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負の感情から抜け出すには 〜音楽の力
自分の努力に対して、恩を仇で返すような仕打ちをされ、珍しく落ち込んだ。考えれば考えるほど気が沈む。暗く深い霧の中に迷い込んだようだった。
自分は何をしたのだろう。あの人はなんと器が小さいのだろうか。そしてこの器の小さい人から受ける影響はなんだろう。憤りさえ感じ始めた。子供が私の頭を撫で、慰めてくれた。少し癒やされた。
それでも不快な気分は留まったままだった。負の感情の渦に巻き込まれていきそうに
席を譲ることの難しさを考える
外出からの帰り、バスに乗り、後部座席に腰掛けた。日が暮れ、車内は薄暗い。しばらくすると、70代くらいの男性が私の席のすぐ横に立ち、つり革につかまった。少しふらついたように見えたので、私は男性に声をかけた。
― お席どうぞ
― え?あ、私?いや、大丈夫です。
― どうぞ、どうぞ。
(私は席を立ち、反対側に移動した)
― いや、ほんとに大丈夫ですよ。
― 私、次の次で降りますから、どうぞ
真夏の夜の夢~野外音楽祭
初夏のこと。ある音楽祭が地元で初めて開催されることを市報で知った。演目を見ると、なんと、あの伝説のピアニスト、マルタ=アルゲリッチが来るではないか。彼女の演奏を生で聴いてみたい。でもその日は学年末で忙殺されていて無理だろうと、はなからあきらめていた。ところがコンサートの当日、ピアニストの友人からメッセージが届いた。「今朝サイトを見たら、チケットが残っていたから即買ったわ。息子も一緒に行く」激しく心
もっとみる生きているという実感 〜心臓の鼓動から考える
ベッドに横になっていると、我が子がよじ上って来た。私に背を向け、くの字になる。後ろから抱っこすると、私の手がちょうど子の心臓の上に来た。「昔ママのお腹にいた時、パパと初めてあなたの鼓動を聴いたのよ。精悍な馬が草原を駆け抜けるような、速くて力強い音でね。驚いたわ」と私が言った。すると、「ママ、心臓の音を聞いてみて」と言うので、子供の背中に耳を当てた。結構な速さでドクドク言っている。「ママの心臓の音も
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