のぐとも

旅、渓流釣り、温泉、写真カメラ、文具、本好き。RICOHでカメラ、amanaで写真に関…

のぐとも

旅、渓流釣り、温泉、写真カメラ、文具、本好き。RICOHでカメラ、amanaで写真に関わる。ゆでたまご代表(ブランディング&コミュニケーション)。写真展:SlowWaltz〜終わらない序章の始まり(2021)、川風(2022) https://linktr.ee/nogutomo

マガジン

  • のぐとも企画室

    マーケティング、コミュニケーション、商品企画について、ほぼ体験に基づく考察を書きます

最近の記事

難しいことをわかりやすく

以前、何かの写真展だったか写真集の紹介で見つけた文章。 「韻を踏んで結びついた大胆な一連の独特な画像配置で正確な視覚言語を不明瞭で無意識の連想の領域にまで押し進めている」 こういうのを見ると、 「混沌とした言葉の渦に翻弄されながら自己消失の幻想を漂いわずかな引き金を探り寄せる体験を過ごす」 とか、意味のない返歌を送りたくなります。 書いている人は悪意もなく、澱みなくスラスラ書ける人なのでしょう。語彙も豊富だし、写真のこともよく知っているのかもしれません。でも、本物の

    • マーケティングを恋愛に喩える人に限って

      マーケティングを恋愛に喩えることがよくありますね。 ボクは、ビジネスを戦争に喩えるのと同じくらい、そういう喩えは好みませんが、まあでも理解はできます。 好きな人に好きになってもらうように、買って欲しい人に買ってもらうのがマーケティングだとして、考えてみます。 好きな人に好きになって欲しい時に、一生懸命親切にしたりプレゼントを送ったりして、好きになってくれるでしょうか? 確かにそれで相手の気を引くことはできるかもしれないけど、モテる人を見てると、そんなことは二の次、三の次で

      • キャッチボールは楽しい ♪

        キャッチボールは、野球が上手くなるための基礎的な練習の一つだけど、そういうレベルアップを目的としたものではなく、キャッチボールそのものがボールを投げて受けてという単純な繰り返しが、楽しい。 もちろん、子供の頃に父親とやったこと、友達と空き地でやったこと、いろんな記憶と思い出は沢山あるのだけど、そういう懐かしさではなく、純粋にキャッチボールそのものに、何かワクワクさせるものがある。 酒を飲みながら語り合うような、濃いコミュニケーションが生まれる感覚。フリスビーも同じような楽

        • 知恵が発想を萎縮させる

          知恵が発想を萎縮させることがある。 金がない時こそ知恵の出しどころだし、ボクもそういうのが結構得意だったりするけど、気をつけないと知らぬ間に発想が萎縮してしまうことがある。 数百万、数千万のバジェットでやりくりしていると、数十億数百億のアイデアは出てこない。考えるのは自由だと理屈ではわかっていても、無意識にそっちに思考をもっていかなくなる。 歴史ある大企業で、頭もいいし仕事もできるのに50歳近くになっても部下がいないで、裁量はせいぜい100万(または数十万)くらいと言う

        難しいことをわかりやすく

        マガジン

        • のぐとも企画室
          33本

        記事

          処理能力の低い人

          どんな会社でも組織でも、気持ちは前向きなのに仕事の処理能力が低い人がいる。経験を積んだりテクニックを学ぶことで多少改善することもあるけど、そう簡単なものではない。 それは例えば、歩く速度とか食べるスピードのような、その人固有のリズムなのだ。急げと言われて速くできても、すぐまた元に戻ってしまうようなものだ。 それで仕事が滞ったりして、周りの人はストレスを抱える。そして上司も大抵は率先して「ほんとアイツには困ったもんだ」と言う。1人の遅いペースにチーム全体が引っ張られて、パフ

          処理能力の低い人

          こだわりは忘れた頃に

          スタートは思いきりこだわればいい。でも、こだわりを意識しているうちは未熟で、まだ道半ばです。こだわりが、当たり前になり過ぎて、何がこだわりだかわからなくなったら本物。そうなれば、誰かが教えてくれます。 一番の悪手は、未熟なこだわりを売りにすることです。 いわゆる底の浅いマーケティング。 店主が、扱う商品への愛や熱い思いを持っている店は心地良く、面倒でもそこで買いたいとも思いますが、何かを境にして、それが鬱陶しく嫌になることがあります。それは大抵、意識してそれを売りにしようと

          こだわりは忘れた頃に

          インフルエンサー考

          インフルエンサーという言葉を知った時から、なんとなくモヤモヤしていたことがある。 企業は、インフルエンサーにインフルエンスして欲しくて、インフルエンス力のある人たちを集めたり、擦り寄ったりする。時に対価を払ってインフルエンスしてもらう。 でも、インフルエンサーと言われるほどの影響力を持つまでになる手伝いはあまりしない。 もちろん、育つかわからない種に水をやるより、咲いてる花を買った方が手っ取り早いしリスクがないから、という理屈はわかる。 でも、金の切れ目が縁の切れ目と

          インフルエンサー考

          素直さは強さ

          明るい人 暗い人 笑っている人 泣いている人 肝要な人 憤る人 暖かい人 冷たい人 物静かな人 騒がしい人 正直な人 狡い人 鷹揚な人 神経質な人 親切な人 意地悪な人 比率は違っても誰もが両面を持っている。 そして後者はネガティブなイメージがあるけど、決してそれだけではなく、暗く落ち込んだり、泣いたり、冷たくしたり、騒ぎ立てたり、狡く立ち回ったり、細かく計算したりすることが、時に意味があることもある。 ただ、「意地悪」だけは始末が悪い。 他人を傷つける以上に、自分を卑屈

