しのびよるエネルギー不足の影
郵便受けを開けると、小さな紙が一枚入っていた。冬の暖房に関する管理組合の提案書だった。10月中旬からレジデンス一帯の暖房の設定温度を18度に下げるという。
昨今の国際情勢により、深刻なエネルギー不足に直面する欧州。今月初めにフランス政府が国民に対して発表した省エネ対策の一つが、暖房温度を19度に設定するというものだ。組合の提案はこれを受けたもの。1度下げると7%のエネルギー消費削減になるそうだ。
先日知り合いと立ち話した際、エネルギー不足が話題に上った。エネルギー価格の高騰による経営難で、ヴェルサイユのある市民プールが閉鎖されたそうだ。幸い、地元のプールは経営を続けているが、入場料が2割増しになるなど影響は少なくない。メディアによれば全国の30以上のプールが閉鎖になっているという。
エネルギー消費量を減らすために、我が家で何ができるか。仏紙ルモンドによると、例えば、瞬間湯沸かしポットをなるべく使わない、お風呂に入る回数を減らし短時間でシャワーする、手洗い時に冷水を使う、充電器などを差しっぱなしにしない、冷蔵庫など家電購入時は家庭の消費量相当のものを選ぶといったことを推奨している。
温暖化対策だけで国民の劇的な行動変容を促すのはなかなか困難だが、今度の戦争を契機にして一気に省エネの方向へ進んでいることは、唯一ポジティブに捉えられる点ではないか。
普段から節電には気を使ってきたつもりだが、今一度、生活習慣を見直してみようと思う。
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