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seiji_arita
2024年5月26日 22:02
「ハイボール」小さいけれど確かな幸せって人は見逃してしまう夏の夕暮れの風が心地良かったりあの娘が笑いかけてくれたり確か前に 私は不適切な人間だと あの娘は話してた其れは社会に対してであり また自分自身の心に対して上手くコントロール出来無いんだ そう言って俯いた居場所がわからないとだったら此処に居れば良い此処が君の居場所であり僕の居場所だよ
2024年5月7日 20:29
「言葉」非調和性を帯びた不協和音とトランス状態に似た微かではあるが確実な狂気意識と無意識の境目が手招きをする僕は半円形の世界を見ていた 其れはただ見る必要性に迫られたからで本当に見たいから見ていた訳じゃ無いいつしか僕は現実では無い世界の中に自分の見たいものを自分自身で見つけ出した其処には僕と個人的に結びついているとしか思えないそんな言葉が
2024年4月20日 17:42
「静脈」時間が不規則に揺らぐ僕が心の中の牢獄に閉じ込められている事を誰も知らない 其の牢獄を出る事は 簡単だ自分自身の意志で出てゆけば良い鍵をかけたのも鍵を開けるのも全ては自分自身周りの声達はもう僕に話しかける事を辞めていた僕は誰にも見る事の出来ない風景を睨みつける其処には枯渇した水脈がある僕が解き明かすべき暗号を君は持って居る現実と仮説
2024年4月11日 19:52
「月明かり」満月がくまなく街を照らす夜僕は自分自身が失われるべき場所のドアを開けたその場所に君が閉じ込められている事を知っていたから君は残された短い命を慈しむ様に詩を書いていたその事だけは僕には はっきりとわかっていたその場所には僕達ふたりしか居ないそのドアは一方向にしか開かない僕等は正しく人を愛する事が出来なかったそしてまた自分自身を正
2024年3月20日 20:22
「冬の月」死がふたりを分かつまでは…そんな言葉を何処かで聞いた冷気を含んだ丘からの風が僕の前髪を揺らす 空は灰色の雲に覆われ静かに雨が降り始めた大きくて白い冬の月を見たのはいったい いつだったろう 思い出せない僕は其の小説を書きあげてはならない其れは未完成で無くてはならない姿形を持たない観念的な象徴の中にだけ物語は生きている其れを具現化
2024年2月25日 22:49
「左利きの彼女」濃密な空気の塊に雨の予感がしたもう時間が無い 僕は高く茂った 緑の草を掻き分けて 綺麗な湖へと向かう 野生の花の匂いと幻想的なオルガンの音ある時点で僕の感覚が内圧と外圧に押し潰され 其の接地面にあったはずの感情が崩れ始め痛みと喜びを失った綺麗な湖の辺りには大きな木があってその下に白いベンチがある其処に君が居る その事だけ
2024年2月10日 00:26
「月の南 星の下」辛い時には幸せなふりをするの 君の口癖僕は瞳を閉じ耳を済ませ 其処にあるはずのものを思い描いた ほんの少しの間だけ手を握り合っていた僕は世界に近づこうとしていた近づきたかった その普通と呼ばれる世界に僕は自分が自分自身であり君は君自身である 他の誰でも無い事に不思議な安心感を覚えていた彼等の創り出したものは いつも僕や君を
2024年2月4日 19:03
「Yes Sir」目の前にある現実を離れ夢想に耽る其れは僕にとっても君にとっても別の世界に通じる秘密の扉だったその扉を開くのは自分自身の想像力上手く強く想像する事が出来ればその扉は開き現実から遠ざかる事が出来る其れが生きて行く為に欠かせない必要な事なのそう彼女は僕に微笑みながら囁いた僕は彼女の瞳に自分自身の反映を見る事が出来た時には傲慢で身勝手で
2024年2月3日 19:21
「ジムビーム」雨上がりの空はまだ灰色の雲に覆われ地面は黒く冷たく濡れたままだった他人と比較する事の無意味さを知る自分自身の中にある淀みなき流儀がメッセージを持つ僕が感じていた乾きと刹那 形を変えて行く雲沈黙が旋律の様に舞い降りて来る君は君自身が世界にある何かにきっちりと結び付いている証を探していた 此処は単なる通過点であり目的地へ向かう階段だと
2024年1月21日 22:24
「核」誰かの意見に対抗出来るような意見も人格も持ち合わせていない僕は ただうなずく事しか出来なかった時には誰かの意見を借用してさも自分自身の考えであるかの様に振る舞っていた自分の価値観を持たず いつも 他人の視点と 尺度を借りて来なければ何ひとつとして判断出来ない人間だった他人の目に良く映る僕の形を自分の中に創り出していた人畜無害を装い
2024年1月14日 20:02
「最終章」其処に君が居ると思い込むんじゃ無くて其処に君が居ない事を忘れてしまえばいいそれが僕の恋の始まりだった僕等を隔てる距離や周りの雑音は消え去り僕は常に君を感じる事が出来た遠くに輝く星はいつも僕の手を伸ばした少し先にある 決して触れる事の出来ない虚しさに 押し潰されそうになっていた数々の記憶の中から質の良いものだけをセレクトして再生した
2023年10月28日 22:11
僕等は小さな世界の中に居る 痛みと苦しみが歪み堕ち螺旋を描く自分自身の中に上手く位置付ける事が出来ないまま相手を傷付けない様に そしてまた自分も傷付かない為に明日を変えるには今日を変えなくちゃ今日を変えるには今を変えなくちゃ そう誰かが言ったわかってる わかってるよ だけど何処へも行けない僕は 何ひとつ変える事なんて出来ないままでベッ