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"教育系" note まとめ

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"教育系" noteのまとめです。
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記事一覧

なんとなく言語 (学) に興味がある人のためのブックガイド

「なんとなく言語 (学) に興味がある人のためのブックガイド」をつくりました。 「なんとなく言語 (学) に興味があるのでもうちょっと読んでみたい」 「言語学にどんな分野があるのか知りたい」 「専門的に勉強したいというほどではないのだけれど、もうちょっと何か読んでみたい」 という人のために、言語 (学) についての入門的な本を紹介します。 これらの本を読んで言語 (学) っておもしろいなと思ったら、ぜひ大学などで言語学の授業を受けたり、専門的な入門書を読んだりしてく

きみは「追浜」を正しく読めるか? ~『大陸の誕生』の誕生秘話~

弊社のT.W.が、4月のブルーバックスの新刊『大陸の誕生 地球進化の謎を解くマグマ研究最前線』の編集を担当しました。その制作過程のエピソードを披露します。(本記事はブルーバックスのメールマガジンに掲載した文章に加筆したものです。) 初めてのやり方『大陸の誕生』の制作には、当初想定していたよりも時間がかかってしまいました。おおよそ5年がかりです。本書の著者、田村芳彦先生にとって初めての単著でしたので、じっくりと執筆を進めていただきました。 書きたいこと、書くべきことがあらか

いわゆる仕事観

心の隅で「私はこれがあまり得意ではないな(好きではないな)」と思いながら長いこと仕事をしている人は多い。好きや得意なんて変わっていくものだし、それでもやり続けるということに「尊さみ」が生じるのは事実だが、その状況をどれだけ正当化したところでその人にストレスを与え続けるので、結果的にそんな自分を正当化したまま状況自体を破壊する(ことで自身を解放する)ような人もいる。自分に「尊さみ」ではなくまっとうな尊厳を与えながら仕事をするのは大事だ。(2024.5.2) 公私混同という言葉

《書評》建設的な対話の為に|「独学の思考法」山野弘樹

 私は、暇潰しに独学をしている事が多いので、気になり本書を手に取った。本書は、独学と言っても具体的な学問について云々するのではない。自ら問いを立てて探求するような学びをする際に役立つ、「考え方」に関する書籍である。一部は「考える技術」について、二部は「対話的思考」について述べている。  独学というと本を読む事を想像する方は多いだろう。筆者も実際に学生時代には乱読したそうだ。しかし、そういった学び方(知識をやたらめったら取り込む)ではダメだそうだ。なぜダメか。それは「他人の走

ある哲学者から学んだ「前提を疑う」という生き方

こんにちは。紀藤です。最近、強み論文のまとめに注力していることから、「日常の振り返り」的な内容を記述することが少なくなっておりました。 ただ、日々の出来事を振り返り、感じたことを書き出すというのは、実に多くの学びがあるものです。ということで、今日は最近あったお話の中で、印象的だったことについて書いてみたいと思います。 ある30代の哲学者少し前に、ある哲学者(30代)と、教養あふれる人生の先輩(60代)とお食事にいきました。どちらもそうした呼称に閉じ込めてしまうのには何とも

中学校教科書の文体が気になります

授業で「レポートでは固めの書き言葉を使う」という話をするのですが,ちょっとイメージが掴めないというか想像しづらい感じがあるので「高校の教科書と同じ感じ」と言ってます。ただ,自分が使っていた教科書って中学も普通体(常体/だ・である)じゃなかったっけ?とか思いました。もっとも大学図書館の所蔵には私が使っていたような時代の教科書はなく,真相はまだ分かりません。それでも少しルールのことや戦後すぐの資料が見つかったのでまとめてみます。 まず文科省のルールを確認すると,中学までは義務教

『リグ・ヴェーダ』を(趣味の範囲で)読むための前提知識

まえがき『リグ・ヴェーダ』(R̥gveda)という文献があります。一般にはRVと略します。使われている言語は、サンスクリットの中でも一番古い段階のヴェーダ期サンスクリット語(Vedic Sanskrit)、の中でもぶっちぎりで一番古風なものです。要するにインド・アーリヤ語の中で一番古い段階の言語の姿が残っている文献です。 この名前から一般に連想される韻文集は、厳密には『リグ・ヴェーダ・サンヒター』(R̥gveda-Saṃhitā)(の中でも、現存するのはシャーカラ(Śāka

