長屋尚典

東京大学大学院人文社会系研究科・准教授☕️ 言語学を研究したり教えたりしています🏃 ht…

長屋尚典

東京大学大学院人文社会系研究科・准教授☕️ 言語学を研究したり教えたりしています🏃 https://linktr.ee/nori.nagaya

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大学以外で言語学を勉強する方法

「大学には所属していないけれど言語学を勉強してみたい。どうしたらいいの?」という質問をよくいただきます。 たしかに本屋さんや図書館には「言語学入門」と銘打った本がたくさんありますが、なかなか独学するのは難しいですよね。 かといって、大学あるいは大学院に入学するというのも大変ですし、そもそも大学院に行くために言語学を勉強してみたいという方もいらっしゃるかもしれません。 そこで、今回は大学以外で言語学を勉強する方法を考えてみたいと思います。 いくつか方法があります。 大

    • 東京大学文学部紹介冊子『PROSPECTUS』に寄稿しました

      最近、東京大学文学部の紹介冊子『PROSPECTUS』に寄稿しました。その経緯について書いてみました。 東京大学の学部教育私の所属する東京大学の学部教育は大きく教養課程と専門課程からなっています。 1・2年生の間は駒場キャンパスで幅広く一般教養を学び、3・4年生になると本郷キャンパスなどで各人が選んだ専門分野を探究する仕組みです。 入学時には文科一類、文科二類、文科三類、理科一類、理科二類、理科三類を選択して受験します。それぞれの科類で入学後にどの学部・専門課程に進学す

      • なんとなく言語 (学) に興味がある人のためのブックガイド

        「なんとなく言語 (学) に興味がある人のためのブックガイド」をつくりました。 「なんとなく言語 (学) に興味があるのでもうちょっと読んでみたい」 「言語学にどんな分野があるのか知りたい」 「専門的に勉強したいというほどではないのだけれど、もうちょっと何か読んでみたい」 という人のために、言語 (学) についての入門的な本を紹介します。 これらの本を読んで言語 (学) っておもしろいなと思ったら、ぜひ大学などで言語学の授業を受けたり、専門的な入門書を読んだりしてく

        • 『明解言語学辞典』長屋担当項目の補足

          もう10年ほど前になりますが、2015年7月に『明解言語学辞典』が発売になりました。 この辞書は、その名の通り重要な言語学用語を明解に解説した辞典です。 音声学や形態論などの分野や、生成文法や認知言語学などの理論も横断して約330項目が解説されています。 三省堂の特設サイトによれば、 ということで、言語学を学ぶためにぴったりの辞書ということです。 私も書きましたそんな『明解言語学辞典』ですが、私も執筆しました。 具体的には、「アラインメント」「意志性」「一致」「格

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        大学以外で言語学を勉強する方法

          言語学は3度生きる

          私は言語学者です。 言語学という学問を研究し、教えています。 言語学について考えたり、勉強したり、書いたり、話したりしながら、毎日暮らしています。そんな生活をもう20年ぐらいは送っています。 その意味では、言語学はもはや暮らしそのものといえます。 今年2023年もそうでした。言語学にはじまり言語学に終わる年になりそうです。 そんな2023年を終えるにあたり、言語学漬けの生活をしている私が、「言語学をやっていてよかったな」と思った3つの瞬間についてご紹介したいと思いま

          言語学は3度生きる

          タガログ語 (フィリピン語) の辞書の引き方

          世界の言語のなかには、辞書を自分で引くことができたら一人前という言語があります。 辞書を使うためにはその言語について相応の知識がなければならない言語です。 タガログ語もそのような言語の一つです。 この記事では、そんなタガログ語の辞書の引き方を解説します。 タガログ語の辞書を使いたい2023年11月現在開講中の東京外国語大学オープンアカデミーのタガログ語 (フィリピン語・フィリピノ語) の授業では、タガログ語の物語を集めた教科書を使用し、タガログ語を実際に読んでいます。

          タガログ語 (フィリピン語) の辞書の引き方

          言語学のレポートの書き方

          この記事は、書式などの形式的な側面を中心に、言語学のレポートの書き方について解説しています。 もともとは、私の授業でレポートを書く人に向けて、あるいは私の指導学生に対して、授業や論文指導の場で言及してきたことです。 その意味では私の授業を受けている人のためのものではあります。 そうではあるものの、もしかしたら、言語学を勉強している人や言語学を教えている人の参考になるかもしれません。 そう思ったので、ここで公開します。 もちろん私の授業を履修している人はしっかりと読ん

          言語学のレポートの書き方

          ((記述) 言語学の) 卒業論文の書き方〜おすすめの本編〜

          「(記述) 言語学の卒業論文の書き方」という一連の記事では、主に言語学を学ぶみなさんむけに卒業論文の書き方を紹介しています。 (記述) 言語学の卒業論文の書き方〜スケジュール編〜 (記述) 言語学の卒業論文の書き方〜やった方がいいこと・やらない方がいいこと編〜 題名の通り、基本的には (記述) 言語学の卒業論文を書きたい人にむけた話ですが、もしかしたらそれ以外の分野の人にも役に立つかもしれません。 特に、今回の記事では、論文を書く際に参考にしたい論文の書き方に関する本

