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ポップカルチャーは裏切らない

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”好きなものを好きだと言う"を基本姿勢に、ライブレポート、ディスクレビュー、感想文、コラムなどを書いている、本noteのメインマガジン。
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2020年10月の記事一覧

オールタイムベストアルバム 50[note 300回投稿記念]

オールタイムベストアルバム 50[note 300回投稿記念]

note300記事目はここ最近タイムラインを賑わせていたオールタイムベストアルバムを。平成ベストアルバムや2010年代ベストアルバムも決めたけど、それを踏まえたうえでもう1度フラットな気分で50枚を選出し、そのバンド/アーティストを聴き出した順番に並べた。つくづく、世間のオールタイムベストとは乖離してると思いつつ、こういう圧倒的に主観で個人的なものこそ記録しておきたいのです。

1.BUMP OF

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2020.10.27 KANA-BOON Dive/Connect @ Zepp Onlineと谷口鮪の選択

2020.10.27 KANA-BOON Dive/Connect @ Zepp Onlineと谷口鮪の選択

KANA-BOONの配信ライブを観た。事前収録映像を観た後に、演者とゲストが振り返りトークを行うもの。今回は古賀隼斗(Gt)、小泉貴裕(Dr)が、女優の岸井ゆきの(KANA-BOONのMVに多数出演)とトークを行なった。

事前に仄めかされていた通り、かなりレアめな楽曲も交えて組まれたセトリ。1曲目から「フルドライブ」のカップリング曲「レピドシレン」なのだからまぁ異様である。MCでも谷口鮪(Vo/

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[Real Sound寄稿記事] 羊文学「銀河鉄道の夜」、NITRODAY「人にやさしく」、長谷川白紙「光のロック」……若手アーティストが歌い継ぐ名曲

[Real Sound寄稿記事] 羊文学「銀河鉄道の夜」、NITRODAY「人にやさしく」、長谷川白紙「光のロック」……若手アーティストが歌い継ぐ名曲

Real Soundに26回目の寄稿をしました。今回は80年代から00年代の日本語ロック/パンクを2020年に再解釈した若手3組のカバーについて。

青春時代の曲とか幼少期から慣れ親しんだ曲を、各々のスキルで自分のものとしてアウトプットするっていう試み、同世代としてすごく楽しく聴けるし、これからもっと楽しくなる。ゼロ年代のバンドのトリビュートとかももれなく楽しいし、カバーっていうコンテンツ自体が好

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10.19 MONOEYES 「Between the Black and Gray Live on Streaming 2020」にはやはり向かい合う4人の姿が

10.19 MONOEYES 「Between the Black and Gray Live on Streaming 2020」にはやはり向かい合う4人の姿が

本当は開催当日に生配信で観ようと思っていたのだけどどその日はそういう気持ちになれず、ようやくアーカイブで観た。新アルバム『Between the Black and Gray』を全曲披露するライブで、このアルバムの持つタフさと切なさがエネルギッシュに放たれた90分だった。7月のビバラロックでのMONOEYES、8月のELLEGARDENアコースティックライブ同様、全員が向かい合って目を合わせ、笑い

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ズーカラデルは空洞を見つめる〜「がらんどう」と「がらがらどん」のこと

ズーカラデルは空洞を見つめる〜「がらんどう」と「がらがらどん」のこと

がらんどう。伽藍堂。何もなく広々とした空間を意味する言葉。思えば2020年、これほどまでこの言葉が似合う1年はなかったと思う。楽しいことは少なく、ワクワクすることも実際減った。ぽかんと空いた空洞のような1年。

『がらんどう』というタイトルのアルバムで今年メジャーデビューを果たしたバンドがいる。北海道出身、3ピースバンドのズーカラデル。本来であればきっとこの夏、各地のフェスにもいっぱい出て名を知ら

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2020.10.16 パスピエ「AJIMI」という味見

2020.10.16 パスピエ「AJIMI」という味見

https://thumva.com/events/cTuRMIxFxgwZeVB

パスピエ、久々の有観客イベント@東京PLEASURE PLEASUREの配信を観た。映画館を改装して作られた会場ということもあり、座席指定もぴったりくる。セトリは再始動のニュアンスも含んだ「ヨアケマエ」で鮮やかに幕開け、「MATATABISTEP」や「術中ハック」といったライブの場で映える曲を並べていく。2020

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森七菜、あるいはその青春と一瞬について~「あのコの夢を見たんです。」第3話

森七菜、あるいはその青春と一瞬について~「あのコの夢を見たんです。」第3話

「あのコの夢を見たんです。」というドラマが毎週金曜日0:12からテレビ東京系列で放送中だ。山里亮太(南海キャンディーズ)が実在の女優をモデルに妄想を広げ続けるエッセイを原作としたドラマ。仲野太賀が主人公として山里亮太を演じ、実際の女優たち(芳根京子、飯豊まりえ、池田エライザetc..)と共に各話ごとに妄想ストーリーを展開していく。その10月16日放送、森七菜がヒロインを務めた回があまりにも素晴らし

