょっと時期尚早ではないかと思われるかもしれない。  最初に筆者の立場を明確にしておけば、日本におけるSDGsはすくなくとも本来の趣旨に沿った受容には失敗している