孤独な隠遁者の夢想

年金をもらう年ごろとなり、仕事から完全撤退しました。 有り余る時間、人間関係と孤独、お…

孤独な隠遁者の夢想

年金をもらう年ごろとなり、仕事から完全撤退しました。 有り余る時間、人間関係と孤独、お金の問題。 それらの問題に完全引退から半年たった今、ようやくいろんなことが見えてきました。 で、本と映画、人間関係、お金、そのあたりについてテーマ別に記述していきたいと思います。

マガジン

  • 愛すべき本たちの物語

    孤独な私にとって本は生きる知恵を与え、慰めを与え、指針を与え、魂を与えてくれた。 そんな数々の本を読み起こしながら語ってみたい。

  • 愛すべき映画たちの物語

    映画はほぼ毎日観ている。連続ドラマも。仕事を辞めたてできた余暇の半分を映画と本に費やす。 好きな映画は何度でも見る。映画館は月1ペースだった。今はあまりお金を払う価値を感じられる映画が少なく、3か月に1度ぐらいである。思い出に残り忘れられない映画、最近見た面白かった映画をご紹介したい。

  • 老後生活のリアル

    仕事から全面撤退したある前期高齢者の実態をお知らせします。現在の様子を伝えるので、そう時間がかからずお知らせできると思います。当初は週3,または毎日。ネタが無くならない限り。今後引退が間近な方、リタイアを検討している方向けです。

  • じじいの独り言

    年取ると怒りっぽくなり、いろんなことに一言いいたくなる。また若い人たちにはせっかく得た知識や経験を伝えたいと思う。もちろん老害と言われないように気にしつつ。 そんなわけでこのマガジンでは老人言葉で伝えようとキャラ設定をしたものの、実際書いてみると結構面倒である。いつまで続くことか。そのうち文体がかわるかも。 じじいの独り言を聞きたいという奇特な方向けである。月いちか週一かわからぬが更新していく予定である。よろしくお願い申す。

  • 回想~思い出・夢

    物思いに耽るというのは年を取ればとるほど多くなるもの。時として幼い頃の思い出がふと蘇る。そんな思いでを書きつらねてみた。

記事一覧

「シャーリー・うちの小さな女中さん」 召使と女中が織りなすほのぼの漫画

私は絵の美しい漫画が好きである。森薫の「乙嫁語り」はその絵画のような美しさに圧倒される。 森薫には「シャーリー」という作品がある。彼女が公言する大好きな召使の話…

草薙少佐よ永遠に!攻殻機動隊の思い出

田中敦子が亡くなった。最近有名声優の死去が多く報じられてきたが、彼女の死ほどショックを受けることはなかった。61歳だと言う。年下のくせに先に死ぬなよと思った。彼…

男社会を勝ち抜けデイジー!新たなスターウォーズが君を待つ~「ヤング・ウーマン・アンド・シー」

女性で初の英仏ドーバー海峡を泳いで渡ったガートルード・エーデル(ドイツ系移民であり映画の中では英語読みのイーダリーEderle、愛称のトゥルデーをつけてトゥルデーイー…

保険は必要か?保険不要論者が言わないこと。

不透明な未来に様々な不安が押し寄せる。その一つが健康の問題である。私は健康には気をつけている。日々の運動、健康食材の摂取等。それでもがんになるかどうかはわからな…

生きるLiving 男が誇りを取り戻す時~黒澤映画の普遍性

1.「生きる」が何故イギリスで映画化されのか 黒澤明「生きる」のリメイクである。しかもイギリス映画である。何故イギリス映画なのか、主人公のビルナイがつぶやいた言葉…

お金を如何に管理するか(続2)~現金(げんなま)に手を出すな

今回は資金管理の第3回目である。コメントをいただいた。具体的でわかりやすかったと。ありがたいことである。今後もなるべく具体的で更には実践的な話をしていきたい。前…

「村上春樹、河合隼雄に会いに行く」~心の中の闇を見つめて

1.村上春樹が小説を書く理由河合隼雄はユング派の心理療法家であり、京大名誉教授であり、文化庁長官を三期務めた文化功労者もある。彼によってユングの心理療法やその思…

