おおばしゅう

屋号「照らす人」 ◼︎本業:製造・建設系の家業で営業・ ひとり広報してます。 ◻︎ライフワ…

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屋号「照らす人」 ◼︎本業:製造・建設系の家業で営業・ ひとり広報してます。 ◻︎ライフワーク:Podcast『人生百貨店』、フードエッセイ「アイスコーヒーが溶けぬ前に」、間借り喫茶「喫茶たまゆら」 畑をしたり、友人たちとの時間を味わったりしてます。マイブームは、お茶とラジオ。

マガジン

  • 食の短編小説「はんぶんこ」

    友人や家族の食体験を短編小説にしてみました。あんぱんを「はんぶんこ」するように、食体験をはんぶんこする。食で人と人、地域、場所などがつながって、食って可能性に満ちてるな、おもろいなって思ってもらえたら嬉しいです。

  • アイスクリームが溶けぬ前に(フードエッセイ)

    アイスクリームが溶けぬ前に、熱が冷めぬうちに、食べる中でふと出てくる感情や言葉、自分の視覚で見た景色を、その時沸いてきた言葉で書き連ねるフードエッセイ。

  • Daily Life Essay「あじわい亭」

    感じていたことを伝えられなかったこと、ずっと自分の中で心にひっかかっていたことや感情、はじめて食べたご飯のような新たな気づき、覚えておきたいこと。週替わりでメニューが変わる幕の内弁当のように、いろんなエピソードが詰まった、日常を味わうエッセイマガジン。それがDaily Life Essay(日常のエッセイ)「あじわい亭」です。

  • #町中華を巡ろう

    その場所でしか味わえない雰囲気、味、マスターとの会話。町中華屋には、それぞれのドラマが詰まっている。町中華屋が減りつつある今、巡るしかない。そんな気持ちが、町中華めぐりを(少なくとも)月1でしたいという欲求に変わっていった。その記録たちです。

  • ローカルスーパー探訪記

    その土地ならではの品揃え、価格設定、店員さんの接客。ローカルの魅力、特色、個性が詰まっている場所のひとつが「ローカルスーパー」だと思うんです。せっかく旅に出たのであれば、その土地のスーパーも巡ってしまえ…!という、ふしぎ発見的なプロジェクトになってます。あなたも一緒にローカルスーパーへ旅に出てみましょう🧳

記事一覧

10年前の「1番 センター」から、負けてしまった3年生へ。

10年前の真夏グラウンドに響いたアナウンスが、今も耳から離れない。 何年経っても、どの季節の大会だろうと、1番センターと聞くと身が引き締まる。10年前、高校3年生だっ…

【食の短編小説】はんぶんこ⑥

#6 出汁がら昆布 誰のために、何のために料理を作っているんだろうと、帆乃果は自問自答するときがある。自分自身の栄養のため、作った料理を喜んでくれるパートナーの秀…

2

喫茶たまゆら、福井に出店します。

ライフワークの間借り喫茶「喫茶たまゆら」を 福井県大野市で出店させてもらうことになりました。 場所は、大野市の中心街にある荒島旅舎さん。 大野市自体行ったことが…

おおばしゅう
2週間前
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【食の短編小説】はんぶんこ⑤

#5 鶏皮 幼い頃に母から「出された料理は残さず食べること」を口すっぱく言われ、それが帆乃果の食の基本になっている。 出された料理=皿に乗っている食べ物たち。自分…

おおばしゅう
3週間前
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【食の短編小説】はんぶんこ④

#4 卵チャーハン 昨日作った湯豆腐で、帆乃果があんなにも喜んでくれるなんて思わなかった。秀太は少し驚きつつも、料理に対する興味が日々高まっていることに気付く。 …

おおばしゅう
4週間前
3

【食の短編小説】はんぶんこ③

#3 湯豆腐 梅雨の長雨により、ずっと運動てきていなかったわたしは、雨上がりの日曜午後に家を出て、家の前の通りをひたすらに西に進むことにした。社会人3年目、20代の中…

