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夢を叶えろ!!若者よ!

他人の魂の中に何が起こっているか気を付けていないからといって、そのために不幸になる人はそうたやすくみられるものではない。しかし自分自身の魂のうごきを注意深く見守っていない人は必ず不幸になる。

マルクス・アウレリウス「自省録」より

1.夢とは何か


若い頃ハインリッヒシュリーマンの「古代への情熱」を読んだ。
貧しい家に生まれたシュリーマンはある夢に取りつかれておった。

ハインリッヒ・シュリーマン 1822年1月6日 - 1890年12月26日

それは子どもの頃読んだギリシャ神話だった。ギリシャ神話に夢中となり、神話の話なのにそれは本当の出来事と思い込み、トロイの遺跡を発掘することを夢に見た。大人になった彼はまずビジネスで成功してリタイヤし、ギリシャに移住し、発掘作業をしてトロイ遺跡を掘り当て、子供の頃からの夢を実現させた。

この物語に感動したわしは、この通り生きてみたいと思った。

まずは成功してリタイヤし、そして夢を実現、最もリスクのないやり方である。この人生モデルに憧れ、辛いことがあっても夢のため、苦しくても夢のためと努力した。そうこうしているうちに仕事にのめり込み、お金のために働くようになり、本当の夢を忘れていった。

皆さんの夢とはなんじゃろう?

よく言われることがある。成功して大金持ちになりたいと。確かに金持ちになれば何でもできる。

しかし大事なのは、その「何でも」出来る事の先にあることじゃ。
その夢とは本当にやりたいことなのだろうか。見栄や、カッコよさだけで憧れているだけではないのか。誰もが言うから同調しているだけではないのか。金を稼ぐことに夢中になって、好きなことを見失ったり、好きなことをする時間がなくなってはいかんのだ。

2.「好き」と「得意」は違うもの


あなたが歌を好きだったとしよう、歌手になりたいと。それは誰かに憧れているだけかも、単に有名になりちやほやされたいだけか、あるいは金持ちになる手段なのかも知れない。
本当に歌が好きなら、ただ歌っているだけで幸せだろう。朝から晩まで寝食を忘れ打ち込むことができるはず。そうでないならそれはあなたの本当の夢とは言えないはずじゃ。

そういう夢を見つけられた人はそれだけで幸せなんじゃ。

50台で夢を叶えた芸人がいた。彼らはビックになりたい、一旗揚げたいという野望もあったかもしれないがそれ以上に笑いを追求する芸人という生き方が好きでたまらなかったと言っておった。やりたいことをただただやってきた、寝食を忘れるほど好きなことをやってきたという。

やりたいことをやれてる時点で夢の9割はかなってると思う。これで売れなくても僕的には夢がかなっていると思っている。だからみなさんもやりたいことがあったら、どんどんやった方がいい。

錦鯉・渡辺が卒業する高校生に捧げたコメント

ブレイクできない者も多いだろう。問題は、死ぬ時に本当にやりたいことをやり続けて満足だったと思うかどうかだ。

もう一つ大事なことがある。先ほどの歌手の話で、あなたが「歌が上手い」と言われて歌手になろうとする。「歌う」ことが得意だとする。しかし得意だからと言って好きかどうかは別の問題じゃ。大事なのは「歌う」ことが好きなのかどうかじゃ。仕事をやっていると上手く行くようになり、得意になることがある。そうするとそれが好きなことだと誤解することもある。うまくいっているから続ければいいんじゃない?誤解してはいかん!
この場合「得意」なことと「好き」なことは違うのだ。

自分の本当に好きなことをただやり続けることじゃ。それは「得意」なことではないかもしれん。しかしやり続け「好き」なことを「得意」なことにしていくのだ。その夢とは目の前にある小さな仕事かもしれないし、他人に誇らしげに言えないことかもしれない。(昔はオタクと言われ蔑まれたことが今では結構市民権得られるようになってきてはいるが。)

それでもそれが自分が好きでたまらないことであればそれはりっぱな夢じゃ。人の数だけ夢があって当然じゃ。お金がなくともその夢に向かって踏み出せる一歩はあるはずじゃ。
大切なのは日々の生活で、金を追い求める生活の中で、いつの間にかお金を夢だと勘違いしないことじゃ。

夢を叶えるとは金持ちになることでも、有名になることでもない。それらは結果であって目的ではない。

3.夢がない人はどうしたらよいか


まずはやってみることじゃ。
先ほど言ったこととは矛盾するが、カッコよさそうだからとか、女の子に持てそうだからでも、動機は何でも良い。
もしかすると子供の頃大好きだったことにヒントがあるやもしれぬ。

それをやってみて心から好きになれるか、ただそのことをやっていると幸せかどうかだ。
最初の不純な動機が無くなったとしてもやりたいと思えるかどうかだ。
少しでも「心から好きだ」とそう感じたら、失敗を恐れず繰り返すことだ。
継続は力なり。
前回申したことを繰り返し申そう。

若さというのは失敗しても取り返せるだけのエネルギーと時間があるということ、無茶をできるということ。

若い方がもしこれを読んでいたら言いたいことがあり申す、
聞いてくだされ。

本当にやりたいことを見つけてそれをやり続けなさい。
夢とお金を混同しないように。それができれば君たちは、並外れた、幸福で美しい人生を生きることができる。

夢があなたの運命である限り、夢に忠実であるべき・・・あなたの運命はあなたを愛おしんでいる。いつまでも夢に忠実に生きれば、いつかあなたが夢に見ているものがあなたのものになる。

ヘルマン・ヘッセ「デーミアン」より


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