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2020.10.17 「LIVEWIRE」DRIVE-IN LIVE “PARKED” Vol.3(クラムボン×never young beach)

2020.10.17 「LIVEWIRE」DRIVE-IN LIVE “PARKED” Vol.3(クラムボン×never young beach)

前回配信が雨模様だったので、晴れたシチュエーションのこのイベントを観たい!と購入したのだけど今回も思いっきり雨だったので笑ってしまった。

never young beach
田中ヤコブ(家主)をサポートギターに迎えた5人編成。冒頭からマイペースながら、メンバーのにやけた表情は隠し切れない。軽快な楽曲を畳み掛けつつ、こんな日にぴったりな「雨が降れば」「いつも雨」もしっとりプレイ。夏と晴れの印象が

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2020.10.10-11 「LIVEWIRE」DRIVE-IN LIVE “PARKED” Vol.1&2(cero,サニーデイ・サービス/スチャダラパー,ハナレグミ)

2020.10.10-11 「LIVEWIRE」DRIVE-IN LIVE “PARKED” Vol.1&2(cero,サニーデイ・サービス/スチャダラパー,ハナレグミ)

SPACE SHOWER TV企画による山梨湖で開催されたドライブ・インフェス・メンツも良いけどシンプルにドライブインフェスってどんな感じ?ということで配信チケット買ってみた(アーカイブはvol.1が10/13、vol.2が10/14まで)。

~10.11~cero
小雨降りしきる中、森をバックにceroという抜群すぎるシチュエーション。「FALLIN'」でするりと音世界に引き入れた後、高城昌

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2020.10.11 yonige 健全な社会ツアー 爽秋編@佐賀GEILS

2020.10.11 yonige 健全な社会ツアー 爽秋編@佐賀GEILS

久々に対面ライブのレポートを書いてみる。yonige、福岡以外の九州を廻るツアーのファイナルが佐賀GEILSで開催。ここに来るのは3年ちょっとぶり。駅前の西友が潰れ、GEILS真向いの塾が工事中だったこと以外はなんの変りもない。しかしコロナ禍を受けてGEILSの総収容人数は50ちょっとに減らされ、フロアには椅子が並べられていた。整理番号が50だったので最後列かなと思っていたけど、最前列の1番端っこ

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2020.10.09 Base Ball Bear『LIVE IN LIVE〜IN YOUR HOME,TAKE C3〜』で次の旅を思う

2020.10.09 Base Ball Bear『LIVE IN LIVE〜IN YOUR HOME,TAKE C3〜』で次の旅を思う

ベボベ、8月のGARAGE、9月のフルカワユタカとのセッションを経た10月の配信ライブは今年1月にリリースされたっきり、生演奏の機会を失っていたアルバム『C3』の完全再現。Swipe Videoなるマルチアングル映像用に数十台のカメラがひしめき合うスタジオの中で3人は演奏。ベボベにとってスタジオライブ自体がなかなか見れないものだし、向かい合うセッティングは新鮮。

8月のライブではかなり試行錯誤を

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ASIAN KUNG-FU GENERATION×フィメールボーカリストの世界〜「ダイアローグ/触れたい 確かめたい」リリースに寄せて[Real Sound寄稿記事]

ASIAN KUNG-FU GENERATION×フィメールボーカリストの世界〜「ダイアローグ/触れたい 確かめたい」リリースに寄せて[Real Sound寄稿記事]

Real Soundに25回目の寄稿しました。今回はアジカンのニューシングルと連動し、これまでの女性ボーカリストとのコラボ曲を振り返る記事です。アジカンについて書いたnoteがきっかけとなってReal Soundへの参加が決まったので、ここでアジカンの記事を書けるというのは実に感慨深かったです。

内容も過去の日記とか発言とかを読み返しながらつくりこみました。ゴッチがそもそもコーラスに力を入れ始め

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10.07「LIVEWIRE」D.A.N. ONEMAN 2020 “Strand”で酩酊

10.07「LIVEWIRE」D.A.N. ONEMAN 2020 “Strand”で酩酊

D.A.Nの配信ライブを観た(アーカイブは10/11まで)。オープニングアクト・食品まつりによるDJプレイから観れちゃう仕様で、その変則的でドラッギーなエレクトロによってかなり気分が高まっていく。そしてDJ終わりに映し出されるのは首都高速の車載カメラ映像。すいすいと進むドライブの様子、コメント欄で分かったのだがこれは会場である渋谷WWW Xへ向かう道順らしい。そういえば9月のPUNPEEのLIVE

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UNISON SQUARE GARDEN『Patrick Vegee』という執念

UNISON SQUARE GARDEN『Patrick Vegee』という執念

時代を読むことは大事らしい。商売をうまく運び、社会を生き抜くのに役に立つらしい。効率よく世界を乗りこなすのに必要らしい。僕の愛する音楽シーンでも時代を読むことを重要視するミュージシャン、批評家、リスナーは数多い。その人たちにとって音楽の評価軸はトレンドを取り入れたであるとか、今っぽい音であるとか、とにかく今、それが必要かという点である。

自分も可能な範囲で流行へと耳をそばだてているが、その時代性

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