          ((記述) 言語学の) 卒業論文の書き方〜おすすめの本編〜

          タガログ語の語彙を増やすためにおすすめの教材

          どの言語の勉強であれ、語学の勉強で重要なのは、勉強している言語の文法を習得することと語彙を覚えることです。 それがたとえ中学校の英語の授業であっても、大学の第二外国語の授業であっても、ビジネスで必要に迫られて勉強する言語であってもです。 この記事では、私が現在東京外国語大学オープンアカデミーで教えているタガログ語について、語彙を増やすためにおすすめの教材を2つ紹介します。 語学において語彙を増やすことの重要性どんな語学の勉強も、文法をしっかり習得することと、語彙 (ボキ

          タガログ語の語彙を増やすためにおすすめの教材

          (記述) 言語学の卒業論文の書き方〜やった方がいいこと・やらない方がいいこと編〜

          「(記述) 言語学の卒業論文の書き方」という一連の記事では言語学における卒業論文の書き方について紹介したいと思います。 言語学で卒業論文を書こうという人が、どういうところに気をつけたらいいのか、どういうスケジュールで進めたらいいのか、そもそもどのようにテーマを見つけたらいいのか、などについて書いていこうと思います。 題名の通り、基本的には (記述) 言語学の卒業論文を書きたい人にむけた話ですが、もしかしたらそれ以外の分野の人にも役に立つかもしれません。 この記事では卒業

          (記述) 言語学の卒業論文の書き方〜やった方がいいこと・やらない方がいいこと編〜

          (記述) 言語学の卒業論文の書き方〜スケジュール編〜

          「(記述) 言語学の卒業論文の書き方」という一連の記事では言語学における卒業論文の書き方について紹介したいと思います。 言語学で卒業論文を書こうという人が、どういうところに気をつけたらいいのか、どういうスケジュールで進めたらいいのか、そもそもどのようにテーマを見つけたらいいのか、などについて書いていこうと思います。 題名の通り、基本的には (記述) 言語学の卒業論文を書きたい人にむけた話ですが、もしかしたらそれ以外の分野の人にも役に立つかもしれません。 この記事では卒論

          (記述) 言語学の卒業論文の書き方〜スケジュール編〜

          タガログ語 (フィリピン語) の辞書はどれを使ったらいい?

          語学においてよい辞書を使うのは重要なことです。 とはいえ、英語のような大きな言語ならいざ知らず、タガログ語 (フィリピン語) のような言語となると、よい辞書を見つけることはなかなか大変です。 そこで、この記事では、タガログ語 (フィリピン語) を学習する際に役立つ辞書をいくつかご紹介したいと思います。 語学学習によい辞書は必須この記事を読もうとする方にわざわざ強調するまでもありませんが、よい辞書を選ぶことは語学学習には必要不可欠のことです。 語学学習というのは、どうい

          タガログ語 (フィリピン語) の辞書はどれを使ったらいい?

          タガログ語 (フィリピン語) はこんな人におすすめ

          2023年度から東京外国語大学オープンアカデミーでタガログ語 (フィリピン語・フィリピノ語) の授業「フィリピン語 (タガログ語) 初級Ⅰ (CEFR PreA1)【初学者向け】」を開講することになりました。 授業の仕組みや内容については既に note で書いた記事で説明しました。 では、そもそもタガログ語って、どんな人におすすめなのでしょう? この記事では、タガログ語 (フィリピン語、フィリピノ語) の学習がどんな人におすすめか解説したいと思います。 東京外国語大学

          タガログ語 (フィリピン語) はこんな人におすすめ

          東京外国語大学オープンアカデミーでタガログ語 (フィリピン語) の授業を開講します

          2023年度から東京外国語大学オープンアカデミーでタガログ語 (フィリピン語・フィリピノ語) の授業を開講することになりました。 正確な授業名は「フィリピン語 (タガログ語) 初級Ⅰ (CEFR PreA1)【初学者向け】」です。 東京外国語大学オープンアカデミーとは何なのでしょうか? タガログ語とはどんな言語なのでしょうか? どんな授業なのでしょうか? ここでは私のオープンアカデミーの授業についてご紹介したいと思います。 東京外国語大学オープンアカデミーとは?東京外

          東京外国語大学オープンアカデミーでタガログ語 (フィリピン語) の授業を開講します

          ラマホロット語のくせがすごい

          私が研究している言語の一つにラマホロット語という言語があります。 この言語はインドネシア共和国フローレス島東部とその周辺の島々で話されているオーストロネシア語族の言語の一つです。 あまりなじみのない言語かもしれませんが、実は言語学ではとてもよく研究されている言語の一つなんです。 そして、言語学的なくせがすごいです。 今回は「言語学な人々 Advent Calendar 2022」の一環としてこのラマホロット語の紹介をしたいと思います。 それを通して世界の言語の多様性

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          『東京大学言語学論集 第44号』が公開されました

          東京大学・言語学研究室では『東京大学言語学論集 (TULIP)』という雑誌を毎年出版しています。 今年度も10月に第44号が刊行されました。 この号には研究室の大学院生をはじめとする言語学者の論考が収録されています。 今回はその『東京大学言語学論集 第44号』に収録された諸隈夕子さん、吉田樹生くん、林真衣さん、水石すみれさんの論文をご紹介したいと思います。 それを通して、言語学研究室でどのような研究をしているのかをお伝えしたいと思います。 『東京大学言語学論集』とは

          『東京大学言語学論集 第44号』が公開されました