仕事をしながら毎月10冊以上読む方法と、そのために欠かせないツール【#15】※Notionテンプレ付

社会人になると、「本を読めなくなった…」という声をよく耳にします。知り合いにおすすめの本を尋ねても、「あまり読めていない」という返事が多いのが現状です。 自分自身は読書家とは言えませんが、意外と本を読む時間をつくれていることに気づきました。周りの人から「どうやって読書時間を見つけているの?」とよく聞かれるので、この記事では、試行錯誤の末に行き着いた現在の読書スタイルを紹介したいと思います! ・・・ 今読みたい・読むべきと思う本だけに絞る1. 読みたい本をリストアップする

プロジェクトの最初に「事前検死」をしろ

「事前検死」というメソッドを使うと、プロジェクトの失敗率を大きくさげられてオススメ。それ用のGPTsも作った。 事前検死とは?事前検死というのは、失敗学で用いられるメソッド。プロジェクトの一番最初に、「プロジェクトは盛大に失敗したのだ!」という設定で、プロジェクトの生前葬と反省会を行う。 たとえば「新規サービスを作ったがローンチに失敗した何故だ!?」という問いからスタートし、 市場調査をしなかった プロトタイプを作らなかった ゴールラインをリリースに引いてしまってい

2024年4月新刊のご案内

2024年4月の新刊は2冊! 中学校で習った理科の学びなおしにオススメの一冊と、 地理の研究者によるフィールドワーク紀行です。 <4月17日発売予定> 『「中学の理科」が一冊でまるごとわかる』さわにい中学生の頃は理科の面白さがよくわからなかったけど、大人になったいま、気軽に楽しく学びなおしてみたい、そんな方に最適な一冊。 中学校で習う理科は、「科学」の入り口として重要なものです。生物、化学、地学、物理はそれぞれが現代社会でも重要な役割を担う「科学」です。 その基礎が体系

芝公園で「言葉探し」/こども哲学実践

こんにちは。まえゆかです。 今日は2か月に1回開催しているこども哲学教室。 普段は区民センターの会議室を利用して実施していますが、春の陽気に合わせて外でイベント的にワークショップをやってきました。 備忘録的に実践内容をご紹介。 5年生クラス:「~~だけど~~なもの探し」参加者は6名。 3年生の12月から参加しているメンバーが5人と、ママ向けのおとな哲学の参加者のお子さんが初参加! 初めてですが、既存メンバーの1人とクラスが同じで顔見知りだったので特にアイスブレイクもな

39歳ワーママが、慶應大学院に合格するまでの46日間【前半は無料で読めるよ】

4月から大学院生になることを、前回書きました。 私が慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科の受験を決意してから、1次試験まで、たった12日間。しかもそのうち、はじめの5日間はアメリカ旅行中でした。そこから2次試験を経て、合格通知を手にしたのは46日後。日本人で合格したのは、私の受けた時は10名ちょっとでした。 「こんなにスピーディに大学院って受かるの?」 今の私が見ても仰天のスケジュールです。 私は高校時代、勉強が嫌いで苦手でした。当然ながら慶應を受けるなんて夢

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10分でわかるネオ哲学史『一度読んだら絶対に忘れない哲学の教科書』読書案内+参考文献の補足

この記事では、ネオ高等遊民『一度読んだら絶対に忘れない哲学の教科書』SBクリエイティブの参考文献を紹介します。 と同時に、それぞれの哲学者の解説で、どんな内容が書かれているのかを、ごく簡単に紹介していますから、ざっくり内容を把握するにも適しています。 ページ数の都合により、出版物には参考文献をすべて載せることができませんでした。(本書は全256ページですが、これがキリのいい数字みたいです。たしか8ページか16ページ単位での増減となる、と聞きました。) そのため、一次文献

後悔はなぜ残り続けるのか?

「そういや今年って節分いつ?8月?」 「いゃ真夏。今年とかないっす。だいたい2月3日です」 「ほーん、なんか年取るとマジでイベントごとに興味なくなるのよ。プレゼントもらえるわけじゃあるまいし」 「年の数だけ豆もらえますよ」 「いらねーよ、誰が喜ぶんだよ豆もらって」 「先生、恵方巻とかは食べません?」 「うーんどうだろ。食べるの?」 「まぁ一応、お母さんが作るんで」 「なんか今朝テレビでやってたけど今年の恵方は北北南らしいよ」 「あ、またテキトーなこと言った。