おおばしゅう
1か月前
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【食の短編小説】はんぶんこ②

#2 ネパールカレー 「体調が悪くなると、人はカレーを欲しやすくなる」と、テレビで目にしたフレーズが忘れられず、カレーを食べたくなるとすぐに、その言葉が連想される…

おおばしゅう
1か月前
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【食の短編小説】 はんぶんこ①

#1 クラブハウスサンドイッチ 道路の反対側にあるファミレスの店内をガラス越しに見ると、家族で遅めのランチを楽しんでいたり、サラリーマンであろうスーツ姿の男性がパ…

おおばしゅう
1か月前
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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #24 ふ定食屋(恵比寿)

のれん、置き物、提灯(ちょうちん)、行燈(あんどん)、竹灯り、ネオンサイン、看板。お店の入り口にオリジナリティが溢れていると、訪れようと思っていない場所でもふと…

おおばしゅう
1か月前
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想い合う気持ちに、距離なんて関係ない。

土地を離れた瞬間に、それまで関わっていた人や場所との縁が切れるわけではないと思いながら、何もしていないと縁が切れてしまうのではないかと恐れている自分がいた。 そ…

おおばしゅう
1か月前
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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #23 ミニクロワッサン(Mini One)

ある食べ物に初めて出会ったときのことを覚えていればいるほど、その食べ物を好きになる確率は高いように思う。 小学生の頃、祖母が連れて行ってくれた百貨店「西武 沼津…

おおばしゅう
1か月前
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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #22 キッチンあだち(三島)

幼少期、家族によく連れて行ってもらったお店で、 自分がご馳走する日が来るとは思ってもいなかった。 小学校高学年になり、お子様メニューからの卒業を果たし、いざ通常…

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2か月前
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「お土産選び決戦」は、新千歳空港だった。

これからどんなことがあったとしても、 「お土産」という自分も他人も笑顔になる文化はなくならないだろう。 お土産を選ぶとき、2つのパターンがあるように思う。 1つは…

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2か月前
7

フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #21 レストラン好々亭(江古田)

子どもの特権「お子様ランチ」はバラエティ豊かで、大人になってもウキウキワクワクする。まるで、テーマパークに来たかのように。 お子様ランチ、いつ卒業しなくてはいけ…

おおばしゅう
2か月前
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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #20 一番亭(三島)

町中華の雰囲気しっかり感じられるチェーン店が地元にあることに、つい嬉しくなってしまった。 チェーン店だけどチェーン店と言われなければ、町中華・町食堂といってもい…

おおばしゅう
2か月前
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フードエッセイ『アイスクリームが溶けぬ前に』#19 ONIYANMA COFFEE(札幌)

シーンに応じ、まるで七変化のように寄り添ってくれるコーヒーの存在の大きさを、コーヒーが飲めなかった6年前に想像することはできなかった。 他人と飲むコーヒーは、そ…

おおばしゅう
2か月前
6
10年前の「1番 センター」から、負けてしまった3年生へ。

10年前の「1番 センター」から、負けてしまった3年生へ。

10年前の真夏グラウンドに響いたアナウンスが、今も耳から離れない。

何年経っても、どの季節の大会だろうと、1番センターと聞くと身が引き締まる。10年前、高校3年生だった自分が、はじめてアナウンスを受けて感動した瞬間だった。

コロナ禍でなくなっていた声出し応援が復活して2年目、シード校との3回戦、草薙球場、そして7月21日。それら思い出したのは試合後だったが、今年も夏の県予選の球場に向かっていた

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【食の短編小説】はんぶんこ⑥

【食の短編小説】はんぶんこ⑥

#6 出汁がら昆布

誰のために、何のために料理を作っているんだろうと、帆乃果は自問自答するときがある。自分自身の栄養のため、作った料理を喜んでくれるパートナーの秀太のため、あるいは作った料理をSNSにあげることで得られる「いいね」のため。目的や理由を追い求めてしまうと、料理を作るのが苦しくなるし、綺麗で美味しい料理を作ろうとすると、買う食材の量が増えたり見た目を意識してしまって、料理で冒険できな

