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【2022年度版】プロフェッショナルの大原則「人を動かす一人歩きする」資料Before→After 入門編①図解の基本形

※本記事は2019年2月に投稿した記事を2022年版としてブラッシュアップしたものです。3年以上経ちますが、いまだに多くの方に読んでいただいているコンテンツですので、再度ブラッシュアップしてお届けいたします。

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こんにちは、Rubatoの松上です。私は「戦略的プレゼン資料作成講座」で、「人を動かす、一人歩きする資料を早く作る」ことを教えています。一般的なプレゼン資料は説明ありきの資料ですが、私が教えているのは、口頭での伝達に頼るのではなく、企画や提案を資料に落として、その資料で伝えるための資料作成です。

 講座では様々な資料作成のスキルをお伝えしてきましたが、「自分が作った資料をどう直したら良いのか分からない」「テクニックは学んだけどどう使えば分からない」という声をよく耳にしました。

 そこで、毎月Rubatoが開催している「戦略的プレゼン資料作成 2日間集中講座」では、第1日目と2回目の講座間に受講者の皆さんにスライドを作成・提出してもらって、2回目の講義までに全受講者のスライドを添削してお戻しています。

 スライドのBefore(添削前)→After(添削後)をみることで、「何がいけないのか」というNGポイント、「どうすればよくなるのか」という改善テクニックの両方を知り、資料作成スキル向上のスピードが上がります。

 「自分が作った資料をどう直したら良いのか分からない」とお悩みの方に少しでもお役に立てればと思い、今まで私が実際に添削したスライドのBefore→Afterをnoteで連載することにしました。

 資料作成スキルをより強化したいという方はAfterのスライドと解説を見る前に、Beforeのスライドだけをみて、自分だったらどのように改善するかを考えてみてください。まずは自分で考えてみることで資料を見る視点が養われ、回数を重ねるごとに資料作成の大原則が身についていきます。

 解説には、私が執筆した新刊『PowerPoint資料作成 プロフェッショナルの大原則』の対応する大原則の番号を記載しています。
ぜひ書籍で詳細な解説とPowerPointの操作方法を確認してみてください。


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第1回は「一人で行くバー」をお薦めするスライドを添削してみます。

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×NGポイント

タイトルと内容のつながりがわかりづらく何が言いたいのか分からない

・スライドタイトルとメッセージが合っていない
・メッセージとそれを説明する要素の構造が分かりづらい
・文字が多く、重要なポイントが分かりづらく、読みたくない


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◎改善ポイント

メッセージを表示する場所を変え、小見出し、図解、文字強調で見やすく

1. 伝えたいメッセージをT2(タイトルの下)に入れましょう
 「スライドで言いたいこと」を直接相手に伝えたいときに効果的です。
  ▶[大原則028] スライドメッセージは50文字以内で「主張する」

2. 箇条書きを小見出しつきの図解で整理しましょう
 この例では「ストレスフリーで飲める」ことを伝えたいので、
 ストレスフリーで飲める(結果)の理由3つを小見出しにします。
  ▶[大原則080] 箇条書きの弱点を「小見出し」で克服する

3. 「背景型」で図解することで因果関係を示します
 この例では、1つの事象の背景として複数の事柄があるけれども、
 各要素間に時間の流れや因果関係がない場合には、背景型で示すと
 分かりやすくなります。
  ▶[大原則084] 基本図解② 全体を示す「背景型」

4. 文字を強調しましょう
 文字が多いので、読みやすくなるように、文章中の大事な部分の
 文字色をベースカラーに変更し、太字にして、文中の重要なポイントを
 明確にします。
  ▶[大原則100] 図解の文字は「2ステップ」で強調する

5. クリップアートを入れましょう
 図解にクリップアートを入れると、図解の内容が視覚的に表現され、
 その図が何を示しているのか、一目で読み取ることができます。
  ▶[大原則105] 図解の内容を「クリップアート」で視覚化する

いかがでしたでしょうか。ちょっとしたポイントをおさえるだけでスライドは劇的に見やすくなります。ぜひ自分が過去に作った資料を見て、今回解説したポイントをおさえられているか確認してみてください。

沢山の方に、このnoteと私の著書で、「人を動かす、1人歩きする資料を早く作る」ためのプロフェッショナルの資料作成の大原則を習得していただき、皆さんの人生やキャリアに何かしらの変化を生み出し、成長のきっかけとなることを願っています。


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1.ロジカルな図解のつくりかた(前編)
2.ロジカルな図解のつくりかた(後編)
3.アウトプット→インプットの話
4.Rubato流「オトナのパワポ正月遊び」
5.ターゲットを絞り、刺さる資料をつくるコツ
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