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のぐとも企画室

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マーケティング、コミュニケーション、商品企画について、ほぼ体験に基づく考察を書きます
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処理能力の低い人

処理能力の低い人

どんな会社でも組織でも、気持ちは前向きなのに仕事の処理能力が低い人がいる。経験を積んだりテクニックを学ぶことで多少改善することもあるけど、そう簡単なものではない。

それは例えば、歩く速度とか食べるスピードのような、その人固有のリズムなのだ。急げと言われて速くできても、すぐまた元に戻ってしまうようなものだ。

それで仕事が滞ったりして、周りの人はストレスを抱える。そして上司も大抵は率先して「ほんと

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こだわりは忘れた頃に

こだわりは忘れた頃に

スタートは思いきりこだわればいい。でも、こだわりを意識しているうちは未熟で、まだ道半ばです。こだわりが、当たり前になり過ぎて、何がこだわりだかわからなくなったら本物。そうなれば、誰かが教えてくれます。

一番の悪手は、未熟なこだわりを売りにすることです。
いわゆる底の浅いマーケティング。
店主が、扱う商品への愛や熱い思いを持っている店は心地良く、面倒でもそこで買いたいとも思いますが、何かを境にして

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インフルエンサー考

インフルエンサー考

インフルエンサーという言葉を知った時から、なんとなくモヤモヤしていたことがある。

企業は、インフルエンサーにインフルエンスして欲しくて、インフルエンス力のある人たちを集めたり、擦り寄ったりする。時に対価を払ってインフルエンスしてもらう。

でも、インフルエンサーと言われるほどの影響力を持つまでになる手伝いはあまりしない。

もちろん、育つかわからない種に水をやるより、咲いてる花を買った方が手っ取

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目標は炊き立てのご飯

目標は炊き立てのご飯

炊き立てのご飯は、毎日食べても飽きない
炊き立てのご飯は、流行に左右されない
炊き立てのご飯は、いろいろなおかずを引き立てる
炊き立てのご飯は、それだけで主役にもなる
炊き立てのご飯は、素朴でシンプルだ
人生最後に食べたいのは、炊き立てのご飯で作ったおにぎり

僕が商品企画の仕事をしていた時に目標にしていたのが、そんな「炊き立てのご飯」のような商品を作ることだった。

もちろん、そんな理想的なもの

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本音を言えるか

本音を言えるか

フィロソフィーから必然的に導き出されたビジョン・ゴールと、実現可能なゴールに合わせてフィロソフィーを後付けするのでは、天と地の違いがある。

そんなことは言われなくても皆わかっているのだけど、後者を認めると自己否定にもなりかねないので、なかなかできない。

その上、今の時代は、隠しても飾っても、見透かされてしまう時代。

大人の判断を、崇高な志で隠さないこと。それこそ粉飾だ。

相当腹を据えないと

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フィロソフィー、テザー、IT導入3種盛り

フィロソフィー、テザー、IT導入3種盛り

(その1)フィロソフィーから導き出したゴールと、実現可能なゴールに合わせてフィロソフィーを後付けするのでは、天と地の違いがある。認知性不協和を解消するために定義を変えたり価値バランスを変えて、大人は自分を納得させることで自分を守る術を知っている。真面目でピュアな人ほどそれができずに苦しむ。

(その2)テザー(情報小出し戦術) 仕掛けて煽って盛り上げる手法が仕事している気分になれるもの。アップルが

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PR会社の苦い体験

PR会社の苦い体験

今、PR会社が仕切った記者会見が話題ですが、ボクもいくつかのPR会社と仕事をしてきました。そして残念ながら悪い印象しかなかったなと、昔の記憶が呼び起こされました。

ワンショットで360度撮影できる新しいジャンルの新製品発表会を某PR会社に頼んだのですが、ゲストに当時よくテレビに出てた女子サッカー選手を招待するという提案がありました。

PR会社は、発表会にいくつのメディアがきて、記事をどれだけ書

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ホストのわきまえ

ホストのわきまえ

海外の代理店から招待されてフォトコンテストの表彰式に行った時に、席が主賓席みたいな位置だったことがあって、このイベントの主役は受賞者だからと説明して、移動してもらったことがある。

代理店の人は、わざわざ日本から来てくれたメーカーの人に失礼がないように、最大限にもてなさなくてはという気持ちだったのだろう。

このように、お客さんより身内に気をつかってしまう間違いは、今でもよく見かける。

記念写真

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インテリジェンスを信じて 再び

インテリジェンスを信じて 再び

「PRポイントは一つに絞れ」

「説明は1行で」

まだそんなことを売りにして、
コンサルやセミナーをやってる会社がある。

社内のセンスがない上司の承認を得るためならともかく、
顧客のインテリジェンスを侮ってはいけない。

作り手以上に、本能的に本質を見極める眼力がある。

この商品の良さは、文庫本一冊読まないとわからない。
読んでも半分くらいしかわからない、だっていい。
わからなさは、最強の価

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SnapLand構想

SnapLand構想

昔、スナップ写真のテーマパーク構想というのを考えて笑ったこと思い出した。(言い出しっぺは元同僚T内くん)

パーク内はブレッソンランド、アーウィットランド、ソールライターランドなどで構成される。

ブレッソンランドでは、キャストが常時水溜りを飛んでいたり、階段下の路地を5分に一回自転車が走り去るなど、決定的瞬間ポイントが多くある。

アーウィットランドには、バックミラーにカップルが映る車のコーナー

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6色クレヨン

6色クレヨン

子供の頃、いつも6色のクレヨンで絵を描いていた。ある時、親戚の人から100色クレヨンをもらった。当時は相当高価なものだったと思う。最初は大喜びで使ったのだけど、早々に飽きてしまったのを覚えている。

買ってもらった玩具に見向きもせず、洗濯バサミとハンガーで長い時間遊んでいた記憶もあるけど、似たような経験は誰でもあるんじゃないだろうか。

仕事でも、予算が少ない・時間がない・人が足りない、そんな条件

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今だから笑える勘違い

今だから笑える勘違い

その1)MMCとかいう部門が、製品の使いやすさ評価をして、改善提案するような目的で作られた。そのうち、カメラも評価するということになって最初の打ち合わせ。MMCの担当者(女性)がカメラを弄りながら「うーん、これはダメですよね。爪伸ばした女性がこのボタン押しにくいですもん。改善ポイントですね。」と言うので「爪切れよ」と言い残して席を立った。

その2)事業部の業績が悪い原因を究明に来た本社スタッフが

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イメージの最大公約数

イメージの最大公約数

写真展のタイトルを考えていた時のこと。小さな物語の入り口が散らかっているイメージから、当初「断片」「Fragment」などを考えたのだけど、ある写真家から、写真の世界では擦れたワードだよね、とやんわり指摘されて思い出したこと。

カメラのカタログ制作に関わっている時は、プロのコピーライターが書いた文章が、セントラルダイニングで作られる料理みたいで、よく書き直すことがあった。「かけがえのない瞬間を」

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感情を押し付けない

感情を押し付けない

「TBS世界遺産」の杏さんのナレーションがとても良いです。この手のナレーションは、変に重々しかったり、感情込めるよりも、丁寧に淡々と話す方が、心に響くんですね。語り手が酔っていると、それがノイズになってしまうのです。

先日、街頭の献血募集の呼び込みで、腰をくねらすくらい懇願的に叫んでいる人がいましたが、なんだかとても安っぽくいかがわしい感じがしました。

また、数年前あるイベントで、東日本大震災

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