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喫茶たまゆら、福井に出店します。

喫茶たまゆら、福井に出店します。

ライフワークの間借り喫茶「喫茶たまゆら」を
福井県大野市で出店させてもらうことになりました。

場所は、大野市の中心街にある荒島旅舎さん。

大野市自体行ったことがない自分が、こんなにも素敵な場所に出会い、ここで間借り喫茶をさせていただくことになったのは、間違いなく人の縁だ。

カップのステッカーのデザインをしてくれたキムラユキさん、荒島旅舎さんは間借り喫茶できるかもよ?と話してくれた朋香。さらに

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【食の短編小説】はんぶんこ⑤

【食の短編小説】はんぶんこ⑤

#5 鶏皮

幼い頃に母から「出された料理は残さず食べること」を口すっぱく言われ、それが帆乃果の食の基本になっている。

出された料理=皿に乗っている食べ物たち。自分の中でこの公式を作ったことで、一緒に食事をする人の皿まで気にするようになったのは当然のことかもしれない。

パセリ、食用花は、添えられているが残されがちな食べ物たち。一方で、鶏皮や鮭の皮、大根の葉など、食べるのはちょっと…と捨ててしま

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【食の短編小説】はんぶんこ④

【食の短編小説】はんぶんこ④

#4 卵チャーハン

昨日作った湯豆腐で、帆乃果があんなにも喜んでくれるなんて思わなかった。秀太は少し驚きつつも、料理に対する興味が日々高まっていることに気付く。

今まで家事に関しては"見る専"で何もしてこなかった秀太が、料理をしてみようと思ったきっかけは、体調が優れない中でも夕飯の支度をしていた帆乃果を見たからだった。

*****

「秀太、ごめん。ちょっとご飯待ってて…。」

その言葉を聞

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【食の短編小説】はんぶんこ③

【食の短編小説】はんぶんこ③

#3 湯豆腐

梅雨の長雨により、ずっと運動てきていなかったわたしは、雨上がりの日曜午後に家を出て、家の前の通りをひたすらに西に進むことにした。社会人3年目、20代の中盤にもなると、運動不足というワードが頭の中をよぎり、体型維持のためにもジョギングを始めようかと思っていたのだ。

ジョギング開始…!の選手宣誓を心の中でおこない、家から西へひたすらに進んで信号待ち。反対側にあるファミレスの店内をガラ

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【食の短編小説】はんぶんこ②

【食の短編小説】はんぶんこ②

#2 ネパールカレー

「体調が悪くなると、人はカレーを欲しやすくなる」と、テレビで目にしたフレーズが忘れられず、カレーを食べたくなるとすぐに、その言葉が連想される。

雨上がりの夕焼けを見ながら川沿いを歩いていると、ランチで定期的に足を運んでいるネパール料理店の店主に遭遇した。

「こんなとこで会うなんて、どこかお出掛けですか?」と声をかけると、今日は休みだから家族で外食するそうで、お腹を空かせ

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【食の短編小説】 はんぶんこ①

【食の短編小説】 はんぶんこ①

#1 クラブハウスサンドイッチ

道路の反対側にあるファミレスの店内をガラス越しに見ると、家族で遅めのランチを楽しんでいたり、サラリーマンであろうスーツ姿の男性がパソコン作業をしていたり、老夫婦がゆったりと過ごしたりしていて、ファミレスっていろんな小説が詰まってる場所だなと思う。

昨日何気なく見ていたテレビのバラエティで、「ファミレスといえば…?」というテーマでひな壇の芸人が盛り上がっていたのを

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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #24 ふ定食屋(恵比寿)

フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #24 ふ定食屋(恵比寿)

のれん、置き物、提灯(ちょうちん)、行燈(あんどん)、竹灯り、ネオンサイン、看板。お店の入り口にオリジナリティが溢れていると、訪れようと思っていない場所でもふと立ち止まったり、写真を撮りたくなってしまうのはなぜだろう。