ヒストリエ12~5年間待ち続け20年間読み直した物語

岩明均は処女作「風子のいる店」以来のファンである。 出た!とうとう出たのである。ヒストリエ12巻。11巻から5年もかかっている。12巻が出ると知って今月初めに全…

お金を如何に管理するか~憧れの年金生活に向けて(続1)

1.前回までのお金の管理の復習私は年金繰下げて生活費を年金で賄う目標を立てた。これは80才以上生き続ける、単に生きるのではなく呆けずに生きることを目的としている…

イスラムでは何故豚が禁忌なのか~「ヒトはなぜヒトを食べたのか」より

カニバリズムの調べものをしていたときに読んだ本。アメリカの人類学者の本である。この本はタイトルと異なり、全く関係のない話が節操なく出てくる。脱線に次ぐ脱線。だが…

夢を叶えろ!!若者よ!

1.夢とは何か 若い頃ハインリッヒシュリーマンの「古代への情熱」を読んだ。 貧しい家に生まれたシュリーマンはある夢に取りつかれておった。 それは子どもの頃読んだギ…

お金を如何に管理するか~憧れの年金生活に向けて

1.仕事が嫌で嫌でたまらない仕事を辞めた以上どのように経費を削減するのか、今後年金だけでやっていけるのか、お金をどのように管理するのか、不安は尽きない。ここでは…

マッドマックス~フュリオサ 復讐のエンジンを鳴らせ

「マッドマックス」第一作は大学の頃試写会みた覚えがある。今回はようやくの「マッドマックス」シリーズである。とは言ってもマックスは出ない。ワンカットだけトムハーデ…

「セーヌ川の水面の下に」        ~このぶっとんだ映画を観よ

この映画程タイトルから内容を想像するのが難しい映画はそうないだろう。 英語の原題は「Under Paris」。実はこの原題のほうがこの映画の内容を上手く表している。ラストシ…

よだかの星~いじめられっ子のバイブル

小学校の頃いじめられっ子だった私は休み時間になると図書室に隠れていた。休み時間には、いじめっ子は私を殴りプロレス技をかける練習をしていたのだ。 本には興味無かっ…

孤独と自由~全き自由とは全き孤独であるということ

孤独と自由~全き自由とは全き孤独であるということ 友達が欲しかった。いつも思っていた。 孤独だったあの頃。そのうちに話ができる友人が出来てきた。 彼らは気の置け…

「シャーリー・うちの小さな女中さん」 召使と女中が織りなすほのぼの漫画

「シャーリー・うちの小さな女中さん」 召使と女中が織りなすほのぼの漫画

私は絵の美しい漫画が好きである。森薫の「乙嫁語り」はその絵画のような美しさに圧倒される。

森薫には「シャーリー」という作品がある。彼女が公言する大好きな召使の話である。「エマ」はその召使の階級を超えた恋の話。嫌いなわけではないが、どちらかというと「シャーリー」の簡潔さが好きである。しかしこれが2巻しかない。シャーリーがこの後どうなるのか気になっていた。

その後単発の連載で元気そうであったこと、

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草薙少佐よ永遠に!攻殻機動隊の思い出

草薙少佐よ永遠に!攻殻機動隊の思い出

田中敦子が亡くなった。最近有名声優の死去が多く報じられてきたが、彼女の死ほどショックを受けることはなかった。61歳だと言う。年下のくせに先に死ぬなよと思った。彼女については声ばかりではなく、切れ長の鋭い目つきの美人の姿が浮かぶ。

彼女の声を聴きながら、本人の映像が草薙少佐と二重写しになる。私にとっては彼女自身が草薙少佐だったのだ。

最初の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』。公

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男社会を勝ち抜けデイジー!新たなスターウォーズが君を待つ~「ヤング・ウーマン・アンド・シー」

男社会を勝ち抜けデイジー!新たなスターウォーズが君を待つ~「ヤング・ウーマン・アンド・シー」

女性で初の英仏ドーバー海峡を泳いで渡ったガートルード・エーデル(ドイツ系移民であり映画の中では英語読みのイーダリーEderle、愛称のトゥルデーをつけてトゥルデーイーダリーと呼ばれる)の映画である。
(ディズニープラスで公開中)

