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雑記

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記事一覧

"This is a pen" を笑うネズミ

"This is a pen"は日本の教育の問題点を象徴している。まずは以下をご覧頂きたい。

仕事でバリバリ英語を使う商社マンが言うんだから間違いないのだろう。実際の会話で"This is a pen"なんてフレーズを使うことは無いのだから、そんなフレーズを学んだってなんの意味もないのだ。こんなboringなphraseをstudyするぐらいなら、actualでpragmaticなpick up

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Indeed but構文が嫌いだった話

東大英語の大問2は、伝統的に自由英作文が出題される。今回は、自由英作文の際に多用されていた(していた?)Indeed〜,but〜構文が嫌いだった話をしようと思う。

英語学習については他にも記事を書いているので見て頂けると嬉しい。

東大英作文東大英語の大問2は、伝統的に自由英作文が出題される。ずいぶんニッチな話をしていると思われるかもしれないが、東大入試が「知識偏重」であることについて度々社会的

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小泉環境相の育休取得宣言から考える育休政策

先日、小泉環境相が第一子の出産に合わせて育休を取得することが報じられた。

小泉環境相に第1子の男児誕生 育休「しっかり確保」:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54501420X10C20A1EAF000/

大臣が育休なんてけしからんとか、逆に正味2週間じゃ大差ないとか、そういう批判も含めて話題になっている。

一方で、育休と言えば昨年末に

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「結論ファーストを心がけましょう」

森絵都さんの『ダイブ』に印象的なシーンがある。
『ダイブ』は3人の少年が飛び込み競技でオリンピックの代表を目指す小説だ。その中の1人は、競技としての飛び込みは未経験だが、幼少期から崖から海に飛び込んでいた野生児で、ダイナミックな演技が持ち味だった。もちろん、入水もダイナミック。"競技としての飛び込み"は入水時に水しぶきが上がると減点されてしまうので、彼の飛び込みは見栄えはいいもののイマイチ得点が伸

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学術会議任命拒否問題を政治哲学的に考察する

菅総理が学術会議が推薦した会員候補のうち6名の任命を拒否してから、1ヶ月以上が経った。学術会議側や野党はこの措置に不満を持ち、再三「任命拒否の理由」を説明するよう求めているが、菅総理は「個別の人事については答えられない」と一向に理由を語らない。首相が任命を拒否すること自体は合法ではあるものの、理由が明かされないのであれば本件が適切であったか否かを議論することすら出来ない。このような態度を取る政権と

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「小さな学校」

近年、学力観の変容が明示的なものとなっている。日本(あるいはアジア)の児童・生徒が答えや解き方が一つに定まる「定型的問題」を解くことに卓越する一方で、解き方が一つに定まらない「非定型的問題」を解くこと、すなわち「概念的理解」において劣後していることが指摘された。知識技能型学習観から理解志向型学習観への転換は学習指導要領においては「主体的・対話的で深い学び」という文言に表れ、教育現場では一斉授業から

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「本質的思考」に関する本質的考察

「本質」という言葉がよく使われる。

「まずは本質的問題を探ろう(キリッ」とか、
「それって本質的には何も解決してないよね(ドヤァ」とか、
「ちょっと待って?わたしたち、本質を見失ってない?(ニチャァ」といったように。

「本質」という言葉を使っている人の顔はそれはもう気持ち悪いぐらいに輝いており、自身の鋭い発言に酔いしれ深刻な二日酔いに見舞われること請け合いだ。それほどまでに人を魅了する「本質

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「勝利至上主義」に関するよくある誤解

今年の箱根駅伝は白熱しましたね。

この手の大きなスポーツイベントの際にしばしば話題に上がりがちな「勝利至上主義」について、よくある誤解を解いていきたいと思います。

勝利至上主義といえば、日大アメフト部の悪質タックルのようなラフプレーの一因として語られることがありますが、端的に言えばあのようなプレーは勝利至上主義によって起こるのではなく、勝利至上主義の"不在"によって起こるのだというお話です。

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逃げ恥は「ムズキュン」であってフェミニズムやポリコレではないというお話

「逃げ恥新春スペシャルがフェミっぽくて嫌いだ」とか「逃げ恥新春スペシャルはフェミニズムだから素晴らしい」という意見が散見される一方で、「逃げ恥は別にフェミでもポリコレでもないよ」という論考が見当たらなかったので、一応まとめておく。

「逃げ恥はフェミニズムだ」という人は逃げ恥もわかっていなければフェミニズムもわかっていないし、仮に製作者があの脚本と演出にフェミニズムを仕込もうとしているとしたら製作

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ガラスの天井と蛍光色の下駄

大阪府知事の吉村氏が「ガラスの天井」という言葉の意味を知らなかったとして批判(嘲笑?)を浴びている。

「ガラスの天井」とは、女性の社会進出を阻むある種の障壁のお洒落な呼称だ。「ガラスの」とは透明であること、つまり認識されにくいことの比喩で、「天井」とは役員や社長への昇進などキャリアの終盤で妨げとなることの比喩だ。
採用や若手の昇進についてあからさまな男女差別をやる企業は確かに減ったのかもしれない

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「人命最優先」というお気持ち表明



2019年4月19日、豊島区東池袋の日出町第二公園前交差点において二人の方が亡くなり、十人が重軽傷を負う悲惨な自動車事故が発生した。このモニュメントは、この事故の被害者を含む全ての交通事故被害者を追悼するとともに、交通事故の根絶と安心・安全な社会を願って、現場近くに設置されたものだ。(豊島区HP: https://www.city.toshima.lg.jp/335/2002181419.ht

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