恵比寿にある「ふ定食屋」も、そのひとつ。

赤富士をイメージしたであろう暖簾に、信楽焼のたぬき。恵比寿というと、敷居の高そうなお店が多いイメージや、エビスビールに重ね合わせて居酒

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想い合う気持ちに、距離なんて関係ない。

想い合う気持ちに、距離なんて関係ない。

土地を離れた瞬間に、それまで関わっていた人や場所との縁が切れるわけではないと思いながら、何もしていないと縁が切れてしまうのではないかと恐れている自分がいた。

そう思うのは、コロナウイルスによって気軽に会えない日を経験し、今まで過ごした静岡・東京から飛行機でなければすぐに辿り着けない、島根県益田市という土地に移動したことが大きかったと思う。

自分の振る舞い、行動ひとつで、人との関係性はガラスのよ

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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #23 ミニクロワッサン(Mini One)

フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #23 ミニクロワッサン(Mini One)

ある食べ物に初めて出会ったときのことを覚えていればいるほど、その食べ物を好きになる確率は高いように思う。

小学生の頃、祖母が連れて行ってくれた百貨店「西武 沼津店」の中に入っていたMini Oneで、初めてクロワッサンに出会った。11年前の1月末に閉店した「西武 沼津店」という舞台だったのも、その思い出を色濃く残しているのかもしれない。

ドンク(DONQ)から独立したブランド「Mini One

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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #22 キッチンあだち(三島)

フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #22 キッチンあだち(三島)

幼少期、家族によく連れて行ってもらったお店で、
自分がご馳走する日が来るとは思ってもいなかった。

小学校高学年になり、お子様メニューからの卒業を果たし、いざ通常メニューの世界へ。それでも、一人前の量が多い料理だと、付け合わせのキャベツが残ったり、キャベツを先に食べ始めたらカツやご飯を残してしまったりと、全クリ(完食)出来ずによく父にバトンタッチしたのを思い出す。

大人になった今、家族やパートナ

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「お土産選び決戦」は、新千歳空港だった。

「お土産選び決戦」は、新千歳空港だった。

これからどんなことがあったとしても、
「お土産」という自分も他人も笑顔になる文化はなくならないだろう。

お土産を選ぶとき、2つのパターンがあるように思う。

1つは、絶対に外したくない、間違いないお土産を選びたい人。もう1つは、トリッキーだけどインパクトが強いお土産を選ぶ人。この2つに当てはまらないお土産もあるかもしれないが、いろんなお土産を頂いた中での印象はこんな感じだ。

先日、北海道に旅行

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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #21 レストラン好々亭(江古田)

フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #21 レストラン好々亭(江古田)

子どもの特権「お子様ランチ」はバラエティ豊かで、大人になってもウキウキワクワクする。まるで、テーマパークに来たかのように。

お子様ランチ、いつ卒業しなくてはいけないのだろうか。

早く大人になりたい気持ち、周りの友達がお子様ランチを卒業しているのを見て、少し強がりながら「自分も卒業するもん…!」と心の中で唱えながら、お子様メニューを閉じ、グランドメニューから料理を選ぶようになるのかもしれない。

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フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #20 一番亭(三島)

フードエッセイ「アイスクリームが溶けぬ前に」 #20 一番亭(三島)

町中華の雰囲気しっかり感じられるチェーン店が地元にあることに、つい嬉しくなってしまった。

チェーン店だけどチェーン店と言われなければ、町中華・町食堂といってもいい。一番亭には、町中華が持つ雰囲気、味、香り、景色があった。

効率を重視し、機械が調理をしたり、電子レンジやオーブンなどで温めて料理を提供するチェーン店もある中、一番亭は鉄鍋を振って作ってくれたり、ラーメン店同様に、麺を茹で、かえしとダ

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フードエッセイ『アイスクリームが溶けぬ前に』#19 ONIYANMA COFFEE(札幌)

フードエッセイ『アイスクリームが溶けぬ前に』#19 ONIYANMA COFFEE(札幌)

シーンに応じ、まるで七変化のように寄り添ってくれるコーヒーの存在の大きさを、コーヒーが飲めなかった6年前に想像することはできなかった。

他人と飲むコーヒーは、その時間に彩りを添える存在になり、前日疲れた体を切り替えさせて新たな1日をスタートさせたいときに飲むコーヒーは、体の隅々に染み渡り、気持ちが落ち着く感覚にさせてくれる精神安定剤になってくれる。

今回の主人公・札幌の大通公園近くにある「ON

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