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社会学者・下出隼吉と明治文化研究会

 昭和初期に活動していた下出隼吉は社会学の研究者として知られており、吉野作造、尾佐竹猛、小野秀雄、藤井甚太郎などが参加していた明治文化研究会にも所属していた。『下出義雄の社会的活動とその背景』(唯学書房, 2018年)に収録されている「下出書店と杉原三郎」朝井佐智子によると、隼吉の父・下出民義は明治文化研究会に資金援助していたようである。下出民義は愛知県を中心に活動していた実業家で、貴族院議員もつとめていた。そのため、隼吉は明治文化研究会を学術面でも資金面でも支えた人物であると言えるだろう。『下出隼吉遺稿』下出民義編(1932年)に収録されている隼吉の年譜によると、隼吉は1927年に小野秀雄の紹介によって明治文化研究会に入会したようだ。小野秀雄はジャーナリズム研究の先行者として知られており、東大新聞研究所の所長もつとめた人物である。

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