幼少の頃、麻疹で生き延びられないと医師に言われた体力がなかった少女は、その後泳ぐことに夢中になる。1914年、セントローレンス川で火災が発生した蒸気船では多くの女性がお

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保険は必要か?保険不要論者が言わないこと。

保険は必要か?保険不要論者が言わないこと。

不透明な未来に様々な不安が押し寄せる。その一つが健康の問題である。私は健康には気をつけている。日々の運動、健康食材の摂取等。それでもがんになるかどうかはわからない。

これから述べることは私のようにお金に不自由している者対象の話である。お金持ちで病気になってもいくらでもお金をかけられるとか、資産運用でその見込みがある方以外のための話である。

1.森永 卓郎「がん闘病日記」
がっちりマンデーを観た

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生きるLiving 男が誇りを取り戻す時~黒澤映画の普遍性

生きるLiving 男が誇りを取り戻す時~黒澤映画の普遍性


1.「生きる」が何故イギリスで映画化されのか
黒澤明「生きる」のリメイクである。しかもイギリス映画である。何故イギリス映画なのか、主人公のビルナイがつぶやいた言葉が忘れられない。

「私は紳士に憧れた。紳士の仲間になりたかった。それが実際は...。」

そうこれは誇り高き紳士の物語なのだ。
志村喬が演じた市役所の役人。生気なくただ時を過ごすゾンビのような役所の堅物がヒトとして生きる目的を取り戻す

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お金を如何に管理するか(続2)~現金(げんなま)に手を出すな

お金を如何に管理するか(続2)~現金(げんなま)に手を出すな

今回は資金管理の第3回目である。コメントをいただいた。具体的でわかりやすかったと。ありがたいことである。今後もなるべく具体的で更には実践的な話をしていきたい。前回は食費について書いた。

今回は遊興費についてまた家計簿につける明細記入のやり方について書きたい。

1.家計簿をつけるには現金を使わないこと
新紙幣が発行された。

今までいつも新紙幣、新貨幣が出ると対応していない自動販売機等で面倒なこ

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「村上春樹、河合隼雄に会いに行く」~心の中の闇を見つめて

「村上春樹、河合隼雄に会いに行く」~心の中の闇を見つめて


1.村上春樹が小説を書く理由河合隼雄はユング派の心理療法家であり、京大名誉教授であり、文化庁長官を三期務めた文化功労者もある。彼によってユングの心理療法やその思想が国内に広められた。

村上春樹は河合と以前アメリカの大学で対談をした。村上春樹は長編小説の執筆途中で頭の中が片付けれられない押入れのような状態だったが、河合と話しているうちにすっかり整理できた、と前書きで書いている。

帰国した村上は

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ヒストリエ12~5年間待ち続け20年間読み直した物語

ヒストリエ12~5年間待ち続け20年間読み直した物語

岩明均は処女作「風子のいる店」以来のファンである。

出た!とうとう出たのである。ヒストリエ12巻。11巻から5年もかかっている。12巻が出ると知って今月初めに全巻読み直した。何度読み直しても胸が震える。その壮絶さ、岩明らしいとぼけた残虐さ、猟奇性、謀略に次ぐ謀略、先の読めない展開、生まれる絆と別れ、悲劇にあいながらも先へ進むエウメネス。ちょっとぞくっとして、涙して、笑って。感動しきりである。

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お金を如何に管理するか~憧れの年金生活に向けて(続1)

お金を如何に管理するか~憧れの年金生活に向けて(続1)


1.前回までのお金の管理の復習私は年金繰下げて生活費を年金で賄う目標を立てた。これは80才以上生き続ける、単に生きるのではなく呆けずに生きることを目的としている。そのためにどうやってお金を管理するか、如何に健康を維持していくかというのが大きな2つの目的である。健康については別途ご説明したい。

今回ご説明するのは資金管理の第2回目である。前回述べたように管理の大原則は管理作業を簡単にすること、す

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イスラムでは何故豚が禁忌なのか~「ヒトはなぜヒトを食べたのか」より

イスラムでは何故豚が禁忌なのか~「ヒトはなぜヒトを食べたのか」より

カニバリズムの調べものをしていたときに読んだ本。アメリカの人類学者の本である。この本はタイトルと異なり、全く関係のない話が節操なく出てくる。脱線に次ぐ脱線。だが、その中でちょっと面白い記述というか仮説があったのでここに記す。

11章に「禁断の肉」という項目があった。ここに宗教的禁忌をする肉食についての説明があった。イスラムでは何故豚が禁忌なのか、特定の宗教の禁忌の食べ物は何故なのかという記述があ

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夢を叶えろ!!若者よ!