          素直さは強さ

          目標は炊き立てのご飯

          炊き立てのご飯は、毎日食べても飽きない 炊き立てのご飯は、流行に左右されない 炊き立てのご飯は、いろいろなおかずを引き立てる 炊き立てのご飯は、それだけで主役にもなる 炊き立てのご飯は、素朴でシンプルだ 人生最後に食べたいのは、炊き立てのご飯で作ったおにぎり 僕が商品企画の仕事をしていた時に目標にしていたのが、そんな「炊き立てのご飯」のような商品を作ることだった。 もちろん、そんな理想的なものはなかなかできなかったし、当時こんなことを言って理解してくれる人は少なかったけど

          目標は炊き立てのご飯

          本音を言えるか

          フィロソフィーから必然的に導き出されたビジョン・ゴールと、実現可能なゴールに合わせてフィロソフィーを後付けするのでは、天と地の違いがある。 そんなことは言われなくても皆わかっているのだけど、後者を認めると自己否定にもなりかねないので、なかなかできない。 その上、今の時代は、隠しても飾っても、見透かされてしまう時代。 大人の判断を、崇高な志で隠さないこと。それこそ粉飾だ。 相当腹を据えないと、本音は言えないけど、それができたら強い。ゴメン今はこれしかできないから頑張る!

          本音を言えるか

          フィロソフィー、テザー、IT導入3種盛り

          (その1)フィロソフィーから導き出したゴールと、実現可能なゴールに合わせてフィロソフィーを後付けするのでは、天と地の違いがある。認知性不協和を解消するために定義を変えたり価値バランスを変えて、大人は自分を納得させることで自分を守る術を知っている。真面目でピュアな人ほどそれができずに苦しむ。 (その2)テザー(情報小出し戦術) 仕掛けて煽って盛り上げる手法が仕事している気分になれるもの。アップルが発表の翌日発売という潔さを実現してから減少傾向にあるが昭和世代にはいまだに好まれ

          フィロソフィー、テザー、IT導入3種盛り

          PR会社の苦い体験

          今、PR会社が仕切った記者会見が話題ですが、ボクもいくつかのPR会社と仕事をしてきました。そして残念ながら悪い印象しかなかったなと、昔の記憶が呼び起こされました。 ワンショットで360度撮影できる新しいジャンルの新製品発表会を某PR会社に頼んだのですが、ゲストに当時よくテレビに出てた女子サッカー選手を招待するという提案がありました。 PR会社は、発表会にいくつのメディアがきて、記事をどれだけ書いてもらって、広告換算でいくらの効果があった、というところまでが仕事だと考えてい

          PR会社の苦い体験

          GRの雑誌広告

          デジタル時代のGRで、広告(純広)はほとんど出さなかった。出せなかったとも言う(笑)タイアップ記事は少しやったけど、それだってC社N社に比べれば笑うほど少量だ。そんな中で一度だけ純広を出すことになった。経緯はよく覚えてないのだけど、枠が空いて売り込みがあったかだったはず。BRUTUSが写真特集のMOOKを出すので表4に広告出しませんか?という話が来て、お付き合いすることになった。大袈裟なんだけど、良い雑誌の表4は、後々文化遺産になる場所だと個人的には思っている。 ちょうどG

          GRの雑誌広告

          三愛ドリームセンター解体

          いろんな思いが詰まった建物が解体になるというので、書いておこう。 三愛ドリームセンターができたのは1963年、ボクが幼稚園の頃だ。今日まで60年間、銀座4丁目のランドマークだった。向かいの和光は1894年にできて1932年建替したから築90年超、それでもどっしり佇んでいる。ニュース映像でいつも和光が映るのは歴史が古いとかフォトジェニックだからというのもあるけど、屋外広告がほぼないというのも大きな理由だと聞いた。ドリームセンターは広告だらけの建物だったから。 ここに写真ギャ

          三愛ドリームセンター解体

          無法者のルール

          防衛力についていつも思うことは、軍事力100:1を100:5にすることで、どれだけ抑止力が高まるのかということ。 仮に100:50以上になって初めて効力が出るのなら、1を5にする意味は何なのか?5が50のためのプロセスでしかないとしたら、それを先に言うべきだと思うし。 しかも、それは戦争というゲームルールが守られることが前提でしかない。 掟破りが相手なら、結局最後は最終兵器の有無以外あまり関係ないという世界にならないのか?とも思う。 強力な武器カードを100枚揃えても、

          無法者のルール

          まあちゃん

          8月17日夜遅く病院からの連絡で駆けつける。意識混濁の中で、話しかけるとやっと頷く。明日また来るよと帰りのタクシーに乗っている時に、再度病院から着信。戻った時に息はなく。親や親族が着くまで、静かになった従兄弟と自分だけの時間。病室の天井を見あげたり、すべてが0を表示するモニタリング機器をぼーっと眺めていた。プロはこういう時に写真撮る人もいるよなとは思ったけど、カバンからGRを出す気持ちにはならなかった。 今春に15年近く疎遠だった従兄弟が訪ねてきた。人づてに癌であることは聞

          まあちゃん