夢を叶えろ!!若者よ!


1.夢とは何か
若い頃ハインリッヒシュリーマンの「古代への情熱」を読んだ。
貧しい家に生まれたシュリーマンはある夢に取りつかれておった。

それは子どもの頃読んだギリシャ神話だった。ギリシャ神話に夢中となり、神話の話なのにそれは本当の出来事と思い込み、トロイの遺跡を発掘することを夢に見た。大人になった彼はまずビジネスで成功してリタイヤし、ギリシャに移住し、発掘作業をしてトロイ遺跡を掘り当て、子供

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お金を如何に管理するか~憧れの年金生活に向けて

お金を如何に管理するか~憧れの年金生活に向けて


1.仕事が嫌で嫌でたまらない仕事を辞めた以上どのように経費を削減するのか、今後年金だけでやっていけるのか、お金をどのように管理するのか、不安は尽きない。ここでは私がどの様にして仕事を辞めて年金生活を決心するに至ったかをご説明したい。

とにかくもう働くことにうんざりしていた私は働かずに暮らすやり方を求め続けた。

何度かの試行錯誤の末にその見込みが出来、将来に向けたプラン表が出来上がり、昨年10

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マッドマックス~フュリオサ 復讐のエンジンを鳴らせ

マッドマックス~フュリオサ 復讐のエンジンを鳴らせ

「マッドマックス」第一作は大学の頃試写会みた覚えがある。今回はようやくの「マッドマックス」シリーズである。とは言ってもマックスは出ない。ワンカットだけトムハーディのスタントマンが出ていた。完全なサイドストーリーである。フュリオサ自体も前回の「怒りのデスロード」に出たのが初めてである。しかもシャーリーズセロンが演じた。

そのフュリオサがどうやってそうなっていたかの一代記である。しかし内容はまさにマ

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「セーヌ川の水面の下に」        ~このぶっとんだ映画を観よ

「セーヌ川の水面の下に」        ~このぶっとんだ映画を観よ

この映画程タイトルから内容を想像するのが難しい映画はそうないだろう。
英語の原題は「Under Paris」。実はこの原題のほうがこの映画の内容を上手く表している。ラストシーンを観ればこのタイトルの意味が実感できる。

最初のエピソードを観て思う。よくある主人公に訪れる苦難のエピソード、そして「ジョーズ」でもおなじみの危機の到来と権力者の無関心。ところがここから予想される展開は結果的にすべて裏切ら

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よだかの星~いじめられっ子のバイブル

よだかの星~いじめられっ子のバイブル

小学校の頃いじめられっ子だった私は休み時間になると図書室に隠れていた。休み時間には、いじめっ子は私を殴りプロレス技をかける練習をしていたのだ。
本には興味無かったが教師が朗読してくれたよだかの星は覚えていた。
手持ち無沙汰だったこともあり「よだかの星」を読んだ。
醜く、誰からも嫌われ、嫌がらせを受けるよだかはまさに自分のことだと思った。

よだかは鷹の仲間なのに醜く、嫌われ者だった。鷹が彼の元にや

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孤独と自由~全き自由とは全き孤独であるということ

孤独と自由~全き自由とは全き孤独であるということ

孤独と自由~全き自由とは全き孤独であるということ

友達が欲しかった。いつも思っていた。
孤独だったあの頃。そのうちに話ができる友人が出来てきた。

彼らは気の置けない友人になっていた。
しかしそのうちに何故かむなしさを感じるようになってきた。
いつも話をしていて思うのは彼ら(彼女ら)は自分の話しかしない。
私の話は全く聞いてくれないことに気が付いた。
私が自分の話をしようとするといつの間にか話が

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